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加齢黄斑変性(かれいおうはんへんせい)を知っていますか

眼科2008/08/13

 加齢黄斑変性は、欧米では50歳以上の視力低下の原因の第1位の眼疾患です。
国内でも増加していますが、あまりなじみがないかもしれません。
眼のフィルムの働きをする網膜の中心部である黄斑が、さまざまな原因によって障害される疾患が加齢黄斑変性です。

 この疾患になると、ものがゆがんで見えたり、ぼやけて見えたり、見たい部分が黒く見えたりします。
眼科で眼底検査や蛍光眼底造影検査(けいこうがんていぞうえいけんさ)をおこなうことにより診断ができます。

 数年前に認定医による光線力学的療法(こうせんりきがくてきりょうほう)がわが国でも認可されこの方法による治療が行われています。
これは光に反応する薬剤を体内に注射した後に、病変部にレーザー照射する治療法です。
弱いレーザーによって薬剤を活性化し、網膜へのダメージを抑えながら病変を小さくさせます。

 気になる症状がありましたら、眼科で眼底検査を受けて下さい。


Text by 江口眼科病院 森 文彦( 2013年8月26日 「北海道新聞夕刊」掲載)

「喉頭癌(こうとうがん)〜後悔しないために〜」

耳鼻咽喉科2015/08/10

 喉頭癌の初期症状で最も多いのは嗄声(させい=しわがれ声)で改善しない場合はためらわずに耳鼻咽喉科を受診すべきです。
喉頭癌のほとんどは扁平上皮癌で放射線療法が一般的に行われます。
早期癌であれば、放射線療法のみで80~90%で治癒が望めます(※)。
進行癌になってしまうと放射線療法、抗癌剤、手術を組み合わせて治療計画を立てます。
手術で喉頭全摘出術を行った場合、喉頭を全て取るので声は失われます。
喉頭癌になってしまうと治療のために2~3カ月の入院が必要となり、失声という機能障害を残す可能性があり、やはり予防が大切です。
北海道は喫煙率が男女ともに高い地域です。
喉頭癌患者の90%以上が喫煙者(※)ですので、発癌の危険性を低めるためにぜひとも禁煙をおすすめします。

(※)国立がんセンター発行「がんの冊子 喉頭がん」より


Text by 治耳鼻咽喉科 山口 治浩( 2015年8月10日 「北海道新聞みなみ風」掲載)

『めまい』を考える

脳神経外科2009/03/18

 「めまい」は医者泣かせの症状です。他覚的には、「眼振」という特徴的な目の動きやふらつく姿も見られず、自覚症状だけのこともあり、原因がわからないこともしばしばです。今回は、この厄介な「めまい」を考えます。

 「めまい」とは、体のバランスをとる働きの不調と表現できるでしょう。
体の傾きや動きを感じるには、「視覚(物を見る)」「平衡感覚(耳の奥にある三半規管などによる)」「深部感覚(筋肉や、関節からの感覚)」、これらの感覚を脳に伝える「神経経路」、そして最終的に全ての情報を統合する「脳」が関わっています。このどこに障害が起きても「めまい」が生じます。

 しかし、「深部感覚」や「神経経路」の障害による「めまい」は、注目されることが少ないような気がします。
医師からでさえ、「首や腰、膝や足の病気でめまいなど起きない」と言われることが多いのですが、耳や脳を検査して「異常なし」とされた「めまい」の患者さんの中には、頸椎や腰椎に原因が疑われる方がいらっしゃいます。

 偉い先生の書いた「めまい」についての分厚い本にも、背骨を支えている筋肉の感覚異常から「めまい」が生じることが書かれています。
体の重心を支えている関節や筋肉に異常があれば、ふらつくのは当然です。頸椎や腰椎に病気があれば、その両脇の筋肉に負担がかかることも納得できます。
さらに、糖尿病でも末梢神経障害が生じることがありますが、このとき「平らなところを歩いていても、砂利の上を歩いているみたい」と表現されることがあります。
こんなときも「めまい」という自覚症状となることがあります。

 「めまい」は強い恐怖を感じるものです。実際、脳卒中の場合は命の危険もあります。
頸椎、腰椎の病気や末梢神経障害の場合、比較的「めまい」が軽い印象がありますが、不快なことに変わりません。
耳や脳に異常が見つからないとき、頸椎・腰椎などの脊椎や末梢神経の障害を疑うことも必要でしょう。


Text by 函館西部脳神経クリニック 小保内 主税(  「」掲載)

目の検診を受けましょう!

