こむら返り
筋肉は多数の筋細胞からでき、更に筋細胞は多数の筋原繊維からできています。
筋原繊維は太いフィラメントと細いフィラメントが交互に規則正しく配列され、細いフィラメントが太いフィラメントの間に滑り込むことで筋肉は収縮します。
また筋収縮にはカルシウムの存在が不可欠です。
筋肉は手足の骨格筋や表情・咀嚼筋などの自分の意思で動かせる随意筋と心臓や消化器など内臓を作る不随意筋に分類されます。
日常動作は実にたくさんの随意筋を収縮・弛緩させて実行されます。
これは脳が実行器である筋肉に適切な行動を起こすよう指令を出して制御されます。 この一連の調節がうまく機能しないと筋肉は収縮したままになり、ひどい痛みを生じます。
これがふくらはぎ(腓腹筋・ヒラメ筋)に生じた状態を“こむら返り”といいます。 こむら返りの原因は未だに特定されていませんが、運動時の準備運動不足、大量の発汗や筋肉疲労が原因になるものや、夜寝ている時、足を伸ばして起こすことがあります。
なかには病的原因で生じるものがあり≪脱水(下痢、嘔吐、利尿剤など)、カルシウムなど電解質異常、腎不全(透析)、下肢静脈瘤、甲状腺・副腎疾患、糖尿病、脊髄疾患、多発性神経炎、等≫、あちこちの筋肉に頻回に起こす場合には、検査をお勧めします。
こむら返りを起こしたら、つま先をゆっくり引き寄せながらふくらはぎの筋肉を伸ばします。
予防には運動前後の十分なストレッチ、発汗時の水分や電解質の補給が大切です。
軽いマッサージや温めることも有効です。
また、漢方薬(勺薬甘草湯)が有効な場合もあります。病的な場合は原因疾患の治療が必要です。