爪周囲の痛みと治療について
爪が皮膚に食い込んで痛くなったことはありませんか?今回は陥入爪(かんにゅうづめ)のお話です。
長い時間歩いたり、きつい靴をはいたりして、足の親指などが痛くなってきた。家に帰って靴を脱いで見てみると爪の角の部分が皮膚に食い込んで赤く腫れている。こんな時どうしますか?
爪切りで食い込んだ爪を切ると、すぐに痛みは解消するかもしれません。でも、ちょっと待って下さい! 足の指は、いつも下からの力を受けているので、きちんと爪で押さえられていないと、数日位で指先がだんだん盛り上がってきてしまうのです。そしてその盛り上がった皮膚に再び伸びてきた爪が食い込む。つまり、痛む→食い込んだ爪を切る→切った部分の指の皮膚が盛り上がる→爪に食い込む→痛む→爪を切る・・・という繰り返しで、だんだんこじれてきてしまい、皮膚に爪が深く食い込み、自分では切れなくなってしまうのです。
そこで、爪を切らずに痛みを取るための簡単な応急手当てをご紹介します。まず、粘着性の強めなばんそうこうを用意して、幅1センチ、長さ5センチ位に切ります。次に、ばんそうこうの端を爪が食い込んでいる部分の真横の皮膚に貼り、爪と皮膚を離す方向に引っ張りながら指に巻き付けるように貼っていきます(このとき強く引っ張りすぎると指の血のめぐりが悪くなることがあるので注意が必要です)。この手当てによって、爪と皮膚の間に隙間ができて、食い込みがゆるやかになり、痛みも解消されます。さらに、その隙間にガーゼを挟むやり方もあります。
しかし、それでも痛みや腫れが取れない場合は医療機関を受診して下さい。細菌感染を起こしていて、抗生物質が必要な場合があるからです。また以前は手術的な治療が主流でしたが、最近では人工爪やシリコンチューブを用いた、手術によらない方法で治る方も増えてきています。ですから、怖がらずに、お早めに御相談下さい。