■ご訪問者数:26984977
カワムラ歯科クリニック  たからまち総合診療クリニック 

コラムを読む

在宅療養支援診療所

介護2011/09/13

 僕が医師になったころ、病院の隣に住んでいながら孤独死したご老人がいらっしゃいました。
なぜ亡くなってしまったのでしょうか。
認知症で受診することが分からなかったのか、どこかに痛みがあって動けなかったのか。
いずれにしても定期的にご高齢者をサポートするシステムが機能していなかったのは確かです。
このことは都会にあっても無医村地区と変わりがないことだと思うのです。
高齢化社会を迎え平成12年に介護保険制度がスタートし、介護保険と訪問診療を上手に組み合わせて利用することで、ご高齢の方が長期入院することなく、住み慣れたご自宅などでお暮しになることが可能となりました。
日本人の多くが住み慣れたご自宅の畳の上で亡くなりたいと希望されています。
医療が地域に積極的に出て行かなくては、これらの希望に対応できないと考え、20年前の開業当時から往診に力を入れてきました。
数年前医療保険で「在宅療養支援診療所」の制度が新制され、現在当院では在宅療養支援診療所として届けを出しております。
「在宅療養支援診療所」とはどんな診療所かご存じでしょうか?
通常の外来以外に寝たきり状態の方や癌などの疾患をご自宅で療養されることを希望される方、定期的な通院が困難な方など、患者様ごとの状態に応じて計画を作成して、24時間体制で訪問診療を行っている診療所です。
自宅で酸素療法、経管栄養(胃ろう、腸ろうなど)、気管切開の管理、緩和ケア(疼痛のコントロール)、中心静脈栄養管理、ターミナルケアなど希望される方へ対応させていただいております。
在宅担当看護師は、患者様やご家族様といつでも連絡がとれる体制で身体状況を確認させていただき、緊急時には医師と連携し24時間365日訪問診療をしております。
通院が困難な方や退院後に不安を抱えている方、また介護保険のことなど、どのようなことでもお気軽に当院にご相談ください。


Text by 飯田内科クリニック 飯田善樹( 2011年6月14日 「青いぽすと」掲載)

骨盤底筋のリハビリで尿もれ・尿失禁を予防!!

その他2017/12/07

「年のせい」とあきらめたり、人には相談できない・・・と悩んでいる方は意外と多いのではないでしょうか。健康な女性でも尿失禁の罹患率は10〜46%と報告されています。最近では産後のケアのひとつとして骨盤底筋のトレーニングが注目されるようになりましたが、まだまだ一般的に普及しているとはいえません。欧米諸国ではすでに一般的で、その中でもとりわけ意識の高いフランスのパリジェンヌ達は出産後の骨盤底筋のリハビリは常識とまで言われています。

 今回はそんな骨盤底筋の訓練方法を紹介させていただきます。排尿障害の中でも、腹圧性尿失禁には骨盤底筋のトレーニングが効果的と言われています。くしゃみや咳をした際に「あ!!」と思うことのある方、走る、飛ぶなどの運動をした際に「あ!!」と思った経験のある方はぜひ実践してみてください。

《骨盤底筋リハビリのポイント》
[1]骨盤底筋がどこにあるかを確認しよう
おならを我慢、トイレに行きたいのを我慢するイメージで肛門、尿道をきゅっとしめてみてください。その時に動いた筋肉が骨盤底筋です。

[2]色々なバリエーションがありますが、今回は仰向けで寝ながらできる運動を紹介します(参考+引用:理学療法士協会作成のパンフレット)

①仰向けに寝て足を肩幅くらいに開き膝を軽く曲げる。
②身体の力を抜いて、おへその下に意識を持つようにしながら肛門(や膣)を5秒間締める。
③これを10〜20回繰り返す。

 これを1日に3〜4回程度繰り返します。
 リハビリによって効果が実感できるのは2〜3カ月かかると言われています。即効性がないため、モチベーションが上がらず継続することがなかなか難しいですが、さやるぞというよりも何かをしながら、テレビを見ながら、朝起きる時や夜布団に入った時など、生活のリズムの中に上手に取り入れながら継続してみてください。


Text by 飯田内科クリニックいしかわ 福井 瑞恵( 2017.11.14発行 「青いぽすと」掲載)

