新しいニキビの外用剤が、承認になりました
以前紹介した、過酸化ベンゾイル(BPO)と抗生剤が一緒になった外用剤が、8月に承認されました。
BPOは、白・黒ニキビの原因である毛穴の詰まりを取るとともに、抗生剤とは違う場所で、ニキビ菌を殺菌し、炎症細胞から出てくる活性酸素を抑えることで、赤ニキビを治療します。
つまり、赤ニキビに対しては、ダブルで働きかけます。
この薬は、1日1回外用なので、ほとんどの方が毎日外用してくれます。
しかし、乾燥・かゆみ・赤みなどの副作用が出ることがありますので、数週間は注意が必要です。
また、色が抜けることがありますので、他に薬がつかないようにしなければいけません。
来年1月に、新しい抗生剤の外用剤が承認される予定で、ニキビを治療する武器がまた増えます。
市販薬で良くならない時には、早目に皮膚科専門医を受診することをお勧めします。
検査をしても異常がない病気?!機能性胃腸症という病気
みなさんは、日常の生活の中で胃腸の痛みや不調を感じることはありませんか?
あるデータによると、慢性的な胃の不調を訴える患者の半数からは、胃カメラやバリウム検査で胃炎や胃潰瘍(かいよう)、がんなどの粘膜の外見的な異常(器質的疾患)は見られなかったそうです。症状が続いているのに、「神経性胃炎」や「気のせい」「異常なし」と言われ、かえって不安やストレスが増し、悪化する例も少なくありません。
器質的な異常がなくても、実際に胃腸の運動機能が低下していることにより、胃腸の不調が現れることを「機能性胃腸症」といいます。
原因は、疲れやストレスなどによる消化管の運動不良で、症状は、のどのつかえ感、胸痛、胸焼け、胃もたれ、胃痛、腹痛、食欲不振、腹部膨満感などです。
しかし、これらの症状は、がんや胆石、胃炎・胃潰瘍、過敏性腸症候群、逆流性食道炎の症状と似ているため、超音波検査や胃カメラ・大腸カメラでこれらの病気が無いことを確認しておくことが大切です。
治療は、まずはストレスの改善と規則正しい食生活です。過労・睡眠不足、食べ過ぎ・飲み過ぎ・早食いを避けること、また脂っこいものや甘いものを控え、胃を休めるように心がけることも大切です。また、症状に応じて胃腸の働きを促す薬、時には安定剤が必要なこともあります。
症状や原因には個人差もありますが、まずはきちんと検査を受け、他の様々な病気を除外しておくことが必要です。以前は苦痛を伴っていた胃カメラや大腸カメラも、カメラの進歩により苦痛はかなり軽減しているため怖がらなくて大丈夫です。また、たとえ検査で異常がなくても、不調が続く時には、単なる思い過ごしとあきらめずに、専門医に相談してみましょう。
病気について丁寧な説明を受け、仕事や家庭での悩みを聞いてもらうだけでも安心して症状が緩和されることもありますよ。
増えゆく大腸がん
平成23年の日本人の死因の第1位は悪性新生物(いわゆるがん)です。
その内訳をみると、胃がんなどが減少傾向にある一方で大腸がんは増えており、男性で第3位、女性では第1位となっています。
このままいけば男女総計では数年後に胃がんを抜くといわれています。
また地域的にも函館市は北海道の中でも大腸がん死亡率の高い地域となっています。
がんは発症臓器によって悪性度が異なるため、死亡率(単位人口あたりの死亡数)が高いがんが必ずしも罹患率(単位人口あたりの新たにかかる患者数)も高いとは限りません。
しかし大腸がんの場合は死亡率だけでなく罹患率も大変高く増加傾向にあり、2020年には胃がん・肺がんを抜いて第1位になると予測されています。
つまり大腸がんは今後ますます身近で一般的な疾患となっていくのです。
大腸がんで死亡する方はかかる方の約3割といわれており、これは他のがんに比べて治りやすいがんであることを示しています。
実際大腸がんは手術で完治する可能性が比較的高いがんであり、また手術のできない例や再発例でも近年の抗がん剤治療の進歩により長期生存が可能となっています。
しかし100%確実な治療法が存在しない現状で大腸がんで命を落とさないようにするためにはどうすればよいでしょうか?
