緑内障は失明原因の第1位、早期発見を!!
緑内障は眼圧が高いことにより、視神経が圧迫されて枯れていき、見える範囲が狭くなってしまう(視野が欠ける)病気です。緑内障は進行性なので、残念ながら1度失ってしまった視野はもとに戻すことが出来ません。
そんな大変な病気なのに、実は自分ではほとんど気付きません。
なぜならば視野が欠け始めていても、もう片方の目が助けてくれているために、自覚症状が出るころにはかなり視野が狭くなっています。
ですから早期発見がとても大切なのです。
緑内障には色々なタイプのものがあり、正常な眼圧であってもその人にとっては視神経が圧迫を受け、視神経が枯れていくタイプもあります。
これを「正常眼圧緑内障」と言います。
眼圧が高いタイプと違い、眼痛やかすみ目などの症状を伴わないため、発見されていないことが多くあります。
実は日本人はこの「正常眼圧緑内障」が多いのです。
緑内障の診断には「眼圧」「視野検査」「眼底検査」の3つが重要です。
眼科医による総合的な判断で治療を開始します。
緑内障と診断されても眼圧を下げることによって、視野が欠けていくスピードを遅くすることができます。
治療の効果を実感できない病気なのですが、緑内障と診断された方は自己判断で治療を中断しないようにしましょう。
放置すると確実に徐々に視野は狭くなっていきます。
定期的に医師の診察と検査を受け、自分の目の状態を知っておきましょう。
一生涯見える目で暮らすために早期発見、早期治療が最も大事な病気です。
早期発見のために気軽に眼科受診することをおすすめします。
歯並びを悪くする癖
赤ちゃんがおっぱいを吸う姿は、かわいいものです。赤ちゃんには歯が無いことも関係しておりますが、舌を丸めながら、突き出し、乳首を包むように飲んでいます。
しかし、大人の場合、水を飲むときには、一度口の中にためて、唇を閉じ、歯を噛み締めて舌と上あごの間を絞り込むように、のどまで運びます。
赤ちゃんの飲みかたは、弱い力でも可能ですが、大人のように飲むには、口からのどにかけてのある程度の筋力と調和した動きを習得しなければできません。それだけ高度な機能ともいえます。
しかし、大人でも幼児のような、舌の使い方をする方も、なかにはいます。
つばを飲み込むときに、上と下の前歯の間に舌を挟んだり、タ行の音を出すときに英語で言うTHの発音になってしまう方や、舌足らずといわれるようなしゃべり方をされる方などのような癖を持つ方の場合には、奥歯を噛んでも前歯が開いてしまう、開咬と呼ばれる不正咬合が起きてしまう可能性があります。一部の矯正歯科を診療科目に持つ医療機関HPでも書かれていますが、舌のトレーニングにより改善されることも少なくありません。
怖い充血
朝起きて、鏡を見たら目が真っ赤に充血していた…誰しも一度は経験があると思います。前の日の夜更かし、目がかゆくてこすっていた、昨日の屋外作業など心あたりがあることも多いでしょう。充血は目の血管が拡張することによって起こりますが、白目の内側、外側、深い部分といった充血の場所ごとに原因が異なり、また白目の細い血管が破裂しての出血も家庭で見る際には強い充血に見えるでしょう(結膜下出血といいます)。
充血の主な原因として細菌・ウイルスによる結膜炎やドライアイ、アレルギーが多いです。しかし中には、ぶどう膜炎といって目の中に強い炎症を生じ、視力が低下する病気もあります。ぶどう膜炎は全身の病気が原因となることもあり、眼科に限らず内科でも詳しく調べてもらう必要があります。多くの病気で出てくる充血は目の不調のサインであり、中には緊急に治療が必要な病気もあるため、おかしいな、と思ったら一度眼科の受診をお勧めします。
屈折矯正手術、最近の話題
皆さんの中には今より少しでも見えるようになりたいと考えている方が多いと思います。特に、現在メガネやコンタクトレンズを使用している方は、なおさらでしょう。
それを可能にしたのがレーザー屈折矯正手術、いわゆるレーシック(LASIK)です。レーシックについては以前にこのコーナーでも取り上げられたと思いますが、エキシマレーザーを用いて近視をはじめ遠視や乱視を矯正する手術の事です。実際、この手術を受けたほとんどの方が1.0前後の裸眼視力を得ており臨床的に満足できる方法といえます。ただ、まったく問題がないわけではありません。これは何故でしょうか?
