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ストレスによる下痢・便秘

消化器内科2008/08/13

 ストレスによって引き起こされる腸の病気に、「過敏性腸症候群(かびんせいちょうしょうこうぐん)」があります。「過敏性腸症候群」とは、大腸や小腸に潰瘍や癌などの原因となる異常が見つからないのに、便通異常(下痢や便秘)や腹痛、腹部膨満感が続く、又はおならが頻繁に出る等の症状が起こる病気です。

 比較的まじめで几帳面な方が多く、職場や家庭での人間関係のストレス、転居や転職による環境の変化、過労や暴飲暴食などが引き金になって症状が現れます。このようなストレスが副交感神経を刺激し、腸の運動が過度に高まって、激しい腹痛や下痢が繰り返し起こるようになるのです。

 便通異常の現れ方によって、三つの病型に分けられます。

(1)

便秘型―腹痛があり、便意があっても便が出にくく、ウサギの糞(ふん)のようなコロコロ便が出ます。

(2)

下痢型―緊張やストレスで、すぐにトイレに行きたくなり、軟便や水様性の下痢になります。下痢は長期間にわたり、重症の人ではいつどこで便意を催すかわかりません。逆にリラックスしているときは正常の便に戻ることも多いタイプです。

(3)

下痢・便秘交替型―腹痛・腹部不快感があり、下痢が続いた後、便秘が続くという状態を繰り返します。

 治療は、まず、生活習慣の改善とストレスのコントロールが大切です。規則的な食生活や適度な運動や趣味でストレスを発散し、飲酒や喫煙は控えましょう。薬は、整腸剤や腸機能改善薬、または抗不安薬や抗うつ薬を用いることもあります。しかし、この病気は、長期間続き、完全には治りづらい病気です。生活を改善しながら、あせらずに治療を続け、上手に病気と付き合っていくことを心がけてください。

 ただし、下痢や便秘の症状が続く時には、過敏性腸症候群以外にも、ポリープや大腸憩室炎、潰瘍(かいよう)性大腸炎やクローン病、痔なども考えられます。また、大腸がんの可能性も高く、十分注意が必要です。腹痛や便通異常が続く時には、大腸カメラなどの検査が必要です。最近では、機械や技術の進歩により、大腸カメラの苦痛も軽減され、検査時間も十五分~二十分程度です。

 おなかの症状が気になるときには、恥ずかしがらずに、まず消化器専門医を受診しましょう。


Text by 鈴木内科外科クリニック 大原 眞理子(  「」掲載)

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