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膝の靱帯を切ってしまうと、もうスポーツはできませんか?

整形外科2011/03/07

再発予防のためのアスレチックリハビリなども実施。
手術後のスポーツ復帰は可能です
 膝関節の中心にある前十字靱帯の損傷は、バスケットやバレーなどのジャンプや着地動作、あるいはサッカーなどのフェイントで体と膝が反対方向に動いた際に生じます。
これらの場合、ほとんどが非接触型損傷で、他人と接触して損傷することはまれです。 急性期には膝の腫れ、痛み、曲げ伸ばしができない、歩行困難などの症状が現れますが、時間が経つと腫れや痛みが取れるため、軽い捻挫と勘違いする方がいます。
しかし、放置してスポーツを続けると膝崩れ(膝が抜けるような症状)が生じ、それを繰り返すうちに膝関節の軟骨や半月板まで損傷し、日常生活に大きな支障をきたすことがあるため、自己判断せず早期受診が大切です。
また高齢者では、加齢による変形性膝関節症による痛みと診断される場合もあります。 前十字靱帯損傷は手術が必要な場合が多いです。
まったくスポーツを行わない中高年以降の方は、保存療法で様子を見てもいいですが、趣味程度でもスポーツをされる方や日常生活でも膝崩れが生じる方は手術を考えるべきでしょう。 手術は、太ももの裏側で主に膝を曲げる機能を補助している半腱様筋腱や、薄筋腱を採取して移植する再建術が主流です。膝の前部分に2カ所切開(約8)し、1カ所から内視鏡、もう1カ所から器具を入れて手術を行います。
麻酔専門医による麻酔で、約1時間程度の低侵襲な手術です。半月板に損傷があった場合でも1時間半程度で済む、いわゆる最小侵襲手術(MIS)の先駆けといわれています。
術後の回復も早く、翌日か2日後には少しずつの歩行や膝を動かす練習を行います。
膝を保護する装具をつけた状態で120度まで膝が曲げられ、日常生活が送れるようになれば退院となり、当院では10日間ほどの入院で済みます。
ただし完全なスポーツ復帰を目指すためには、まず日常生活を十分に行えるためのリハビリを約12週間行います。
その後、スポーツ復帰のための訓練となるアスレチックリハビリを行います。前十字靱帯損傷ではケガをしやすい体質や体型といった素因があると言われています。
したがって、このリハビリプログラムには通常の筋力訓練のほかに再損傷や、反対の膝のケガを予防するためのプログラムも含まれています。
当院では3次元動作解析装置なども活用しながら治療を行っており、最短で術後約6カ月で競技復帰が可能となっています。


Text by 函館整形外科クリニック( 2011年3月 「ホームドクター」掲載)

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