実は、視力とは涙液層(涙の膜)・角膜・水晶体・網膜といった眼球全体が関与しているため、一般に言われている近視・遠視や乱視だけではなく、一人一人違った眼球全体からみた歪み(収差)・光の量を調節する瞳の大きさ(回折力)・物を見るための細胞の数(視細胞密度)のバランスが保たれている必要があります。これに対し、レーシックに限らずメガネやコンタクトレンズを含めた今までの屈折矯正は角膜表面のみで考えられており、また収差による影響によって、にじむ感じや夜間視機能の問題が起きるといわれています。したがって、この収差をも消すことができれば、より安定した視力が得られる訳です。
その方法がウェーブフロントです。この方法は、従来のレーシックに加えて波面センサーという個々の症例の収差を解析できる装置を用いて、より精密に個々にあった照射(カスタム照射)を行うものです。そうすることによって従来の術式では不可能であった
(1)不正乱視の治療
(2)にじむ感じや夜間の視力低下などの改善
(3)理論的には無収差に矯正できるため裸眼視力2.0以上のいわゆるスーパービジョンも可能になると考えられています。
メガネやコンタクトレンズで不満のある方は、一度眼科医にご相談してみてはいかがでしょうか?
メマイはこわくない
めまいは感覚的には怖い症状ですが発症パターンを理解して冷静に対処しましょう。
まず、耳の病気によるめまいの代表的な発症パターンは次の3つです。
- 頭を動かしたときのみグルグルしためまいが数秒から数分続くが頭を繰り返して動かす度にめまいは軽くなっていく。
- グルグルしためまいがして同時に聴力低下や耳鳴りが起こる。めまいがおさまると聴力低下や耳鳴りもおさまる。
- グルグルした激しいめまいが1日中続き、1週間おさまらない。
1は良性発作性頭位めまい症
2は有名なメニエール病
3は前庭神経炎という病気です。この3つの病気は耳のめまいで最も多いものです。
一般的に耳の病気によるめまいは眼振という眼が勝手に動く現象が起こりますのでグルグルした激しい回転性のめまいが起こり、嘔吐を伴ったりします。
しかし意識は悪くなりません。
従って激しいめまいや吐き気、嘔吐があっても受け答えの出来る方は脳に障害を起こしている可能性は低いですので慌てる必要はありません。
めまいで受診される高齢者のエピソードとして多いものは「夜中にトイレに起きたら(あるいは起床時に)急にグルグルしためまいがして動けなくなったので救急病院に行って点滴を受けた。
点滴が終わる頃にはめまいはおさまった。
今、めまいはない」このパターンは一時的な脳血流不全のことが多く、内耳の血流は脳血流の一部ですから脳血流が低下すると内耳の血流も低下しますのでグルグルしためまいがします。
高血圧や糖尿病など動脈硬化を進行させやすい疾患をお持ちの方に多いパターンです。
脳の病気ではフワフワ、ふらふらした浮動性のめまいやグルグルした回転性のめまいに加えて眼前が真っ暗になる、意識が悪くなる、手足のしびれがある、呂律(ろれつ)がまわらないなどの症状を伴います。
このようなめまいは脳神経外科の受診をお勧めします。
判断がつかなければ近くの耳鼻咽喉科を受診してみてください。
貧血に注意しましょう
病院にはかかったことがなくても、年一回保健所などで健診を受ける方が増えているようですね。ご自分の健康に気を使われる方が増えているということだと思います。
健診でも必ずチェックされる項目に貧血があります。赤血球の下にヘモグロビンという項目があります。このヘモグロビンが男性で十四mg/デシリットル、女性で十二mg/デシリットル未満に下がった状態を貧血といいます。血液がうすくなった状態と考えていただけば分かりやすいでしょう。普通は貧血が進むと息切れや倦怠感(けんたいかん)、さらに動悸、胸痛などが出てくるといわれますが、実際にはヘモグロビンが七mg/デシリットル台でも症状が全くない方もいらっしゃいます。臓器に酸素を運ぶのはすべて赤血球(ヘモグロビンを含む)が行っていますから、貧血になるとすべての臓器の働きに支障がでる可能性があるというわけです。
