アトピー性皮膚炎と目
眼科2010/05/17
アトピー性皮膚炎には多くの目の病気が合併することが知られています。
アトピー性眼瞼(がんけん)炎はまぶたに皮疹(ひしん)ができ、アトピー性角結膜炎は、アレルギー性結膜炎同様、目のかゆみが特徴です。
円錐(すい)角膜は、黒目の表面にある角膜が本来のドーム状から徐々に変形していくことで視力低下をきたす疾患です。
多くは高齢者にみられる白内障が、アトピー性皮膚炎の若年者に起こるのがアトピー白内障で、他の白内障と同じように視力低下をきたしますが、手術により視力回復が可能です。
網膜剥離(はくり)は、放置することで失明につながる重症な病気で、できるだけ早い手術が必要です。いずれの病気も治療が遅れると、後遺症を残すことがあります。
特に、思春期から成人への時期に悪化するアトピー性皮膚炎では目の病気を合併しやすいので、眼科で診察を受けることが重要です。
Text by
くどう眼科クリニック 工藤 勝利(
2010年5月17日 「みなみ風」掲載)