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女の子の保護者の方へお伝えしておきたいこと

2011/01/31

子宮頸(けい)がんは、30年くらい前までは50〜70歳の方が多くかかっていましたが、今では、20〜30歳台の女性で発病するガンの第1位になりました。
子宮頸がんは子宮の出口にできるガンで、そのほとんどがヒトパピローマウイルス(以下HPV)というウイルスに感染することで発病します。HPVは男女ともに多くの人が持ってるありふれたウイルスで、何度も繰り返し感染することもありますが、自然に治る一過性のものがほとんどです。
しかし、一部の人の場合、持続的に感染が続き、その後、子宮頸がんになることがあります。ほとんど自覚症状はありませんが、感染してから子宮頸がんになるまで最低でも5年はかかるので、その間に子宮頸がん検診を受けていれば初期のガンとして発見することができます。
その時に発見できれば、手術でほぼ完全に治り、妊娠・出産も可能となります。日本では残念なことに若い女性の検診の受診率はかなり低く、妊娠をして初めて婦人科を受診する人が多いのが現状です。
ですから妊娠時に子宮頸がんを発見されることが多いのです。しかし、一度の検診で100%防げるわけではありません。
最低2年に1度は定期的に繰り返し検診を受けることが重要です。
また、HPVの感染そのものを予防するワクチンも開発されました。
子宮頸がんは、ガンの中で唯一ワクチンによって予防可能なガンになったのです。このワクチンは、10歳から50歳までの間に接種するのが理想的ですが、HPV感染前の早い時期に接種されることをお勧めします。またワクチン接種により、少なくても20年間は予防効果が続くだろうと言われています。
現在、平成23年1月1日〜3月31日の期間に中学1年〜高校1年生を対象にそれぞれの自治体からワクチンの接種費用の助成があり、内科・婦人科・小児科で無料でワクチンの接種を受けることができます。子宮頸がんは、検診とワクチンの両方で100%近く無くなる病気と考えられています。
正しい知識を持つことでお子さんの大切な命を守ることができます。今晩は母娘で話し合われてみてはいかがでしょうか。


Text by 鈴木内科外科クリニック 大原 眞理子( 2011年1月31日 「北海道新聞夕刊」掲載)

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