眼科2013/01/25

 眼科を受診すると、視力検査により近視、遠視、乱視、老視などがわかります。
皆さんは視力が悪いというのは、メガネなしの視力(らがん視力)が悪いことと思っているかもしれませんが、メガネやコンタクトレンズで視力(矯正視力)が良ければ視力は良いと言えるのです。

 矯正視力が悪い場合には、何か他に目の病気がないのか、別の検査に進む手がかりになります。
視力検査は白内障をはじめ、色々な疾患の進行度合いを評価するのにとても重要な診断材料のひとつです。
矯正視力が悪化していれば、必要な検査を色々加えて総合的に診断をします。
「目が痒い」などの主訴で受診した方が、視力検査で他の病気が発見されることはよくあることです。

 子供の場合6〜8歳くらいまでに視力の発達が完成するので、それ以前に是非一度視力検査を受けることをおすすめします。
視力検査は3〜4歳くらいから可能になります。
幼児には絵の指標なども使って測る事もできます。

 また、成人も白内障、緑内障、糖尿病網膜症、加齢黄斑変性などは、「視力検査、眼圧検査、眼底検査」の基本検査の他に、視野検査や他の検査の組み合わせで発見できます。
早期発見により早期治療ができれば、急激な視力低下を防げることが多いのです。

 ふつうに見えることは当たり前のようですが、日常生活を安全・快適に過ごす上でとても大事なことです。

 眼科の基本の検査はひとつも痛い検査はありませんので、小児から高齢者まで受けることができます。
目の病気がなくても、年に1〜2回検診を受けるつもりでお気軽に眼科を受診して下さい。


Text by 藤岡眼科 藤岡聖子( 2013年1月15日 「青いぽすと」掲載)

斜視について

眼科2015/05/18

 さまざまな原因で、両眼で視線を合わせることができず、片眼または両眼がずれてしまうことを斜視といいます。
斜視のタイプで最も多いのは、外にずれる外斜視です。
他には乳幼児に起こる内斜視、高齢者に多い上下斜視などがあります。

 斜視の原因は、強い遠視や脳疾患、外傷、バセドウ病などの全身疾患で起こるものなどさまざまです。
自覚症状は、二つに見える、ぶれたりぼやけて見える、眼が疲れるなどがあります。
また、自覚症状がなくても他の人から指摘されて気付くこともあります。
治療法は、眼鏡や訓練、場合によっては手術など、斜視のタイプや大きさによって異なります。

 特に乳幼児の斜視は、視力をはじめさまざまな視機能の発達に影響することがあるので、早期発見・早期治療がとても大切です。
「斜視かな?」と思ったら早めに眼科の受診をお勧めします。


Text by 江口眼科病院 鈴木 智哉 視能訓練士( 2015年5月18日 「北海道新聞みなみ風」掲載)

春の眼科検診での視力と色覚検査

眼科2023/04/25

新学期を迎え、われわれ眼科医も学校健診のため小・中学校を訪れます。視力検査を含め、目の病気が疑われれば専門医を受診するようにと、健診の結果用紙を子供達は学校から渡されます。

その中で特に注意しなければならないのが小学校一年生の視力検査の結果でしょう。小学校一年生にとって視力検査は初めての経験で、やり方もよく理解できないかも知れません。そのため本来の視力より悪く出ただけということもあります。

しかしながらこの年齢で結果が悪い場合、遠視や乱視のお子さんも多く見受けられます。そして、遠視や乱視の場合、弱視や斜視を伴っている場合があり、この一年生の時期を逃すと後で眼鏡をかけたとしても視力が回復できなくなってしまうこともあります。目にとってラストチャンスだともいえます。

簡単にいうと、近視は少なくとも近くを見ている時にはきちんとピントが合った画像が目に入るので弱視になることはありません。それに対し強い遠視や乱視の場合は近くも遠くもピントが合わず常にぼやけています。

いつもはっきりしない画像しか見えていないため、放置すると眼鏡で矯正しても弱視になってしまったり、また、斜視を来すこともあります。 先天性色覚異常は男児だと、おおよそクラスに1名いる割合です。

小学校に上がると消防車の写生などの色使いにより色覚異常の生徒ははっきりと現れることになります。図工以外の教科でも先生が黒板に書いた字が見づらい・学校の掲示物が読みづらいなどの不具合が出ることもあります。

小学生のうちにぜひ色覚検査も受けることを勧めます。 健康診断で視力の結果が悪いときには放置せず、必ず専門医の精密検査を受けましょう。


Text by 清水眼科クリニック 院長 清水信晶( 2023年4月17日 「北海道新聞夕刊」掲載)

たかが便秘、されど便秘!

