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日頃からの耳掃除の必要性

耳鼻咽喉科2010/05/07

 当たり前のことですが、耳あかが詰まっていると鼓膜の所見がとれません。
鼓膜が赤くなっていたりはれたりしていれば急性中耳炎と診断されます。
これは耳痛と発熱の原因で、多くの場合小児に見られるごく一般的な疾患です。 耳あかが詰まっていれば、診断をつけるためにまずそれを除去することから始めなければいけません。
小児の中耳炎は夜間に多く、よく眠れず、不機嫌なぐずついた状態で翌日受診する場合がほとんどです。
子供も非協力的で、おまけにおびえていますので、暴れるわ泣きわめくわでなかなか耳あかを取らせてくれません。
看護師さんに押さえつけられながら四苦八苦しての操作になります。 鼓膜の所見をとるためには何としても耳あかを取らなければならないので大仕事です。
診察室は断末魔の戦場と化してしまいます。
抱っこしているお母さんも汗だくになり、泣きだす方もおられます。
日ごろから耳掃除をしていてさえくれれば簡単に診断がつきますから、こんな苦労はしなくて済むのです。 日ごろ家庭でできる耳掃除のポイントは前にお話しましたが、できることならば定期的に(2~3カ月に1回)耳鼻科で耳の穴を見てもらうようにしておきましょう。
耳症状のない時であれば子供も協力的に診察を受けてくれますし、日ごろから耳鼻科に来院して、痛いことをされないんだという意識を持たせておくことになります。
簡単な処置で清潔にしておくこともでき、耳の病気の予防早期発見にも役立つでしょう。 耳痛は突然、あっという間に起きてしまいます。
耳痛イコール急性中耳炎とは限りません。
しつこいようですが、鼓膜所見をとらずして急性中耳炎と診断することは感心できません。
痛ければ鎮静剤を処方すればいい、という安易な考えは後日、反復中耳炎や難聴を引き起こす危険性をはらんでいますので、かならず耳鼻科専門医を受診してください。
また、子供の風邪の初期症状、つまり鼻水が出ていたりのどが痛かったりしたならば、まず最初に耳鼻科を受診するようにしてください。
ぜん息や肺炎などは耳鼻科ではお手上げですので小児科内科を紹介します。 さて、話を元に戻しますが、日ごろから耳掃除をしていれば、いざという時スピーディーに耳の病気の診断が可能であり、お互い気まずい思いをしなくて済むことになるのです。


Text by そうま耳鼻咽喉科医院 相馬 惠(そうま さとし)(  「」掲載)

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