摩擦と矯正装置
矯正歯科2011/05/23
医学の進歩についての話をよく耳にしますが、歯科矯正装置もいろいろな工夫により大きな進歩を遂げています。 一例をあげれば、以前のものでは、ブラケットといわれる歯に装着する装置に歯を並べるための金属線をくくりつけるために細い線や小さな輪ゴムを使っていましたが、矯正装置に強い摩擦が生じるため歯が移動しにくくなるという側面がありました。
しかし、最近ではキャップのように装置自体にくくりつける仕組みを組み込むものが増えています。 この装置ですと摩擦が少なくすべりがよいため、痛みが減り、歯の動きがスムーズになり、結果的に治療期間が短くなります。
また、くくりつける時間が削減されるため、チェアタイム(座っている時間)も短くなるなど「削減効果」が顕著に現れます。
また電力会社や、自動車産業などに比べれば非常にわずかなものですが、金属線をはずすときに捨てる部分がでないのでエコという面でも効果があります。
Text by
みはら歯科矯正クリニック 村井 茂(
2011年5月23日 「みなみ風」掲載)