消化器内科2008/08/13

 便秘とは、3日以上排便がなくお腹が張ってつらくなる状態です。たとえ毎日排便がなくても、バナナ状の形の便が気持ちよく出ていて残便感がなければ心配いりません。便秘が続くと、お腹が張るばかりではなく肌荒れ、口臭、イライラや肩こり、不眠まで引き起こすこともあります。

 1日3食、特に朝食はきちんと摂りましょう。朝、胃に食べ物が入ると腸が刺激されて動き出します。朝起きがけに、コップ1杯のお水を飲むことも腸を刺激してくれます。もちろん野菜や果物をたっぷり摂ることも大切です。また、適量の油の摂取も、腸での潤滑油となり便を出しやすくしてくれます。トイレは我慢せず、朝食後にトイレに行く習慣をつけましょう。そして適度な運動を心がけ、睡眠はたっぷりとってストレスをためないようにしましょう。

 生活習慣と食事を改善しても便秘が解消しない時、軟らかい細い便しか出ない時、下痢が続く時、便に血が混じる時、それは腸炎、あるいは、ひそかに大腸がんが進行していることもあります。自己判断で下剤を常用する前に、消化器専門医にご相談下さい。


Text by 鈴木内科外科クリニック 大原 眞理子(  「」掲載)

もう辛くない、恥ずかしくない! 大腸カメラ

内科2018/06/25

 死亡者数がこの30年で5倍に増加し、今や最も多いがんになりつつある大腸がん。特にこの函館では、大腸がんで死亡する人が全国平均より30%以上も多いことが分かっています。だからこそ、定期的に検診や検査へ行くことは、とても大切で早期発見・早期治療が、がんから命を救う有効な手立てになります。

 大腸がんで亡くならないためには、まずは、便潜血の検査を毎年受けることです。便潜血検査は、便の中に血が混じっていないかを調べる検査で、便の中に血液が混じっていると「陽性」となり、大腸カメラを受けることになります。ただし、大腸がんができているのに、便潜血が陽性にならない人が15~20%いると言われています。陰性だからといって安心はできませんので、毎年欠かさずすることが大切です。

 大腸カメラは、下剤を飲んで腸をきれいにしてから始めます。以前の下剤は、量も多く、とても飲みにくいものでしたが、最近では、量も減り、味も随分改良されています。肛門からカメラを入れて検査が始まりますが、きちんとお尻が覆われた検査着を着用していただきますので、恥ずかしいことはありません。検査で使用されるカメラも細く柔らかく改良されていますので、痛みもかなり緩和されています。それでも不安が強い方、痛みが伴う方は鎮静剤を使用することもできます。

 大腸カメラのメリットは、その場でポリープやがんが見えますし、そのような病変があれば、細胞をとって、良性か悪性か、つまりがんかどうかを判断することができます。がんはもちろんですが、腺腫という腫瘍性のポリープがある場合は、全て切除することが大切です。たとえ良性であってもポリープを小まめに切除することにより、大腸がんによる死亡率が低下すると言われています。

 いつかは大腸検査を受けなければと分かってはいても、そう思いながら何年もたっていませんか?

 そろそろ重い腰を上げてお近くの専門医にご相談下さい。


Text by 鈴木内科外科クリニック 大原 眞理子( 2018年6月25日 「北海道新聞夕刊」掲載)

寒くなると涙目? 乾き目?