進学、就職を控える高校3年生へ

高校3年生の皆さん、就職される人は希望する会社に決まりましたか?進学される人はこれからが頑張りどころですのでインフルエンザに負けずに勉強に励んでください。就職進学にあたり、必要な予防接種は済みましたか?まずはMR(麻しん・風しん混合ワクチン)です。
日本から麻しんをなくすため、また風しんの流行を阻止するため、2年前から5年間限定で18歳のあなた方に無料で接種しています。
麻しんはワクチンでしっかり予防できる病気の中では一番怖い病気と言っても過言ではありません。
麻しんにかかったときに脳炎になり一生意識が戻らなかったり、病気になって10年以上たってから意識障害やけいれんで命を落したりする場合もあります。
1歳の頃に1度だけの接種では麻しんの発症を防ぐことはできません。
接種は3月までですので、まだの人は市町村にお尋ねください。女の人は、子宮頚(けい)がん予防ワクチンを是非しましょう。
いま、20代の若い女性に子宮頸がんで命を落としている人が増えています。
子宮頸がんはパピローマウイルスがその発症に深く関わっていることそしてワクチンと子宮頸がん検診を行うことで100%近くの頸がんが予防できることが分かっています。
3回の接種で5万円近くかかりますが、あなたの命を守るためには必要なワクチンです。本州方面に就職進学する人は、日本脳炎の予防接種をしましょう。
北海道に住んでいる限りは日本脳炎のワクチンは必要ではありませんが、道外では定期接種として、日本脳炎のワクチンを全員が接種しています。
日本脳炎は最初の症状は風邪と同じですが、その後けいれんなどの症状が出る治療の難しい病気です。
初回の免疫には1ヶ月の間をおいて2回と1年後に1回の計3回の接種が必要です。
今から始めて、来年に帰省した時に追加を行うといいでしょう。最後はインフルエンザです。
今年すでにA香港型の流行が見られています。
通常は1回の接種で十分ですが、受験生には2回の接種で万全を期すことを勧めています。


Text by かみいそこどもクリニック 渋谷 好孝( 2010年10月25日 「北海道新聞夕刊」掲載)

摩擦と矯正装置

矯正歯科2011/05/23

 医学の進歩についての話をよく耳にしますが、歯科矯正装置もいろいろな工夫により大きな進歩を遂げています。 一例をあげれば、以前のものでは、ブラケットといわれる歯に装着する装置に歯を並べるための金属線をくくりつけるために細い線や小さな輪ゴムを使っていましたが、矯正装置に強い摩擦が生じるため歯が移動しにくくなるという側面がありました。
しかし、最近ではキャップのように装置自体にくくりつける仕組みを組み込むものが増えています。 この装置ですと摩擦が少なくすべりがよいため、痛みが減り、歯の動きがスムーズになり、結果的に治療期間が短くなります。
また、くくりつける時間が削減されるため、チェアタイム(座っている時間)も短くなるなど「削減効果」が顕著に現れます。
また電力会社や、自動車産業などに比べれば非常にわずかなものですが、金属線をはずすときに捨てる部分がでないのでエコという面でも効果があります。


Text by みはら歯科矯正クリニック 村井 茂( 2011年5月23日 「みなみ風」掲載)

青と紫

眼科2018/03/12

 以前このコーナーで白、緑、黒で目の病気を紹介しましたが、今回は青と紫で目に関連のあることについて紹介します。

 青や紫から連想される目に良いとされるものでブルーベリー、ビルベリーがあります。
これらに含まれるアントシアニンが目の働きを助け、抗酸化作用もあり目の老化防止にも良いと言われています。

 一方、目に不調を与える青や紫から連想されるものにブルーライト(短波長)や紫外線(UV)があります。

 ブルーライトは目に見える光(可視光線)でまぶしさや眼精疲労の原因につながり、紫外線(UV)は目に見えない光で蓄積されると角膜や水晶体に悪影響を与えると考えられています。

 ブルーライトは遮光やブルーライトカットレンズ、紫外線はつば広の帽子、UVカットサングラスやコンタクトレンズなどの対策法があります。


Text by くどう眼科クリニック 釜石 清隆( 2018年3月12日 「北海道新聞みなみ風」掲載)

内視鏡とAI

内科2022/08/31

最近AI(エーアイ)という単語を耳にする機会が増えています。AIとは「人工知能」の略称でコンピューターが人間に代わって思考や判断をするもので、多様な分野でその応用が始まっています。

将棋の名人とAIの対局なども話題になりましたが、医療分野も例外ではありません。AIはすでにレントゲンやCTなどの画像を的確に診断できるようになっており、レントゲンではすでに製品化され導入している医療機関もあります。

そして今、胃や大腸の内視鏡検査の世界にもAI導入の波が来ています。 内視鏡検査では進行がんのような大きな病変はあまり診断に苦労しませんが、早期がんの場合はサイズが小さい上に一つ一つ顔つきも違い、さらに周囲の正常部分との境界が分かりずらいことも珍しくないため、専門医でも発見や診断が困難な場合があります。

