粉瘤(ふんりゅう)とはどんな病気ですか?すぐに治すことができますか?
放っておくとだんだん大きくなるおできの一種です。
小さなうちに切除することをお勧めします
粉瘤とは、皮膚表面にできる腫瘤(しゅりゅう・おでき)の一つで、アテローマともいわれます。
半球状に少し皮膚から隆起して盛り上がり、触るとコリコリしているものです。体中どこにでもできますが、多いのは背中と顔(特にあご、首、耳の周り)、頭にできます。
お尻や足の付け根、手足などにできることもあります。
「脂肪の固まり」などといわれ、これ自体は痛みはないのですが、ばい菌などに感染を起こして膿がたまってくると痛みが出て、赤く腫れてきます。
こうなってから外来を訪れる患者さんがほとんどです。
皮膚の下に袋ができて、中にお粥のようなアカや皮脂が詰まっています。
皮膚の下に硬い塊として触れ、強く押されたりして表面が破れると、悪臭のある白い物質が出ることもあります。 また、腫瘤の表面上に点状にへそのようなくぼみがみられることもあります。
良性の皮膚腫瘍で初めは、ほんの5くらいで小さいのですが、何年かそのまま放置しているとだんだん大きくなってきます。大きいものは野球のボールくらいになることもあります。 治療法は、化膿していないものは手術で切除することです。
注射や軟膏では治療できません。
まず、局所麻酔をして袋をすべて切除します。
その後、ていねいに縫合して終了します。
手術時間は10分ほどです。
場所によって違いますが、1週間ほどで抜糸できます。
1〜2日すればシャワーや入浴も可能です。 化膿している場合は、まず皮膚切開して膿を出してしまいます。
しばらく消毒して、炎症がなくなった時点で袋を切除する手術をします。
袋を取らないとまた再発してくるからです。
傷跡は3カ月くらいは赤く硬くなっていますが、徐々に白くやわらかくなって目立たなくなります。
手術して皮膚を傷つける以上、必ず傷跡は残ります。
そして、できるだけ目立たない傷跡にすることが、われわれ形成外科の仕事です。
そのために、ていねいに縫合したり、シワに沿った傷にします。 また、外傷性のアテローマというものもあります。
これは、ケガの跡にできる粉瘤で、手のひらや足の裏、膝などにみられ、痛みをともなうことがあります。
これもやはり治療法は切って取るしかありません。 粉瘤は形成外科でよくみられる皮膚の良性腫瘍です。
化膿してから来院される方が多いのですが、小さいうちに、そして化膿しないうちに切除してしまうほうが早く良くなりますし、傷も小さくて目立たない傷になります。