男性の性(18)
大手のコンドームメーカーが昨年行った世界41カ国30万人以上の成人性交回数調査によると、日本人は年平均45回(月平均3.75回)で41か国中最下位、40位のシンガポール年平均72回や、41カ国平均の年平均102回にも大差で、1位のギリシャ年平均138回(月平均11.5回)、前回1位で今回5位のフランス年平均120回(月平均10回)の3分の1程度しか性交していないという驚きの結果(日本人にしてみれば他国の性交回数が多すぎるのが驚き)が出ました。
全体としては肉食中心の欧米の回数が多く、穀物食中心のアジアで回数が低い結果でした。 この結果を素直に見ると、前回、男性の性(その17)で述べた、恋愛・セックスに淡白な草食系・草食男子という言葉は単なるイメージだけでなく、実際の食生活と性行動を反映している言葉だ、という仮説が当たっていたことになります。 それでは次に昔と今の日本人の性生活を比べてみます。
江戸時代の貝原益軒著『養生訓 第62章 交接の回数と年令』には
『人、年二十の者は四日に一たび泄らす。三十の者は八日に一たび泄らす。四十の者は十六日に一たび泄らす。五十の者は二十日に一たび泄らす・六十の者は精をとじて泄らさず。もし体力さかんならば、一月に一たび泄らす。』
とあります。
60歳代を便宜上30日に1回として計算してみると、20歳代から60歳代の至適射精回数は貝原益軒先生によると平均15.6日に1回、月平均1.92回となります。
精を泄らす=射精回数と性交回数は厳密には違うので、自慰がタブー視されていた江戸時代では性交回数は射精回数より若干多いことが予想され、推奨性交回数は月3回程度と推定されます。
江戸時代より現代は月に1回程度性交回数が増えていますがこの分が肉食が増えた分と考えると、今も昔も体質的に日本人はセックスに淡白なのかも知れないなあ、と思います。(つづく)