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産科医療補償制度

産科婦人科2010/03/19

 平成21年1月1日より産科医療補償制度が始まりました。
お産の時には予期せぬ事が起きてしまうことがあり、何らかの理由で重度の障害を持った赤ちゃんが生まれてくることがあります。
そういう赤ちゃんを持たれたご家族は、精神的にも肉体的にも経済的にも大変なことになります。

 この制度は、そういうご家族に経済的に援助しようというものです。

 通常の妊娠、分娩にもかかわらず分娩に関連して、また常位胎盤早期剥離などの予期せぬ疾病などにより重度脳性麻痺となった赤ちゃんが補償を受けられます。

 重度脳性麻痺の発症原因が分析され、再発防止に役立てられることによって、産科医療の質の向上がはかられ、安心して赤ちゃんを産める環境が整備される事をめざしています。

 この制度は、分娩を取り扱う病院、診療所、助産所が加入し、その分娩機関において、出生体重2000gr以上で妊娠33週以上。
または妊娠28週以上で所定の要件に該当した場合で身体障害者傷害程度1級または2級相当の重度脳性麻痺となった場合に補償の対象となります。
但し、先天性の要因での脳性麻痺は対象外です。

 補償の対象と認定された赤ちゃんには看護、介護のため、
一時金600万円と20年間毎月10万円、計300万円が支払われます。

 妊婦さんは全員この制度に加入登録が必要となります。
登録すると登録証が交付され、この登録証がなければ補償の対象となりません。
この手続きには登録料として3万円が必要となり入院料に加算され、医療機関がお預かりして保険会社に支払います。
そのため分娩後に支払われる出産育児一時金が今年1月1日より3万円引き上げられ38万円となりました。


Text by 松浦 敏章( 2009年3月 「タウン情報誌JAM「教えて、先生!!」」掲載)

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