男性の性(2)
−染色体的性の決定−
ヒトがオトコになるかオンナになるかは、精子が卵子と受精した瞬間に決まります。
卵子の染色体はどれも22+Xですが、精子の染色体は22+Xと22+Yの2種類あって、22+Xの精子が卵子と受精すると受精卵は44+XXでオンナになり、22+Yの精子が卵子と受精すると受精卵は44+XYでオトコになります。
つまり、受精卵がオトコになるかオンナになるかは精子によって決まるわけで、X染色体を持った精子ならオンナ、Y染色体を持った精子ならオトコ、ということになります。
昔、歌手のちあきなおみは“X+Y=LOVEという歌の中で、『X、それは貴方、Y、それは私、プラス、イコール、ラブ、ラブラブアイラブユー〜(作詞:白鳥朝詠)』と歌いヒットさせました。
“喝采”が大ヒットしてレコード大賞を取るずっと以前の、まだセクシーアイドル路線で売り出していた頃だと思います。
またプロレスの世界では“ミスターX”という覆面レスラーがたびたび登場し(複数いたらしい)、どうも世間では“X=オトコ”というイメージが強いようですが、染色体的にいうとYがオトコなのであります。
ー性器的性の決定ー
染色体によりオトコと決定された受精卵はその後、お母さんのお腹の中(胎内)で成長していくわけですが、その間、男性ホルモンやある種の女性化抑制物質(ミュラー管抑制物質)により、性器は男性型へと発達していきます。
逆に言うと男性ホルモンや女性化抑制物質が正常に分泌されないと、いくら染色体的にはオトコでも性器は女性型となってしまいます。
なかなかオトコになるの大変なのであります。
通常、胎生12週ぐらいで男性器が形成され男女の区別がつくようになります。
ただこの時期、外性器(陰茎・陰のう)はそれらしき形をしているものの、陰のう内にまだ精巣(睾丸)は無く(胎生12週では睾丸は腹腔内にある)、胎生30週くらいになってやっと、精巣(睾丸)もあるべきところー陰のうーに納まり、外見的にはこれでようやくオトコが完成します。
では、なぜオトコだけが股間にあのようなものをブラブラさせているのでしょう?(つづく)