貧血の原因は多岐にわたりますが、日常よくみられるのは鉄欠乏性貧血です。鉄が足りなくなるために起こる貧血です。女性に多く、鉄分を補えば改善が見込めます。ただし鉄剤は吸収をよくするために空腹時に服用するのが原則ですが、おなかの不快感を訴える方も少なくありませんので注意が必要です。さらにお薬が飲めない方には注射剤もありますが、漫然と注射しつづけると鉄過剰になり肝臓の病気になってしまうこともあります。そうならないためにも常に体内鉄量の目安である血清フェリチンを計測してもらうようにすると良いでしょう。
また鉄剤を服用すると便が黒くなります。黒くなっても心配はないのですが、あらたな胃潰瘍による出血などを見落としかねない(胃の出血があると便が黒くなる)こともあり注意しておきたいところです。
鉄欠乏性貧血以外にも慢性炎症や悪性腫瘍にともなう貧血、さらに白血病を含む血液疾患にともなう貧血などもあり、貧血からたどっていく病気がたくさんあるのです。
健康診断の結果をケースにしまいこんだままの方は是非もう一度見直してみてはいかがでしょうか?
ホワイトニングについて
皆さんは自信を持って歯を見せて笑えますか?
毎日の歯磨きで予防できないものの一つが歯の黄ばみや着色です。
コーヒーやワイン、お茶などに含まれる色素が歯に沈着し、蓄積されていくと普段のお手入れでは落ちなくなってしまうのです。
そのような色素を取り除き、歯を白く明るい色にするのがホワイトニングです。
ホワイトニングには色々な種類があります。
1.ホームホワイトニング
ご自宅で行います。専用のマウスピースを作製し、専用のジェルを付け2〜6時間程はめて頂きます。期間は1ヶ月が目安です。時間はかかりますが、後戻りしづらく綺麗な白さになります。
2.オフィスホワイトニング
歯科医院で行います。専用の薬剤を歯の表面に塗布し、専用のライトを当てて行います。1時間程度で通院回数は1〜3回が目安です。短期間で終わりますが、後戻りしやすく、白さにも限界があります。
3.デュアルホワイトニング
ホームホワイトニングとオフィスホワイトニングを併用して行います。結婚式が近いなど短期間で白くしたい方にお勧めです。
4.ウォーキングブリーチ
神経を取って歯が黒ずんだ場合に行います。歯の中に直接薬剤を入れて漂白します。1週間に1回薬を交換し、1ヶ月が目安です。他のホワイトニングと併用する場合もあります。
歯が白くなると、どの方も笑顔が綺麗になります。
そのため自分に自信が持てるようになり、内面的にも明るくなります。
いつも笑顔でいるとキラー細胞という細菌やがん細胞を殺す免疫細胞が増えるという研究結果もあります。
またホワイトニングすることにより、歯への意識が高まり、虫歯や歯周病の予防にもつながります。
定期的にクリーニングすると白さも長持ちしますので、興味のある方はお近くの歯科医院に相談してみて下さい。
ω-3系多価不飽和脂肪酸(EPA・DHA)
脂肪(脂質)は日本では10年前までは3大栄養素なのに悪者扱いされていました。
しかし、最近の研究で若い小さな腹腔内脂肪は健康につかさどる重要な分子伝達物質を分泌する組織であることが分かってきました。
脂肪には必ず脂肪酸が含まれていて、その中でω-3系多価不飽和脂肪酸(EPA・DHA)は炎症を抑え、健康に問題を起こす脂質を抑える非常に重要な働きを持つ脂肪酸です。
ω-3(EPA・DHA)にはさまざまな疾患予防、健康維持に必要な働きがあり、毎日適切な量を摂取することが重要で食事から取ることが理想的ですが、サンマやサバなど魚の食べられない人はサプリメントを上手に使っていくことが大切です。
また、アルツハイマーの予防には高齢になってからでは遅いと言われており、できるだけ若い時期から摂取することをお勧めします。
