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コンタクトレンズ(CL)の装用で注意すべきことは何ですか?

眼科2010/03/18

コンタクトレンズ(CL)はペースメーカーと同じ高度管理医療機器です!

 現在CL装用人口は2000万人を超え、日本人の6人に1人はCLを使用していることになります。
わが国にCLが普及して50年がたち、近視用のほかに、遠視・乱視・老視用のCLも種類が豊富になったため、若い人ばかりではなく、すべての年齢層で増加しています。 実は、CLは心臓に入れるペースメーカーと同じ高度管理医療機器なのですが、簡単な物と同様に扱っている人が多いのが現実です。
インターネット購入や、無認可のカラーCLを洋服屋で購入している人などは重症な角膜障害を起こして痛みが出てから初めて眼科受診をする人もいます。 CLと眼鏡の大きな違いは、CLは目の中に入り、角膜に直接触れているということです。
角膜が必要とする酸素は涙を介して空気中から供給されます。
ですからCLを装用すると涙が角膜とCLに挟まれることになり、眼鏡の人に比べて、角膜は酸素不足になりやすいのです。
さらに、自分の角膜の形にあっていないCLや、つけっぱなしで期間を守らず使用したりすると、角膜に取り込まれる酸素が不足して角膜障害が発症します。
角膜上皮がはがれると大変な痛みを感じます。
また、傷から細菌が入ると重症の眼内炎になり、ひいては失明にいたることさえあります。
CL使用者はこれらのことを知って正しい使い方を守ってほしいと思います。 眼鏡店の中では、眼科医ではなく他科の医師の免許を使い診療ブースを開設している所もありますので、CLの診療は正確な知識がある眼科医のもとで受けてください。 正しい使い方をすれば、CLは大変便利なものです。
特にソフトCLでは、激しい運動でもずれにくく、くもらず、視野が広いという利点があり、スポーツ時には最適です。
近年はシリコンハイドロゲルという新しい素材のソフトCLが発売され、涙からでなくても酸素が通る素材なのでより安全に使用できるようになりました。
ほかにも、乱視や老眼にも対応できる色々な種類のソフトCLがあります。 また、強い乱視や円錐角膜などで角膜の形に強いゆがみがある場合はハードCLで角膜表面の形をしっかり覆い矯正することによりはっきり見えるようになります。 現在のCLは素晴らしい品質で、あらゆる人に対応できるほど種類も豊富です。
レーシック手術を受けてしまうと老眼年齢(40代後半)になってから辛い思いをします。
流行のレーシック手術を受ける前に、年齢に合わせてCLを着替えていくことも考えましょう。


Text by 藤岡眼科 藤岡聖子( 2010年3月 「ホームドクター 健康新常識」掲載)

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