大腸がんも他のがんと同様に現在でも発病の原因は分かっていませんが、食生活の欧米化による高脂肪食の摂取や食物繊維の不足、さらに運動不足との関係が指摘されています。
まずは日頃の食生活・生活習慣の注意が必要です。
それと同時に、がん検診を適切に受け早期発見・早期治療の機会を逃さないようにすることも大切です。
大腸がん検診は、便潜血検査といって、肉眼ではわからない程度の血が便に混じっていないかどうかを検査します。
この検査は大腸がんを100%発見できるわけではありませんが、1回のみではなく定期的に受けることで大腸がん死亡率を下げる効果が実証されており、毎年受けることが大切なのです。
医学生から医者になるまで
医療過誤の報道が多く、研修医制度が変化していくなか、白い巨塔が再度放送され、相変わらず権力闘争に明け暮れる医局を描いています。研修医のマンガをドラマ化した番組もありましたが、テレビみたいに暇じゃなかったなって―あたりまえですが・・・。
医学部は一般学部の一・五倍の期間教育を受けるように法律で決まっているので、六年間の学生生活になります。六年生の九月から医局説明会が開かれ、どんな病気を診るか、どんな進んだ治療法を学べるかといった勧誘をするわけです。僕は循環器内科の医局に入ることにしたのですが、入局申し込みにサインをして、ニコニコした教授と握手をしたので、親切な先生たちがやさしくわかりやすい指導をしてくれると思っていました。
循環器の病気というと簡単には、心臓と血管の病気になるのですが、血圧が高くなる関係で腎臓の病気も、動脈硬化が強くなるので糖尿病も、脈が速くなるので甲状腺の病気まで診られるようにと指導されます。心不全で風邪を引きやすくなっても、すぐ呼吸器にとは言えませんし、不整脈ではめまいや失神がおこるので、色々な病気の人を診ることになります。
病名が額に書いてあればと思ったことが本当にあります。
最初の出張病院では、動脈硬化の疑いがあるために発症する脳梗塞も診るように言われ、リハビリテーションの仕方も学ぶことになりました。病気については教科書には書いてないことを本や論文で調べます。指導医に許可をもらって検査して、治療法を調べたら処方箋をチェックされてと、患者さんと指導医の間を行ったり来たりします。こうしていると、二時に届いたラーメンを四時ころ食べるようなはめになります。
週に一度、午後八時から机に座って指導医とディスカッションになるのですが、答えられない質問を矢継ぎ早に受けるので朝までに調べるように言われると、もう午前四時になっています。
時間がない、教授回診まであと五時間だ!
