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妊娠中毒症 2

産科婦人科2010/04/02

 前回は浮腫(むくみ)のお話をしました。
今回は高血圧と蛋白尿、その予防法についてのお話です。

 妊娠中は胎盤から黄体ホルモンと卵胞ホルモンが大量に作られ、分泌されます。
この二つのホルモンは腎臓や肝臓を介して血管のれん縮(血管の内腔を縮めて細くする)を起こす物質を刺激し、血圧を高める作用があります。
一方、血管壁にはこの血管のれん縮に対抗して血管をやわらかくして、血管壁を弛緩させ、血管の内腔を広くして、血液の流れを速く良くする物質を出す働きがあります。
そのどちらの働きが優位かにより高血圧になったりならなかったりします。

 妊娠中毒症で高血圧になる方は、後者の物質の分泌が少ないのです。

 血管がれん縮して細くなっていると、子宮内の胎児への血流も少なくなって胎児の発育も悪くなります。

 妊婦検診ではおしっこの検査をして、蛋白が出ているか調べます。
これも妊娠中毒症のチェックです。

1mlあたり30mgまでは正常です。
200mg以上になれば入院が必要になります。

 妊娠中毒症は妊娠によって大きくなった子宮により起きる病態なので、その発症を100%防止することはできませんが、発症の確率を減らすことはできます。

 体重の増えすぎに注意しましょう。
8kg前後の増加に、65kg以上の方は、体重をそれ以上にしないよう努力。
そして、適度な運動をしましょう。
散歩や水泳等20分以上、毎日続けること。
急激に体を動かすものは避ける。
安静の時間を作ること。

 安産のため、元気な赤ちゃんを産むためには、妊婦さんの努力も必要です。


Text by 松浦 敏章( 2004年12月 「タウン情報誌JAM「教えて、先生!!」」掲載)

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