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精子・受精卵の凍結保存は、男性不妊の妊娠率上昇につながります

産科婦人科2011/02/28

 不妊の原因は女性、男性の双方にあります。
男性不妊の原因の多くは「突発性造精機能障害」といって、受精能のある完成精子を作る力が弱いことにあり、妊娠しにくい夫婦の場合、初診の段階から精液検査は必須です。 精液検査で造精機能障害が疑われる場合、治療法の第一選択肢はAIH(配偶者間人工授精)ですが、治療の最初からICSI(卵細胞質内顕微授精)が必要になる場合があります。
どちらも治療に合わせて一定数の完成精子を準備する必要がありますが、射精直後の新鮮精子の採取が難しい場合は、精子の凍結保存を行います。

■単身赴任などで治療スケジュールに合わせて精子を採取できない場合/前もって精液を採取し、精子の凍結保存を行います。
■精子数が少ない場合/AIHや体外受精では一定数の精子が必要です。数回分を凍結保存した上でAIHや体外受精を行います。

 ICSIでは極端にいえば1個の精子があれば受精も可能です。
万一、射精精液中に完成精子がいない場合には、精巣上体から発育途中の精子を採取し、完成精子まで培養してからICSIを行うこともできます。 さらに、体外受精やICSIで得た受精卵を凍結保存し、女性側の子宮の受け入れ態勢が整う時期を選んで凍結受精卵を融解し、子宮に戻すことも可能です(凍結融解胚移植)。
このように、精子または受精卵の凍結保存は妊娠率の上昇に大きく寄与しています。 ときには柔道やスノーボードなどのスポーツによる怪我によって、後天的に造精機能や射精機能が障害される場合があります。
このような場合、ED(勃起不全)を補助する薬剤が無効な場合に、前立腺への電気刺激による治療法で射精が可能になる場合があります。 重症の男性不妊であっても、現在ではさまざまな治療法が施行されています。
あきらめることなく、積極的に医療機関に相談することが赤ちゃんを授かることにつながります。


Text by 美馬産婦人科 美馬 博史( 2011年2月28日 「北海道新聞夕刊」掲載)

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