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「がん何でも相談外来」では、どのような相談を受け付けていますか?

2011/03/09

医療費や苦情、医療訴訟以外は、何でも相談に応じています 当院では2008年5月から全国でも初めての試みとなる「がん何でも相談外来」を実施しています。がんの患者さんでは、人それぞれ多岐にわたるといえます。 これまで主治医以外に相談する方法としては「セカンドオピニオン外来」や、がん診療連携拠点病院(道内は20施設)などの「相談支援センター」が、主にその窓口を担っています。 しかしセカンドオピニオンでは、それまでの主治医との関係から、紹介状や検査資料などの貸し出しをなかなか言い出せない患者さんも多くいます。
ちょっと疑問に思うことがあるのだけども、主治医との関係が良好である場合などでは、紹介状の手紙をわざわざ書いてもらうことを遠慮して言い出せない患者さんが現実には多くいます。
そうした患者さんが、少しでも気軽に相談できる窓口として開設したのが、この相談外来の目的です。 また、無料の各相談支援センターでも、対応しているのは看護師やソーシャルワーカーのため、個別の症状に対する専門治療の回答は難しいというのが現状です。
実際に患者さんが、こういう手術をした、どれどれの抗がん剤を飲んでいるが、ほかにどんな治療が考えられるかといった質問に対して明確に答えることができないわけです。
そこで、実際に多くの症例に携わってきたがん専門医の立場から、既存の窓口では対応できない患者さんを対象に、具体的なアドバイスをしていこうというのも、「がん何でも相談外来」の役割と考えています。 これまでの相談例では、家族だけで相談に来た人もいます。
がんを患った親が遠方に住んでいるため、息子さんだけで相談に来たこともあります。
前立腺がんの患者さんで大腸や肝臓に転移したがどういう治療があるのか、比較的ゆっくりと進行するがんの治療に関して意見を聞きたい、手術と放射線治療のどちらを選択すべきか、現在行っている治療で大丈夫なのか、などの相談がありました。 また治療をやりつくした末期がんの患者さんでは、その後の日常生活をどう過ごしていくべきかという相談もあります。
たとえば、残された時間をどう有効に過ごしていくべきか、ただ一人で考えるのではなく、医師と一緒に話しながら、もう少し明確にイメージできるよう親身になってアドバイスしています。 対象は患者さんとその家族で、紹介状や資料は必要ありません。
どんなささいなことでも相談を受け付けています。
ただし、医療費や医療訴訟、医療機関に対する苦情の相談などは対象外となります。


Text by 北海道がんセンター 院長 西尾 正道( 2011年3月 「ホームドクター」掲載)

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