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放っておくと恐い糖尿病網膜症(とうにょうびょうもうまくしょう)

眼科2008/08/13

 生活習慣病である糖尿病は患者数が近年急激に増加していて、国内の糖尿病及びその予備軍を含め1620万人存在するといわれています(厚生労働省調べ)。視力障害、腎障害、神経障害といった三大合併症が知らないうちに体を蝕(むしば)んでゆく恐い病気なのです。

 その合併症のなかで視力障害を起こす糖尿病網膜症は糖尿病の患者の実に40%を占めるといわれています。網膜は眼の奥にあり、物を見るのに大切なカメラのフィルムに例えられる所です。そこには小さな血管が密に存在していて、糖尿病で高血糖状態が長く続くと血管に負担がかかり、やがて機能障害を起こしてくるのです。

 さて、糖尿病網膜症には大まかにいって三つの病期があり、初期は単純網膜症、前増殖網膜症、最終的には増殖網膜症に移行してゆきます。初期は自覚症状がほとんどありません。病期が進行するにつれて視力低下、物が歪(ゆが)んで見えたりする、目の前に何か飛んで見えるような飛蚊症(ひぶんしょう)といった自覚症状が出てくることがあります。早い段階で糖尿病網膜症を発見できれば進行を食い止められますが、かなり進行して硝子体(しょうしたい)出血や増殖膜が形成され、網膜を引っ張ることによる網膜剥離(もうまくはくり)を起こしているときには手術治療が必要で、最悪の場合、失明の危険性もあります。

 治療は、経過観察、内服薬服用、レーザー光凝固、硝子体手術などが行われます。治療方法は病期により違います。はっきりと言える事は、早い段階であれば入院の必要のない簡単な治療で済むということです。

 糖尿病は安定させることはできても、完全に治すことのできない病気です。よって、一度糖尿病と診断されたら、眼の自覚症状の有無に関わらず、定期的に眼科を受診されることをお勧めします。


Text by 吉田眼科病院 武島 俊介(  「」掲載)

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