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悲しくもないのに最近涙がよく出ます。年のせいでしょうか?病気ではないですか?

眼科2010/03/18

涙目(流涙症)は赤ちゃんと高齢者に多い病気。
通院治療が可能で、赤ちゃんでは自然治癒も

 涙は上瞼(うわまぶた)にある涙腺(るいせん)から出て来て目を潤すと、目頭にある涙点(るいてん)から鼻涙管(びるいかん)、涙嚢(るいのう)を通って鼻の穴=鼻腔(びくう)に捨てられます。
そのどの部分が狭くなっても涙目=流涙症(りゅうるいしょう)になってしまいます。
また、白目の表面の結膜(けつまく)がたるんでくると、そこへ涙がくっつくような感じがしたり、涙点を圧迫して涙目になってしまうこともあります。
涙目は生後3カ月くらいの赤ちゃんと高齢者に多い病気ですが、年齢によって治療法は若干違ってきます。 赤ちゃんの涙目の原因は先天性鼻涙管閉鎖症(せんてんせいびるいかんへいさしょう)で、鼻涙管が鼻の穴の出口部分でふさがってしまっています。
自然に治ることもあるので、生後6カ月くらいまでは様子を見ます。
それでも治らない場合には、ブジーと呼ばれる治療用の針金で突っついて、詰まったところを開通させる「涙道ブジー法」を行います。 赤ちゃんの鼻涙管は鼻までまっすぐに通っているので金属の棒を使って治療することができますが、大人の鼻涙管は中が曲がりくねっていることがあるので単純に突っついただけでは治療できない場合があり、自由に曲がることができるシリコンチューブを使って治療します。
涙道カメラという直径1くらいの細い内視鏡を使って詰まっているところを確認したり、鼻腔側の出口の状態をチェックすることも重要です。 高齢者の涙目の手術療法としては、その原因によって、

  1. 結膜を引っ張って伸ばす「結膜縫合術」
  2. 小さくなった涙点を切り広げる「涙点形成術」
  3. 鼻涙管にシリコンチューブを入れて狭くなったところを広げる「涙管チューブ挿入術」
  4. 涙嚢の中に膿がたまっている涙嚢炎(るいのうえん)の場合には涙嚢と鼻腔の間の骨に穴を開けてトンネルを造る「涙嚢鼻腔吻合術(るいのうびくうふんごうじゅつ)」

を行いますが、いくつかの手術を組み合わせる必要がある場合もあります。
1〜3までは外来通院の局所麻酔で手術ができますが、4の場合には入院して全身麻酔の手術が必要になります。 涙目はさまざまな原因で生じる疾患で、ほとんどは通院で治療が可能ですが、場合によっては入院治療も必要になる疾患もあります。
涙目でお困りの方は、放っておかずに一度眼科医へ相談することをお勧めします。


Text by 清水眼科クリニック 清水 信晶( 2010年3月 「ホームドクター 健康新常識」掲載)

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