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女性の便秘と薬

消化器内科2008/08/13

 ここでお話するのは、「もう何年も便秘だ」とか「検査をしても異常はないのに便秘だ」というような女性に多い慢性便秘の話です。便秘の解消も生活習慣の改善が基本ですからその点にも触れたいところですが、便秘薬の誤った使用が目につきますので、ここでは便秘の薬にお話を絞ります。慢性便秘の原因は年齢によって異なるので便秘薬も当然使い分けられるのが望ましいのです。高齢者では腸の力が弱くなり排便できなくなる弛緩性便秘が多く、現在汎用される下剤が適切である場合が多いのでここで改めてお話しすることはありません。

 これに対して若年から中年世代の便秘は腸の緊張が適度に強く、うまく肛門の方向へ便を送ることができないけいれん性便秘と直腸(肛門のすぐそばの大腸)に便がたまっても直腸の感覚が鈍感なために便意として感じられない直腸性便秘が大部分です。
これらの便秘に一般の下剤を用いるのは勧められません。一般市販薬の約9割、また病院で処方される下剤の多くは大腸刺激性下剤と言って化学的な刺激を大腸に与えて排便を促す薬だからです(漢方も例外ではありません)。
この下剤を内服すると けいれん便秘ではさらに大腸の緊張が強くなりますし直腸性便秘ではさらに直腸の感覚が麻痺してしまいます。
それでも腹痛を起こすので長くトイレに座ることになり、なんとか排便できるのですが、連用することによって薬の効きが悪くなり、やがて大量の下剤を使わないと排便できない状態になることがあります。
最近ではこれらの便秘を過敏性腸症候群(検査をしても原因となる異常が見つからない腹部症状を伴う便通異常)ととらえ一般の下剤ではなく過敏性腸症候群の薬で治療する方法もあります。この種の薬は飲んで翌日排便できる通常の下剤とは異なり、効果発現に時間がかかるなど根気強い治療が必要ですが、治療を望む方はお近くの消化器医に相談されてはいかがでしょうか?


Text by はらだ消化器科クリニック 原田 博幸(  「」掲載)

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