眼科2011/11/28

 冬場は空気が乾燥してきますが、それに加え暖房を入れるとなおさら室内の空気が乾燥してきます。
そうすると目が乾く、ショボショボするという患者さんが急に増えてきます。
乾き目=ドライアイの患者さんには2種類あります。
涙が根本的に少ないタイプと涙は普通の量なのに乾き目になってしまうタイプです。 前者はシェーグレン症候群と呼ばれ、涙の他に唾液も少なくなって口も渇く病気です。
治療は、ヒアルロン酸や人口涙液といった点眼液をさして水分を補充して、目頭にある涙の下水の入り口=涙点(るいてん)にプラグという詰め物をして少しでも涙が目にたまるようにしてあげます。 後者は結膜弛緩症(けつまくしかんしょう)と言って、白目の表面の皮=結膜がだぶついてくることによって涙が目の表面で安定しなくなり蒸発しやすくなってしまうという病気です。
治療は、だぶついた結膜を引っ張って伸ばして縫い付ける手術をします。「EYES CURE(アイズキュアー)」というドライアイ用のメガネも有効で す。
スキーのゴーグルのようにレンズ・フレームと顔の隙間を埋めるパッドがあり涙の蒸発を防いでくれます。
また、加湿器の役目をする水タンクが付いて目を潤してくれます。 逆に冬場は涙目になるという患者さんも増えてきます。
先に挙げた涙点が小さくなってしまう病気~涙点狭窄症(るいてんきょうさくしょう)の患者さんは、冷たい風に当たると涙が増え、それが目の外に捨てられなくなるので涙があふれてしまうのです。
また、涙点だけではなく、目頭から鼻にかけて通っている涙の下水管=鼻涙管(びるいかん)自体がつまってしまっている病気もあります。~鼻涙管閉鎖症(びるいかんへさしょう)。
これらの場合、まず涙を減らす目薬を使ってみますが、効き目が少ないようならば、涙点切開術や涙道チューブ挿入術などの涙目の手術をする必要があります。


Text by 清水眼科クリニック 清水 信晶( 2011年11月28日 「北海道新聞夕刊」掲載)

冬になると肌がカサカサに乾燥します。良い対処法はありますか?

皮膚科2010/03/18

強い垢こすりや長湯も皮膚の機能低下に影響。
スキンケアにはバランスの良い食生活が何より重要

 全身を覆う皮膚は、外敵から身を守る防御機構の最前線に位置し、新陳代謝を活発に繰り返しています。
皮膚がカサカサに乾燥すると、その機能は低下してしまいます。
皮膚の潤いを決める要素には、皮脂、角質細胞間脂質、天然保湿因子の3つがあります。
皮膚は角質で覆われ、一つひとつの角質細胞はレンガを積み上げたような構造をしています。
毛穴から分泌される皮脂が角質表面を包み込んでおり、角質細胞の間にはセラミドという物質を中心として脂質が充満しています。
また、角質細胞の中にはアミノ酸を中心に天然保湿因子が存在しています。
これらの働きによって皮膚の潤いが保たれているのです。 お風呂で行うことが多い「垢こすり」は、かつての1カ月に数回しか入らないような入浴習慣だと、実際に垢が皮膚の表面にたまり、強くこすることに意味があったでしょうが、ほぼ毎日入る現在の入浴習慣では、こするという行為は、皮脂を洗い流し、いたずらに皮膚をそぎ落とす行為でしかないのです。
このことにより、皮膚のバリア機能は著しく阻害されます。
また、長湯を続け、皮膚がお湯と接触し続けると、潤いを決定する要素の一つ、天然保湿因子が流れ出てしまいます。
お風呂に入ってきれいにしているつもりの行為が、実は外からの刺激が侵入しやすいような状態にしてしまっているのです。 皮膚の健康を保つうえでは食事も重要です。
皮膚は網目状に張り巡らされたコラーゲンの線維によってその弾力が保たれています。
コラーゲンの主な原料はプロリン、アルギニン、システインなどのアミノ酸です。
コラーゲンを合成するには良質なタンパク質とビタミンCが不可欠です。
またアミノ酸のひとつであるタウリンも肝臓の機能を高め、皮膚に有害な物質を除去するのに有効な成分とされており、それを多く含む魚介類の摂取がお勧めです。
またビタミンCはメラニン色素の変化を防いだり、コラーゲンの形成と維持を調節したりする効果を持ち、鉄分の吸収を助ける働きもあります。
通常の食事をしていればビタミンCが不足することはまずありませんが、偏食している場合や抗生物質を服用している場合、腸内細菌が変化しビタミンCの合成が低下する場合があります。
ビタミンCが低下・欠乏すると皮膚の内出血や粘膜からの出血が起こることがあります。
このほかにもビタミンAやEは抗酸化ビタミンと呼ばれ、保湿成分の生成に関与し、皮膚の老化を防ぐ働きがあります。
亜鉛やセレンといったミネラルも皮膚の増殖や機能の維持に必要不可欠な栄養成分です。 細胞を正常に働かせるには、必須アミノ酸を含むタンパク質を十分摂取しビタミンやミネラルも摂る必要があります。
バランスの良い食事を心がけること、これが皮膚にとって一番です。


Text by やなせ皮フ科クリニック 梁瀬 義範( 2010年3月 「ホームドクター 健康新常識」掲載)

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