それは例えるなら複雑な模様が描かれた絵の中から特別な形を見つけ出す作業であり、長年の経験が必要となります。 人間では膨大な時間を要する多数の症例の画像をAIは効率よく短時間で学習し、診断能力を身につけます。そして検査の時にはモニター画面の画像をAIが分析し医師の診断を補完します。

具体的には1.異常病変の発見、2.発見した病変が良性か悪性かの判定、3.病変の範囲の判定、をリアルタイムに支援することでより早く正確な診断が可能となるため、結果的には患者さんの負担軽減につながっていきます。

学術の世界でも内視鏡検査におけるAIの有用性を報告する論文がすでに多数出ており、その評価は高まってきています。大腸の内視鏡ではすでに製品化が始まっており、胃の製品などは間もなく実現する見通しです。

今後内視鏡のAIが普及していけば、よりすばやく的確にがんを発見・診断できるようになるものと期待されます。


Text by 弥生坂内科クリニック 渡辺 雅男( 2022年8月22日 「北海道新聞夕刊」掲載)

魔法の注射?

脳神経外科2013/03/25

 突然ですが、ボールを投げる動作を思い出してください。
投げる方の腕は円を描くように伸び、反対側の腕は肘を曲げて折りたたまれています。
このようにある動きをするとき、左右の手足は無意識にバランスを保った動きをします。
さらに、関節の曲げ伸ばしにも、曲げる筋肉と伸ばす筋肉が同時に働きます。
肘を曲げる時には、脳は「曲げろ」という命令を腕の前側(力こぶを作る筋肉)に出す一方、腕の後ろ側には「伸ばせ」という指示を出します。
これにより動きがスムーズになります。このように脳が、左右のバランスや、曲げ伸ばしのように相反する動きの調整をしています。

 多くの脳卒中では、体半分が動かなくなる障害(片麻痺といいます)が残ります。
このとき、単に片側の手足が動かないだけではなく、左右のバランスや、曲げ伸ばしの調節も変化して、片麻痺からの回復に影響します。
典型的には、病気になった腕は肘が曲がり、足は伸びて突っ張ったような形になり、アチコチの筋肉は固くなります(痙縮[けいしゅく]といいます)。
痙縮は、その後の回復を妨げ、日常生活にも差し支えます。

 片麻痺は、リハビリテーションにより改善しますが、発症から半年を過ぎると回復の速度は鈍り、ほとんど回復が止まります。
この原因の一つが痙縮です。
半年以上経った脳卒中後の麻痺が、ボツリヌス菌という細菌から作った注射薬で再び改善していく様子がテレビで放送され、その「注射」についての問い合わせが増えました。

 テレビでも、薬の作用は説明していましたが、「改善」が「治る」というように解釈され、あたかも注射だけで片麻痺が治ると考えられているようです。
注射は「痙縮」には有効ですが、麻痺を治す「魔法の注射」ではありません。
固くなった手足を伸ばし、リハビリを行うことで、再び改善する可能性が出て来ます。
注射とリハビリの組み合わせが大切です。
この注射をどこで受けられるかはインターネット上で調べられますので、「脳卒中後遺症、痙縮」で検索してみてください。


Text by 函館西部脳神経クリニック 小保内 主税( 2013年3月25日 「北海道新聞夕刊」掲載)

増え続ける大腸がん

2008/08/13

 食生活の欧米化とともに増加した病気に【大腸がん】があります。

 近い将来、消化器がんの中では最も多いと考えられています。初期には他のがんと同様にほとんど症状はありませんが、進行すると、下痢・便秘等の排便異常や血便が出現し、更に大きくなると、腸閉塞(へいそく)になることもあります。初期の症状が出現しづらいため、大腸がんの転移した肺がんや肝臓がんが、原因となった大腸がんよりも先に発見されることもあります。

 診断は、最近では「大腸カメラ」で発見されることが非常に多くなりました。以前は、おしりからバリウムを注入しながらレントゲンを撮る「注腸バリウム検査」で診断しましたが、便とポリープの区別が難しく、また早期の大腸がんの発見が困難なため次第に大腸の検査は「大腸カメラ」に取って代わりつつあります。「大腸カメラ」の普及は、検査手技の技術の向上とも関係していて、以前は全大腸を短時間でかつ苦痛なく検査するにはかなりの熟練が必要でしたが、現在では下剤の内服後、短時間(二十分程度)で苦痛の少ない検査が十分可能になったことも大きく影響しています。

