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自律神経失調症について

心療内科2008/08/13

 身体的な病気が無いのにもかかわらず様々な症状が出現する場合、「自律神経失調症」と言われることがあります。「自律神経失調症」というのは本来正式な病名ではないのですが、自律神経の機能が働き過ぎたり働きが悪かったりでバランスが崩れている、機能的に失調している状態という意味で習慣的に使われています。

 基礎となる身体的疾患が無いということは、全く異常が無いとか、気のせいだとかということではありません。これからは次第にそのような症状の発現に関与する病態が明らかになってくるでしょう。

 身体的な症状としては頭重感(ずじゅうかん)、めまい、口渇、身体の冷え及び火照り、痛み、動悸、立ちくらみ、息切れ、はき気、心窩部(しんかぶ)の不快感、ふらつき、発汗の異常(過多、冷や汗など)、肩凝り、倦怠感、その他実に様々なものがあります。身体の一部が冷たくて他の部分が熱い、異物感、何か動くような感じがする、といった奇妙な症状が見られることもあります。不安感、注意集中困難、意欲低下、憂うつ感、記憶力低下などが見られることもありますが、これらが目立つ時に は神経症やうつ病などの疾患を考える必要があります。

 脈波検査、サーモグラフィ、心電図、などの自律神経機能検査で異常が見られる場合もありますし、それでも異常が見られない場合もあります。

 このような状態に対しては、一般的に精神安定剤(抗不安薬とも呼ばれています)、自律神経調整薬が有効ですが、自律訓練法などの自己コントロール法が奏功することもあります。また、心理的な影響を受け易いので、ストレスを減らす工夫によって軽快する可能性があります。

 何か知らないうちに負担がかかっていないか、今までの過ごし方で良いのかを見直す時期、あるいは今までの自分が変化していく、言葉を変えれば一層の成長が求められている時期にあるのだという視点も必要かもしれません。

 自分でコントロールすることが困難であり、症状が続く場合には気軽に治療を受けるようにして頂きたいと思います。


Text by ゆのかわメンタルクリニック 久保田 修司(  「」掲載)

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