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安静狭心症(あんせいきょうしんしょう)ってどんな病気?

循環器内科2010/12/20

 また寒い冬がやってきました。
この時期は狭心症をお持ちの方には辛い季節といえそうです。
狭心症は心臓の血管(冠状動脈)が狭くなり、血液の流れが十分ではなくなることで胸に症状が現れる病気です。
この病気には大きく分けて2つのタイプがあることはご存知でしょうか。
ひとつは動脈硬化に伴い冠状動脈の一部が細くなり主に運動時に胸痛が起こる労作狭心症で、もうひとつはある種の刺激を受けると冠状動脈が急に狭くなるために主に安静時に胸痛が出てしまう安静狭心症です。 安静狭心症の原因は、冠動脈の攣縮[れんしゅく/スパスムともいう、血管の痙攣(けいれん)で細くなること]によって起こるといわれています。
この攣縮は特に寒さの刺激に敏感で、冬になると発作の回数が増えてくると言われています。
他に精神的ストレスや過換気でも誘発されることがあります。 雪が降ると、朝早くから家の前で除雪をされる方が増えると思いますが、安静狭心症は寒いところでの作業時にも起こりやすいと考えられています。
安静狭心症なのだから安静のときだけに起こると思われるかもしれませんが、寒さの刺激が加わると動き始めに症状が現れることがあるのです。
無理な除雪をして胸が苦しくなり、救急車で運ばれてはじめて狭心症の診断を受ける方も実際にいらっしゃいます。
安静狭心症の発作は持続時間が15〜20分といわれており、治まると全く症状がなくなることから、一回の発作だけでは病院で受診されない方が多いのもこの病気の診断を難しくしているのかもしれません。 安静狭心症の診断には心電図、24時間ホルター心電図、冠動脈CTなどが必要です。
治療にはカルシウム拮抗剤を使用しますが、人によって効き方が違いますので主治医とよく相談しながら治療されるのがよろしいと思います。
 寒いところに出たときや早朝安静時に胸が苦しくなったときには、この病気のことを思い出していただきたいものです。


Text by 北美原クリニック 遠藤 明太( 2010年12月20日 「北海道新聞夕刊」掲載)

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