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まぶたが腫れました

眼科2010/05/24

 『瞼(まぶた)が腫れました』と眼科を訪れる患者さんは非常に多くいらっしゃいます。
一番多いのはやはりものもらいでしょう。
瞼の縁には脂肪の分泌腺がいっぱい並んでいてそこが炎症を起こして赤く腫れて痛みを伴います。
これを霰粒腫(さんりゅうしゅ)または麦粒腫(ばくりゅうしゅ)と言いますが、特に函館では[めっぱ]と言い、関西地方では[めばちこ]と言うようです。腫れ始めて2〜3日のうちにお薬を使うとお薬だけで引く場合もありますが、数日たってしまった場合は切開して膿を出さないと引かない状態になってしまいます。
一度炎症を起こしたけれど引いてきたので放っておいたところ、内側(赤目の方)にでこぼこした物が飛び出してくることもあります。
これは霰粒腫性の肉芽(にくげ)と言い、痛みが無くてもお薬では引かないので切除が必要になります。
突然瞼全体が腫れて痛みや赤みが無くて少しぷくぷくした腫れ方をQuinke浮腫(クインケふしゅ)と言います。
血管からの水分が異常に漏れ出すのが原因で抗アレルギー剤を使うと引いてきます。 朝、瞼(まぶた)が腫れたけれど昼から少し引いてきたという方に意外と多いのがいつもより枕が低かっただけだったという場合です。
しかし、足のすねも腫れているという時には内科的な病気がないかも調べてみる必要があります。 両上瞼の目頭よりがぽこっと腫れている方も多くいらっしゃいますが、これは年齢的なことが多くあります。
脂肪の付き方でそう見えることが多いのですが、黄色く平坦な状態の場合は仮性黄色腫ということもあります。 赤く腫れた中心部にぷつんと茶色い点がある場合もあります。
痛痒かったりする時には虫さされの場合もありますが、よく見るとダニがくっついていることもあります。 一見ものもらいのように腫れていて切った物を検査に出してみると腫瘍、特に高齢者の場合悪性腫瘍と言うこともありますので、まず眼科で診てもらいましょう。


Text by 清水眼科クリニック 清水 信晶( 2010年5月24日 「北海道新聞夕刊」掲載)

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