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目の周りの皮膚炎は眼科受診を

眼科2011/03/03

 最近、目の周りの皮膚炎が増加しています。
かさつき・かゆみ・赤み・湿疹・むくみ・ただれ等が主な症状ですが、原因は皮膚のアレルギーです。
アレルギーを起こす物質はとても多く、化粧品・シャンプー・毛染め剤・石鹸以外にも食品・金属・皮製品・ゴム製品など何でもありえます。
目の周りの皮膚はとても薄く敏感ですから、顔の中でも目の周りだけは薬を別にしなくてはなりません。
それなのに身体や頬や額に塗っている皮膚科処方の強いステロイド軟膏や自宅のオロナイン軟膏などを塗ってしまい、目の周りが真っ赤に腫れ、目も開かないほど悪化してから眼科を受診する方がいます。
特に、長年アトピー性皮膚炎がある方はステロイド軟膏やかゆみ止めの軟膏を目の周りにも塗っていたために…。
①目の周りが赤くパンダの様に腫れる「ステロイド酒(しゅ)さ」
②ヘルペスウイルス感染を誘いこみ、目の周りに水疱がたくさんできてしまう重症な皮膚炎「カポジ水痘様発疹症状(すいとうようほっしんしょう)」などがおきてしまいます。
①は強いステロイド軟膏をやめて眼科の軟膏にかえることで治ります。
②はヘルペスウィルスが角膜に入り込むとやっかいな角膜炎になりますから、必ず眼科を受診して下さい。
特に、思春期以降に顔のアトピー性皮膚炎がある方は、長年のステロイド使用による、緑内障や白内障の合併も心配です。
まぶたの皮膚もただれを繰り返し厚く硬くなっている方は、ほぼアレルギー性の結膜炎も合併しています。
目の表面の治療を点眼で行い、目の周りの皮膚は目の中に入っても安全な眼科専用の軟膏で治療すると、本当によくなります。
これからは、目の周りだけは別な皮膚と考えて下さい。 美しさを求めて顔のマッサージをしている方がいますが、これも目の周りには逆効果です。
目の周りの筋肉はとても薄いので、マッサージで皮膚も筋肉も伸びきってしまい、眼瞼下垂(がんけんかすい)になります。
お化粧を落とす時も洗顔の時も、目の周りは「そ~っと、やさしく」にしてください。


Text by 藤岡眼科 藤岡聖子( 2011年1月18日 「青いぽすと」掲載)

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