スクラブ洗顔にご注意
スクラブ洗顔というのをご存じでしょうか。
元々スクラブというのは研磨剤のことです。
洗顔石けんの中に入っている細かい粒が、古くなった角質(かくしつ)を落としてくれてさっぱりするということで女性に人気があります。
でもこの細かい粒がくせ者です。
顔を洗う時には目をつぶっているはずですが、その粒が目に入って上瞼(まぶた)の内側に引っ掛かってしまうとなかなかゴロゴロがとれません。
元々目に入ったゴミは上瞼に引っ掛かると自分では瞼をめくることも難しいためなかなかとれませんが、スクラブ洗顔の場合その粒の大きさも極小さい物なので、瞼をひっくり返せたとしても肉眼で見るのは難しいのです。
幸いその粒はツルツルした球形でゴロゴロする割には角膜に傷はつきませんので、検査用の顕微鏡で見ながらとってあげると痛みもすぐに治まり目薬もいらないことが多いようです。朝起きたら突然ゴミが入ったようにゴロゴロして治らない事があります。
目にゴミは入っていないのですが、角膜の表面の皮=上皮(じょうひ)が数ミリ程度丸く剥(は)がれかかっている事があります。
角膜に傷をつけると一度は直るのですが、そのときできるカサブタのように弱い皮が寝て起きる時に上瞼の裏側と引っ掛かって突然剥がれて痛くなるのです。
この状態は繰り返すことが多く、再発性角膜上皮剥離(さいはつせいかくまくじょうひはくり)と言います。
程度が軽い場合にはヒアルロン酸の点眼薬を処方しますが、重度の場合には剥がれてきている上皮をピンセットで完全に取り除いてから手術用のメスで軽く角膜表面にスジを入れてあげると、後で再生してきた上皮がそのスジの中に入り込んでがっちりくっつくようになるので再発しなくなります。
皮を取り除いたときには寝たままでもつけていられる治療用のコンタクトレンズを2日間くらい乗せてあげるとしっかりした上皮が作られ痛みが無くなります。