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怖い脂肪肝もありますよ!

内科2010/11/29

忘年会のシーズンに突入ですね!宴会料理の後に2次会・3次会、最後に締めのラーメンですか?
あれ?春の健康診断で何か引っかかっていませんでしたか?
健診の採血で『肝機能が軽度の上昇有り。日常生活には支障ありません』とされた方はいませんか?
病院受診はしましたか?…通常、病院で肝機能障害の受診をすると肝炎ウイルスの検査を行います。
異常がなければ免疫異常の肝炎や薬剤性の肝炎、アルコールの飲み過ぎによる肝炎等をチェックしますが、見つかるものの中で最も多いのが脂肪肝と呼ばれるものです。
肝臓には、3%程度の脂質(中性脂肪・コレステロール・リン脂質など)が含まれていますが、特に中性脂肪が過剰に蓄積されると脂肪肝と呼ばれます。
検診時での脂肪肝の割合ですが、15年ほど前は1割程度でしたが、4〜5年前からは、2割程度に倍増しています。
脂肪肝はアルコールを飲む人のタイプとアルコールを飲まない人のタイプに分かれます。
アルコールを飲まない人のタイプの脂肪肝ですが、多くは単純性脂肪肝と言われる食べ過ぎ・肥満による肝機能の異常です。「何だ、単なる食べ過ぎか?」〜なんて放っておくと、実はNASH(ナッシュ:Non-Alcoholic SteatoHepatitis:非アルコール性脂肪性肝炎)という怖い脂肪肝も隠れています。単純性脂肪肝が非進行性であるのに対してNASHは知らないうちに肝炎から肝硬変へと進行していきます。
アルコールを飲まないから大丈夫、そのうちダイエットして痩せれば治るから…と思って放置すると大変なことになってしまいます。
統計的にはNASHは閉経後女性・肥満・糖尿病・高脂血症の方に多いとされています。
治療方法も食事療法・運動療法が基本で薬物治療では残念ながらなかなか改善しません。
問題点は、単純性脂肪肝もNASHも症状がないことです。
これが治療の動機づけを難しいものにしています。
NASHは近年増加はしていますが脂肪肝のほとんどが単純性のものです。
きちんと腹八分・適度な運動を心がけ、健診で引っかかった方は症状が無くても病院でフォローを受けるようにしていけば大丈夫ですね。


Text by はら内科クリニック 原 信彦( 2010年11月29日 「北海道新聞夕刊」掲載)

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