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多重人格障害について

心療内科2008/08/13

 ある人が突然別の人としてふるまい、もとにもどった時にそのことを覚えていないならば、その人は多重人格と呼ばれます。(もちろん、酒乱の場合や統合失調症などの場合にはこう呼ばれません)。この場合の「別の人」のことを交代人格と言いますが、大体5人程度が普通です(数十人とか、百人というような報告もありますが、疑問です)。多重人格になる人は、小さいころにたいへんつらい思いをしていることが多いと言われています。

 経過、予後を考える場合、ごくかんたんに言うと、二つのタイプがあると考えるのが分かりやすいようです。一つは小さいころのつらい思いの記憶やイメージが知らないうちにその人を苦しめ、成長のじゃまをしている場合です。この場合にはむしろ交代人格と積極的なコミュニケーションをとる治療法がとられます。そこを乗り越えることで再び成長が始まり、社会適応も良くなるというわけです。

 もう一つは、今までそなわっていたように見える能力が失われてしまっている場合です。基本的な日常の生活リズムさえも保てなくなってしまうことがあります。また、実現できそうにない願いを交代人格が満たそうとするような場合もあります。このような場合には、急がずに、長期の治療に取組むことが必要になります。

 薬物療法としては精神安定剤、抗うつ剤、気分安定薬などさまざまな物が使われますが、残念なことに特効薬はなく、どちらかというと補助的な役割になります。

 どちらのタイプにおいてもご家族や友人などのしっかりした支援が必要とされます。

 支援とはいっても、ただじっとそばにいてあげる、見守るということもありますし、場合によっては見方や考え方を変えなければいけなくなったりすることもあって、なかなか大変なわけですが、このような支援があって初めて治療の効果が期待できるように思います。


Text by ゆのかわメンタルクリニック 久保田 修司(  「」掲載)

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