金属床義歯について
今回は金属床義歯についてお話ししたいと思います。
まず、総入れ歯を例にお話しを進めて行きたいと思います。
総入れ歯の場合、金属を使う部分は上顎の場合は天井部分(口蓋/こうがい)に、下顎の場合は内側の舌のさわる部分を金属にするのが一般的な設計です。
ここを金属にする利点としては①強度的に保険で作るレジン床(樹脂)義歯より優れているので薄くできる(保険の入れ歯の3分の1程度の薄さで作ることも可能です)。
そのため舌の運動に違和感をもったり、発音機能に障害を感じるような患者さんにとっては良好な結果が得られることもあります。②舌触りも良好で、金属特有の熱伝導性により熱い、冷たいなどの温度感覚に優れ、食事時の味覚にも良い影響がみられる。③レジンに比べ適合性が良好である。また、部分入れ歯を金属床義歯にすると④たわみ難いので残っている歯と歯茎に優しい。⑤症状や個人の希望に応じて自由な設計ができるなどが挙げられます。また最近では、部分入れ歯で金属床を使っている場合で、疾患により歯を失った場合でもレーザー溶接技術により修理することもできるようになりました。
一方金属床としての欠点もあるのも確かで①金合金を使った場合には、保険の義歯に比べ重量が大きくなることがある。
ただし、入れ歯としての適合が良ければ日常ほとんど気にならないものと思われます。②顎の骨が痩せて歯ぐきが変化した場合に裏打ちなどの修理が難しい。
ただし、最近では接着技術も飛躍的に向上したためレジンの追加修理もほとんどレジンの入れ歯と同様にできるようになってきました。③入れ歯を作るのに高い技術を要するため費用がかかり高価になる。最後に入れ歯のお手入れについてひと言。①流水下で入れ歯ブラシを使って清浄する。②必要に応じ入れ歯の洗浄剤を使う。③歯磨き粉は入れ歯を傷つけるため使用しない。④寝るときは基本的には外し水中保管をする。より長く入れ歯を使っていただくため上記のことを守り、定期的にかかりつけ医にチェックしてもらう必要があります。
腋臭症(えきしゅうしょう)と腋窩多汗症(えきかたかんしょう)
腋臭症(えきしゅうしょう)というのは、いわゆるワキガのことです。腋窩多汗症(えきかたかんしょう)とはワキに多量の汗をかく事をいいます。これらは症状としては似ていますが、別のモノです。ワキにはアポクリン腺とエクリン腺という汗腺があります。アポクリン腺からの分泌が多いと、分泌物は皮脂と混ざりさらに皮膚表面の細菌によって分解されて、特有のニオイを発生します。これが腋臭症です。腋窩多汗症ではエクリン腺からの分泌が多く、多量の汗をかきます。外来に「ワキのニオイが気になる」と言って来院される方の中には腋臭症の方もいますが、腋窩多汗症の方も多くいらっしゃいます。本当のワキガではなくて、汗のニオイが気になっている方です。治療法は腋臭症も腋窩多汗症も似ています。
1.外用剤―いわゆる制汗剤です。抗菌作用のある外用剤で皮膚表面の殺菌をしてニオイを抑える物です。もっとも手軽な方法ですが、効果も限られます。
2.ワキの脱毛―女性の場合はワキの脱毛をすることによって、汗やニオイを軽減できることもあります。現在はレーザーなどによって手軽に脱毛ができます。しかし、これもやはり汗やニオイの強い方には満足できる効果は得られにくいようです。
3.注射による方法―ボツリヌス菌の毒素を精製した薬品があります。これをワキに注射することによって汗の量を減らすことができます。この方法は腋窩多汗症にはかなり有効な方法です。ただし効果は数ヶ月で、効果を持続させるためには定期的に注射をしていかなくてはなりません。
4.電気分解:皮膚の下に針を刺して電気を流し、アポクリン腺やエクリン腺を焼いてしまう方法です。この方法でも確実ではありません。また、一時的に汗やニオイが減っても数ヶ月で戻りがあることもあります。
5.手術療法:アポクリン腺、エクリン腺を直接切除してしまう方法です。これがもっとも確実な方法ですが、術後の制約などもあり、落ち着くまでにはある程度の時間も必要になります。
骨粗鬆症(こつそしょうしょう)の新しい治療薬(テリパラチド)について
人の骨の中では、常に古い骨が破壊、吸収され、新しい骨が造られています。
