お産の話
少し前の話になりますが、福島県立大野病院での癒着胎盤による妊婦さんの出血死に対する判決が新聞にも掲載されました。
ここではそのことではなく、まだお産で死亡するという事についてお話したいと思います。
日本では1950年には4117人の妊婦さんが亡くなっていましたが、1994年以降は70人前後と減ってきています。
母子保健活動による意識の向上と、産科学の進歩によるものですが、お産では予測できない突発的に起こるものがあるため、まだ“0”にはなっていません。
我が国では出生数10万につき6前後、欧米先進国の中では少ないところで4-5というところもあります。
死亡の原因の1位は出血。
ついで頭蓋内出血、「妊娠中毒症といわれていた」妊娠高血圧症候群の3つが多く、あと肺血栓塞栓症、羊水塞栓症、つわり、流産などです。
出血は常位胎盤早期剥離、子宮破裂、弛緩出血などによるもの、またそれにより起こる血管内血液凝固症候群。
妊娠高血圧症候群では、重症となることで起こる合併症子癇、胎盤早期剥離、肺水腫が問題となります。
また、妊娠高血圧症候群では子宮内胎児死亡や胎児の発育遅延を起こします。
妊娠、分娩は常に危険と隣り合わせなのです。
これを防ぐのは定期的に妊娠検診を受けることです。
放っておいても10ヶ月経てば元気に生まれてくると思っていると、とんでもないことになることもあります。
医師、助産師の言うことをきちんと守ってください。