 治療は、早期がんのうちに発見できれば「大腸カメラ」でがんの存在する粘膜を切除するだけで治癒可能です。ある程度進行すると、手術が必要になります。とはいっても以前のように大きな傷から腸を切除する手術の頻度は減少し、腹腔鏡(ふくくうきょう)を使用した手術が多くなっています。腹腔鏡の手術はお腹に開けた数個の小さい傷からカメラ等を挿入し手術をする方法で、以前と比較すると術後の痛みも軽減し、回復も早いことが特徴です。もし肝臓や肺に転移していても手術によって治癒する可能性もあります。

 いずれにしても、体に負担のかからない治療を受けるためには、早期発見がとても重要です。血便は痔が原因と誤解して放置している方、下痢の方、便秘の方、また無症状でも五十歳以上の方は恥ずかしがらずに、是非一度は「大腸カメラ検査」を受けてみることをお勧め致します。


Text by 鈴木内科外科クリニック 大原 眞理子(  「」掲載)

胃・大腸内視鏡検査に豊富な実績 入院治療も可能な安心の有床診療所

病院紹介2010/03/18

産業道路沿い、東山団地バス停前に位置する「やま内科胃腸科医院」。
1978年の開院以来、東山地区を中心に函館及び道南の地域医療に貢献している。山英仁院長は〝地域に根ざした医療〟をモットーに、「患者さんが抱えている問題の解決に、できる限り早く応えてあげられるよう、迅速かつ的確な診断と治療、さらにその後の健康管理にも努めていきたいと考えています」と話されました。同医院は、山院長の専門である消化器内科をはじめ循環器、呼吸器、内分泌疾患のほか、糖尿病治療にも力を入れるなど、内科全般に幅広く対応。また、19床の有床診療所として、食事や運動の管理が必要な糖尿病患者など、入院治療が可能なことも特徴のひとつとなっている。特に上部・下部内視鏡検査には豊富な経験を持ち、必要に応じてポリープなどの切除術も施行。入院施設も完備されているため、より安心して治療が受けられると評判だ。
さらに口からの内視鏡が苦手な人でも検査が受けられるよう、直径4ミリ以下という経鼻内視鏡も導入し、最新の各種検査機器を整えている。
「開院から30年来の患者さんも多く、地域の皆様に支えられ今日の当院があると思っています。
その恩返しの意味でも、今後とも地域医療に貢献し続けたい」と、山院長は話されていました。


Text by やま内科胃腸科医院( 2010年3月 「ホームドクター」掲載)

ユマニチュード

脳神経外科2014/09/29

 最近、注目されている、認知症患者さんのお世話の仕方に「ユマニチュード」というのがあります。
テレビでも紹介されましたので、ご存知の方もいらっしゃるでしょう。
基本的には、看護や介護を仕事とする方たちのための「技術」ですが、考え方の基本は、誰にでも役に立つと思います。
柱となるのは、「見る」「触れる」「話す」「立つ」の四つですが、紙面の関係で「見る」「触れる」についてお話します。

 まず、「見る」とは、互いの視線を合わせて、存在を認め合うということです。
世話をする人が患者さんの存在を認めているというメッセージを送ることです。
具体的には、患者さんの正面に回ることが基本です。
こちらを向いていないときには、声を掛けて振り向かせたり、壁を向いて寝ている人にはベッドを動かしたり、座っている人にはひざまずいて目線の高さを合わせるなどして、とにかく視線を合わせます。
お世話を始める最初の段階です。

 次に患者さんに「触れる」ときは、赤ちゃんに触れるように、広い面積で、ゆっくり、優しく触れます。
いきなり顔や手に触れないように、上腕や背中といった鈍感な所から始めます。
「つかまない」ように、親指を閉じて手のひらで触れます。
使う力は、せいぜい小学校低学年の子供程度です。

 このユマニチュードの方法論から、馬の世話の話を思い出しました。
馬の世話をする時には、必ず声を掛けて、こちらに気付かせてから近づき、体に触る時、最初からデリケートな場所には触れず、離れたところから、徐々に目的の部位を触れます。
さもないと蹴飛ばされるそうです。
馬は臆病なので、安心させるためにこういう注意が必要だといいます。
認知症患者さんも、不安の中、警戒心が強くなっています。
スムーズなお世話には安心、信頼が大切です。

 動物と人を一緒に語ることに批判的な方もいるでしょうが、近年、動物と人間には共通点が多いことから、動物と人間の病気を一緒に見るという考え方があります。
これについては別の機会にお話しましょう。


Text by 函館西部脳神経クリニック 小保内 主税( 2014年9月29日 「北海道新聞夕刊」掲載)

はこだて医療情報に登録されている詳細ページリスト(50音別)

医科 歯科  
医科 歯科  
医科 歯科  
医科
医科 歯科  
医科 歯科  
医科 歯科  
医科