これを「骨のリモデリング」といいます。このバランスがくずれ「破壊と吸収」の方が「形成」より亢進(こうしん)すると骨粗鬆症になってしまいます。
今までの骨粗鬆症治療薬は骨吸収を抑制するものがほとんどでしたが、最近、副甲状腺ホルモン誘導体のテリパラチドが使用可能となり、骨形成促進剤として注目されています。
研究によると、テリパラチドの24カ月投与で腰椎骨密度は13%上昇し、椎体骨折の発生率を65~80%減少させたとのことです。
実際に私が使用した経験では、かなり早期から腰背部痛の軽減がみられ、日常生活動作が改善しています。
テリパラチドの使用法は毎日自己注射するタイプと1週間に1回、病院で注射するタイプがあり、患者さんの条件により選択することができます。
不整脈:心房細動のお話
高齢化の時代とよくいわれますが、循環器疾患の領域においても、不整脈、特に心房細動の患者さんが増加していると報告されています。
心房細動は、心房(大動脈から一旦心臓の中に血液をためる部屋)が規則的に収縮しないために、心室(動脈へ血液を送り出す部屋)との連動した一定の拍動ができない状態です。
そのために、無症状の場合もありますが、動悸や、めまいを、又、時には失神発作を発症することがあります。
更に、左心房内(大動脈から脳や全身の動脈へ送る左心室の前にある血液を溜める部屋)に血栓を生じ、その血栓が外れて脳梗塞や、全身の動脈血栓症を発症する原因になる場合があり、脳梗塞の約3分の1が心房細動によるもの、といわれています。心房細動によって起きる頻脈による動悸や息切れに対しては、抗不整脈剤を使用する場合もありますが、一方、逆に除脈になる場合にはペースメーカーといわれる除脈を予防する器械を体内に植え込む場合もあります。一方、脳梗塞の予防は重要です。
現在、一般的にはワーファリンという抗凝固剤が使用されますが、ワーファリンの服用について「循環器病の診断と治療に関するガイドライン(2009年改訂)」によって、心不全、高血圧、高齢(75歳以上)、糖尿病、脳卒中の既往がある場合には、ワーファリン服用を薦められる、とされています。いずれにせよ、心房細動の発生は、生活習慣病の一環として起きる場合が多いと考えられますので、その予防には、普段から、日頃の食事や運動など、生活習慣を良好に保つことが最も大切であり、さらに、患者さんによってそれぞれ事情が異なりますので、治療方法等については、かかりつけの先生に相談されることをお勧め致します。
訪問診療について
歯の治療をしたくても通院が出来ないと悩んでいる方はいませんか?
そこで訪問診療について簡単にお話をしたいと思います。
訪問診療は、病的理由等で独歩で通院不可能な方が利用可能な保険診療の制度です。
病院に入院加療中、施設に入所中はもちろん在宅療養中の方も利用可能です。
そこで、簡単なQ&Aを。
①Q.どんな治療が出来るの?
A.診療室とほぼ同じ治療が可能です。
②Q.費用は?
A.適応であれば保険診療となります。
③Q.介護保険がなければ診てもらえないの?
A.介護保険の有無は、関係ありません。
④Q.どうすれば診てもらえるの?
A.近くの歯科医院や歯科医師会に相談するか、介護保険の認定を受けている方は、ケアマネージャーさんに相談してみて下さい。
よくかんで食べることは、とても大切なことです。
お肌の老化予防と美肌を維持するための『メディカルエステ』エレクトロポレーション/ソノフォレーシス
痛みなく、高分子のアミノ酸、胎盤エキスなどを導入することができるエレクトロポレーションとビタミンA、ビタミンCなどを導入することができるソノフォレーシスが、お肌の老化予防と美肌を維持することで注目されています。
30~40代の女性に多く見られるシミシワの原因は紫外線、老化などがありますが、多くの方に女性ホルモンのアンバランスや肌のビタミン、ミネラルの不足が関係しているといわれています。
エレクトロポーションやソノフォレーシスを施行することによってお肌の栄養環境が変わり、顔全体、特に冬の目の周囲のしみ、しわ、乾燥に効果があります。
また、光治療やレーザートーニングなどのシミシワの治療前や治療後にエレクトロポレーションやソノフォレーシスを行うと、より良い効果と治療後の効果の持続が期待できます。









