痔核(ぢかく)~簡単知識~
肛門科2008/08/13
痔核は、肛門(こうもん)疾患の多くを占め、人類が立位歩行を始めてから、ヒトを悩ませている疾患のひとつです。主症状は出血、痛み、腫脹(はれ)、脱出です。
肛門縁の皮膚にできる外痔核(イボ痔)と、肛門内粘膜にできる内痔核(デ痔)の二つに大きく分けられます。
外痔核の治療は、軟こうや座薬治療が主体です。急性で腫れが大きい時、痛みが強く生活に支障がある時は血栓除去術を行います。
内痔核は、
1度―出血はあるが脱出しない。
2度―脱出するが自然に戻る。
3度―脱出するが押すと戻る。
4度―脱出したままで押しても戻らない。
以上の4つの病期に分類されます。治療は症状の鎮静を含め、全病期で薬物療法が適応となり、局所冷却法も併用されます。手術の適応は病期1~4度で結紮(けっさつ)切除術が主になされますが、様々な工夫により術後の痛みも少なくなっています。また、特殊な器械吻合(ふんごう)器を使うPPH法も痛みが少ない手術法として普及してきています。
Text by
函館渡辺病院 伊坂 直紀(
「」掲載)