皮膚と癒し
皮膚は心と密接に関係しています。
実験を受ける人:被験者(ひけんじゃ)に熱したアイロンを見せ、目隠しをします。その後、冷えたアイロンを被験者の腕に当てたところ、被験者は熱さを感じ、更には腕にアイロンの形をしたヤケドまでできてしまったのです。かつてこんな実験が行われたそうです。
この真相・詳細は、はっきりしませんが、日常でも人の心の動きが皮膚に現れることはあります。疲労、ストレスによりニキビ・アトピー性皮膚炎が悪化したり、蕁麻疹(じんましん)が出没したりすることは多くの人が経験しております。重複するようですが、イライラすることが、かゆみにつながることもあります。
皮膚の治療において(皮膚だけではないでしょうが)、薬物治療を行う前に重要なことは、心の平穏を保つことです。
温泉療法というものがあります。温泉の成分が持つ効能・効果を期待してのものです。しかし、それ以上に温泉につかり、リラックスするということは治療にとって重要なことです。しかしいくら温泉がいいからと言って、何時間も温泉につかり続けるような、苦行に似たことをしてもそれは逆効果です。更に、皮膚に対しては、長時間の入浴は皮膚の保湿性を低下させてしまうこともあり、あまりお勧めできません。自分に負担をかけることもなく、ゆっくりと体を休めるような「温泉療法・入浴療法」がお勧めです。
現代医療はとかく薬物に頼りがちです。様々な薬物が開発されたからこそ、我々は病気に打ち勝つことができているのは確かです。しかし心の安定があってこその薬物治療です。本末転倒にならないように。