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検査で異常はないけれど

消化器内科2008/08/13

「胃腸の調子が悪く病院で検査を受けたけれどなんでもないと言われた。しかしまだ調子が悪い」今回はこういった症状に関するお話です。

 従来このような症状は神経性胃炎、消化不良、胃腸虚弱などとして片付けられていましたが、その実態が追求されることはほとんどありませんでした。胃腸の検査は早くからバリウムや内視鏡などの臓器の色や形を観る検査が発達し、癌(がん)や潰瘍(かいよう)などの重大な病気はそれで対処できていたため、これらの検査で異常がない場合の症状はあまり注目されなかったのかもしれません。最近、胃腸内部の色や形といった従来の検査でわかる異常ばかりでなく、胃腸の働き、特に蠕動(ぜんどう)運動がうまく行われていないことによって胃腸症状が起こる場合も多くあるのではないかと言われ始めています。胃の場合は機能性胃症、大腸では過敏性腸症候群などが代表的な病名です。蠕動運動を的確に検査できる方法は今のところありませんので症状からこれらを診断することになりますが、胃腸機能異常を疑ったとしてもバリウムや内視鏡検査を行い、癌や潰瘍などの重大な病気がないことを確認することは欠かせません。

 胃腸機能異常の原因がすべて解明されているわけではありませんが、ストレスや生活リズムの乱れが関係していると言われています。胃腸の動きは神経で調節されています。この神経は間接的に脳ともつながっていますので、心の状態が胃腸に影響を与えても不思議はありません。実際にストレスが胃潰瘍に悪影響を及ぼすことは有名ですし、今でも精神科領域の薬が胃潰瘍の薬として認可されています。治療を考えても、ストレスや生活リズムの乱れを正すことが基本になります。

 しかし、「言うは易く行うは難し」、多くの人にとっては仕事上の制約などで「それが出来れば苦労しないよ」というのが本音でしょう。そんな時は機能異常に対応した薬の助けを借りるのもひとつの方法です。

 薬で必ず症状が改善すると言い切ることはできませんが、思い当たる場合はかかりつけ医師に相談してみてはいかがでしょうか。


Text by はらだ消化器科クリニック 原田 博幸(  「」掲載)

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