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男性の性(12)

泌尿器科2010/03/19

 精巣で生まれた精子は、長い長い道のりを経てようやく卵子との待ち合わせ場所である卵管にたどり着き、さらにそこで48〜72時間生きているのと比べ、卵巣から排出された卵子は、わずか7cmほどの距離を自力ではなく卵管運動によって運ばれて待ち合わせ場所に着きますが、そこで元気なのはわずか12時間くらいしかありません。
卵子と精子が待ち合わせ時間にピッタリ合えば問題はないけれど、そうでない場合、精子は卵巣から卵子が排卵され卵管まで運ばれてくるのを辛抱強く、場合によっては36〜48時間も待つことになります(子供を作ろうとするならば、排卵日に合わせて性交するよりも排卵日の1〜2日前に性交した方が妊娠の確率は高い)。
僕が昔待たされた6時間なんかざらということになります。

 このように、性交後受精までの2〜3日間の短い期間でみると、精子(オトコ)の方が待つ確率がかなり高いことになりますが、もっと長い目で精子と卵子の関係を眺めてみると、初潮から閉経までの数十年間、卵子は毎月一度、いつ来るかもしれない精子を、たったひとりで(たった1個で)卵管という待ち合わせ場所で待っていることになります。
卵子にしてみれば最初に待ち始めてから、5年後10年後にやっと精子に出会うくらいが普通で、場合によっては20年以上、さらにはとうとう最後まで待ちぼうけを食わせられることも稀ではありません。

 毎回毎回デートに遅刻してくるオンナと待たされて煙草や酒の量が増えるオトコ、待ち合わせ場所で36〜48時間卵子が到着するのを待つ精子。『あみん』が“待〜つわ、いつまでも待〜つ〜わ”と歌うオンナと、“男は船で女は港”と口笛吹いてオンナを待たせておくオトコ、毎月一度、数十年間、卵管で待つ卵子といつそこにたどり着くかもしれない精子、どちらも精子卵子時代からの宿命、といえば、こじつけが過ぎるでしょうか?


Text by 岡本ひ尿器科医院 岡本 知士( 2008年12月 「タウン情報誌JAM「教えて、先生!!」」掲載)

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