子宮体部癌
以前、子宮頸膣部癌について書きましたが、子宮のもう一つの悪性腫瘍である子宮体部癌のことを書いてみます。
最近子宮癌検診で体部癌も希望される方が増えています。
これは30年前には頸癌が90%、体部癌が10%だったのに最近は体部癌が35%を超えるようになってきたためと思われます。
癌検診の意義は何も症状がないうちに、いかにはやく癌を見つけるかというところにあるのですが、子宮体部癌では、この癌に特有の危険因子があり、この癌になった人の90%以上の人が癌がみつかった時、あるいはその6ヶ月以内に、不正性器出血が認められています。
未婚。不妊。初婚、初妊年齢が高い。妊娠回数、出生児数が少ない。
30才以降の月経不規則。卵胞ホルモンの服用歴。などが危険因子といわれています。
この事から老人保健法では、最近6ヶ月以内に不正性器出血があった人で、
- 50歳以上
- 閉経以後
- 未妊娠で月経不規則
のいずれかに該当するひとを子宮体部癌検診の対象者とする。
但しこの条件に該当しないひとでも、医師が必要と認めた人。
とさだめられています。
欧米で子宮体部癌の3徴といわれている、肥満、高血圧、糖尿病は、日本ではあまり関係ないとされていましたが、最近の子宮体部癌の増加とともに関連があるといわれています。
また40歳以下の若年体癌も増えてきています。
30歳以下の子宮体部癌では、全例未妊娠であり、91%に不正性器出血、月経異常を認め、60%に多嚢胞性卵巣を認めている。
このことから30才以下の体癌には排卵障害に起因する月経異常、不正出血が特徴です。
50歳以上が圧倒的に多い子宮体部癌ですが、若いからこんなことはありがちとか婦人科にいくには恥ずかしいとかいわずに、受診して下さい。