妊娠時の栄養
今年2月に厚生労働省より、妊産婦のための食生活指針が発表されました。
以前との違いは、
1.エネルギー摂取量がふえた。
2.妊娠を初期「16週未満」中期「16週-28週」末期「28週以降」
に分けそれぞれの時期毎に摂取量を決めています。
普通の生活をおくっている18〜29歳では、
- 初期2100Cal
- 中期2300Cal
- 末期2550Cal
30〜49歳では、
- 初期2050Cal
- 中期2250Cal
- 末期2500Cal
となっています。
これは20歳代、30歳代の女性の朝食を食べないひとが20年前に比べ約2倍近く増えている事。
BMI18.5以下の低体重の女性も同じくらい増えている事。
妊娠中の栄養の摂取も十分ではなく、胎児神経管傷害リスクの軽減のための葉酸の摂取も不十分な事。
低出生体重児の割合が増加している事が理由となっています。
出生時の低体重がその児の将来のメタボリック症候群、虚血性心疾患と関連していることがわかっています。
妊娠中の体重抑制が妊婦高血圧症候群(妊娠中毒症を今はこういいます。)の予防にはならず、むしろ低出生体重児を増加させていると考えられています。
このため妊娠中の推奨体重増加量も設定され、
低体重[BMI18.5未満]で9-12kg。
普通[BMI18.5-25.0]で7-12kg。
肥満[BMI25.0以上]は個別に対応となっています。
食べ過ぎてもだめ。食べなさすぎてもだめとなっては妊婦さんもたいへんです。
自分でカロリー計算して献立を作れる人はそんなににいないとおもいます。
肥満の人以外は一週間に0.3-0.5kgの増加と考えて下さい。
それ以上増えるようならカロリーの取りすぎと思って下さい。
よくわからなければ通院している病院の先生、助産師、栄養士に相談する事です。
尚、BMIとは標準体重のことです。体重kg÷(身長m)×(身長m)であらわします。
網膜剥離(もうまくはくり)
急いで治療しなければならない目の病気の中に、網膜剥離があります。
網膜とは、神経線維があつまって膜状になった組織で、眼球の内壁に壁紙のようにはられており、目に入ってきた光の情報を脳に伝える大切な役割を担っています。
この網膜が、内壁からはがれるのが網膜剥離です。
網膜は眼球の内壁から栄養を受け取っているため、はがれた状態では栄養が途絶え正常に機能できなくなります。
その期間が長くなると最終的に、治療しても光を感じることができなくなってしまいます。
はがれた網膜は自然に元の位置に戻ることはありません。
そのため、神経線維がダメになる前に手術で眼球の内壁にくっつける必要があるのです。
網膜がはがれる原因は何でしょうか?
はがれる前にまず、網膜にきれつ(裂孔)ができ、その裂孔が網膜剥離に進行します。
進行するスピードは目の条件によりさまざまです。
網膜剥離に進行する前の裂孔の段階では網膜光凝固術といって、裂孔の周囲にレーザー光線を照射することで網膜と眼球内壁との接着を強化して網膜剥離に進行するのを食い止める治療が行われます。
この治療は、入院の必要がなく外来通院でできるため、できれば網膜剥離に進行する前にぜひ行いたい治療です。
それでは、網膜裂孔にはどのような自覚症状があるのでしょうか?
裂孔が形成される際、網膜がひっぱられることが刺激になり、光がみえることがあります。
また、網膜が切れる際少量の出血があると、この出血が細かな点や蚊のような虫、ススのように見えることがあります。
出血量が多いと視界の中に墨汁がたれたようにみえることもあります。
いったん網膜剥離を引き起こすと、入院手術が必要ですし、手術が成功したとしてもはがれた網膜は多少なりともダメージを受けますから、網膜裂孔の段階で治療できるよう、見え方に変化が見られたときには放置せず、できるだけ早く診察を受けることをお勧めします。









