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寝たきりや要介護にならないために何かいい方法はありますか?

整形外科2010/03/18

ロコモーショントレーニング(ロコトレ)で
運動器全体を動かし予防することをお勧めします

 2005年度における日本人口の年齢構成は、子ども人口(15歳未満)が14%、働き盛り人口(15〜64歳)が66%、高齢人口(65歳以上)が20%でした。
現在の見通しでは、50年後には高齢人口が41%まで増加すると推計されています。
つまり、21世紀半ばには、国民のおよそ2・5人に1人が65歳以上という超高齢社会になることが予測されます。
高齢者の増加に伴い、支援・介護を必要とする人も、02年から06年までに167倍と急増し、440万人を超えています。
75歳以上の高齢者での寝たきりや介護の主な原因のうち、運動器疾患によるものは実に21・5%(転倒・骨折9・3%、関節疾患12・2%)を占めています。
これらの要支援・要介護者を少しでも減少させ、また重症化を防ぐ対応が必要となっています。 そこで、07年に日本整形外科学会では、運動器の障害による要介護の状態や要介護リスクの高い状態を表す新しい言葉として「ロコモティブシンドローム(locomotive syndrome)、運動器症候群」を提唱し、これらの予防や早期治療を広く啓蒙するようにしています。
また、ロコモティブシンドロームの早期診断のため、5つのロコモーションチェック(ロコチェック)を示しました。

  1. 片脚立ちで靴下がはけない
  2. 家の中でつまずいたり、滑ったりする
  3. 階段を上がるのに手すりが必要である
  4. 横断歩道を青信号で渡りきれない
  5. 15分くらい続けて歩けない

——これらのひとつでも当てはまれば、ロコモである心配があります。該当する方には開眼片脚立ちとスクワットによる2つのロコモーショントレーニングが勧められています。 開眼片脚立ちは、床に着かない程度に片足を上げ、左右1分間ずつ1日3回行う。
転倒予防のため、つかまるものがある場所で行うこと。支えが必要な方は、机に手や指をついて行う。
スクワットは、椅子に腰かけるように、お尻をゆっくり下ろす。
膝は曲がっても90度までとし、安全のために椅子やソファの前で行う。
5〜6回を1日3回行う。
支えが必要な方は机に手をついた状態で行ったり、椅子に腰かけ腰を浮かす動作を繰り返す。
これらのトレーニング以外にもストレッチ・関節の曲げ伸ばし・ラジオ体操・ウオーキングや各種のスポーツを症状に合わせ積極的に行うことがロコモティブシンドロームの予防や進行の抑制につながっていきます。


Text by 江端整形外科医院 江端 済( 2010年3月 「ホームドクター 健康新常識」掲載)

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