耳あか掃除のポイント
耳鼻科医が耳あかを取る方法には鉗子(かんし)でつまんで取り出す、吸引する、洗浄する、綿棒でかき出す―の4点が上げられますが、今回は家庭で耳あかをうまく取る方法について話したいと思います。 耳あかをため過ぎると家庭で取ることはかなり困難になります。
まず耳あかをため過ぎないことが一番です。
元来、耳あかは自然に外へ排出されるようになっているのですが、それでも限界があって、どうしてもたまってしまっている場合のお話をします。 まず、金属製や竹製の耳かきは避けた方が良いでしょう。
硬い耳かきはどうしても耳の穴を傷つけることが多く危険です。
綿棒を使うことをお勧めします。
綿棒もできたなら柄の部分がプラスチック製ではなく、紙製のものの方が綿球が取れにくくより好ましいです。
綿の部分が取れてしまうと耳の穴の中の異物となってしまい厄介になります。 綿棒を使用する時のワンポイントは、水道水で良いですから少し水を含ませ湿り気を与えると、乾いた綿棒よりもゴワゴワせず痛くなく、またぬれた部分に細かな耳あかが付着してきて、乾いた耳あかを取る場合などは割と容易に取り除くことができます。 湿った耳あかの場合、少量で耳の穴の周囲にこびりついているものは簡単に取り除くことができますが、耳あかの量が多い場合はかえって奥へ押し込んでしまうことになり、ひどい場合は鼓膜に耳あかが付着してぶつかり耳痛・耳閉感の原因となってしまいます。
このような時は無理をせず耳鼻科で取ってもらうようにしてください。ため過ぎないこと 最初にもお話ししましたが、日ごろから掃除をし、ため過ぎないことです。
また神経質になり過ぎて掃除のし過ぎも禁物です。
毎日ではなく適当な間隔を置き、綿棒を軽くぬらしてソフトタッチで回転させるようにしてふき取る感じで掃除するのがポイントです。 以前耳あか取りグッズと称して外国製のろうそくがマスコミを騒がせました。
当院にも数名犠牲者が来院しましたがひどいものでした。
鼓膜のやけど、耳の穴の中にろうがベッタリ付着して悲惨でした。
皆さん、くれぐれも気を付けて下さい。
あんなもので耳あかが取れるはずはありません。
ちなみに耳鼻科で耳あかを取ると保険で2~300円ですが、あのグッズは1本1,500円だそうです。