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危機を乗り越えて

その他2011/03/28

いつもいろいろな方たちに病気の予防の話をするとき、防災に例えてお話をすることがありますが、このたびの大地震にはただただ驚くばかりです。
しかし困難な状況、先の見えない暗闇に光明を見る思いがしています。「災害に遭おうとも驚かず、艱難(かんなん)に向かうとも悲しまず」。
陸別町の開拓に貢献した幕末の医師、関寛斎(せきかんさい)の言葉の一部です。
立派な言葉ですがなかなか実践は難しいでしょう。
そもそも生きることは、いつも新しい事態に対処していくことに他なりません。
誰でも「やりたいこと」「こうありたいと願う姿」などを持っていますが、現実に「できること」とはズレがあります。
人は絶えず自分自身または環境を変えたりしてそのズレを調整したり、身の丈に合わせて「できること」の範囲で生活する術を身につけていきます。
しかし老いるということ、病むということは新たな事態に対処する力が衰えるということです。
報道される被災地のご高齢の方たちの姿に、胸が痛みます。
このような出来事をキッカケに健康を害することは想像しやすいことですが、感染症など環境要因によるものだけでなく精神的な影響による大きな喪失感はさまざまな病気を引き起こします。
しかし困ったときに人の手を借りる、困っている人に手を貸すことが自然に行われる社会では、心のケアがよりやさしくなると想像します。
昨今老いることや病むことを忌むべきこととして、それらに目を背けるような気配が世の中にあるように思われていましたが、大変な苦労をされている被災地で大きな混乱もなく互いに助け合う様子を伝え聞くとこの国はまだまだ捨てたものではないと思い直すのです。この度は、東北地方を中心とした大地震災害に遭われた方々、ご遺族の皆様に心よりお見舞い申し上げます。最後に、エイブラハム・リンカーンの言葉を送ります。
「あなたが倒れてしまったことはもうどうでもいいのです。私はあなたが立ち直ることに関心があるのです。」


Text by 函館西部脳神経クリニック 小保内 主税( 2011年3月28日 「北海道新聞夕刊」掲載)

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