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慢性疼痛(とうつう)について

心療内科2008/08/13

 「痛み」と言うと、どなたでも例えば、歯が痛んでつらい思いをしたというようなことがあると思いますが、それは一時的なものであり、治療を受ければ治るということが分かっているので、あまり問題になることはありません。
しかし、もしもその痛みが延々と果てしなく続くとしたら、その苦痛は耐えがたいものになるでしょう。
効果的であるはずの治療を受けているのにもかかわらず続く、あるいは原因が分からず、延々と続く、そのような痛みは「慢性疼痛」と呼ばれています。

 このような痛みのひとつの例として「幻肢(げんし)痛」があります。
これは、例えば、切断されて無くなってしまったはずの腕が痛むというものです。
何らかの原因で腕に痛みが生じた場合、腕の切断によって痛みの原因が無くなったはずなのに、「同じように腕が痛む」ことがあります。一度体験した痛みが、その原因が無くなっても同じように起こることがあるわけです。

 慢性の痛みには、現在の痛みの他に、過去の痛み、未来の痛みも関係していることが特徴的です。
現在痛むということだけではなく、ずっと前から同じように痛み続けてきたという記憶、これからもずっと同じように痛み続けるであろうという恐れや不安が苦悩を深めます(過去の痛み、未来の痛みも体験しているともいえます)。

 神経科が慢性疼痛にかかわるのは、慢性の痛みが主な症状である神経科の病気が存在するということ、慢性疼痛には「うつ」が伴いやすいということ、適切な治療を受けているにもかかわらず痛みが続く場合、その中には神経科的な治療が効果的な場合があることなどの理由によります。

 薬物治療では、うつの治療薬や精神安定剤が効果的な場合があります。
薬物療法以外には、リラクゼーション、認知行動療法なども行われます。

 その名が示す通り難治性である場合が多いわけですが、あきらめずに、根気良く治療を続ける必要があります。


Text by ゆのかわメンタルクリニック 久保田 修司(  「」掲載)

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