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コンタクトレンズ使用にあたって…2008年版

眼科2008/08/22

 7月11日付の新聞各紙に、コンタクトレンズ規制の記事が載っていたのを御存知ですか?

 現在は「雑貨」として扱われているカラーコンタクトレンズ(カラコン)を「医療機器」として薬事法で規制するというものです。

 コンタクトレンズは、材質別ではハードレンズ・ソフトレンズがあり、昨今では使い捨てタイプのレンズの需要が高いようです。また遠近両用型や瞳の色が違って見えるカラーレンズなど用途別にも様々なバリエーションがあります。

 特に若い女性の間では、ただファッション用として装用している方も増えており、主に度の入っていないカラーコンタクトレンズが用いられるケースが多いようです。確かに瞳の色や雰囲気が変わる訳ですから使いたいと思う方もいるのでしょうが…???

 コンタクトレンズがメガネと大きく違う点は、目に接触するレンズであるという事だと思います。これによってメガネでは補いきれない強度近視や乱視の矯正ができたり、治療の一環として使用する事で症状を緩和させたりする事ができる訳ですが、反面使い方によっては角膜を傷つけたり、アレルギー性結膜炎の原因となったり、それらを長引かせたりするケースもあります。従って眼科で診察の上、処方される必要があり、また定期的な検査も重要視されるのです。

 しかし、量販店もしくはインターネットを通じて購入された場合、個々の眼に合ったレンズか否か判断する事ができません。結果、重篤(じゅうとく)な角膜・もしくは眼球全体の障害を起こし失明に至るケースも見受けられます。残念ながらこの様な悲しいケースをゼロにする事が難しいのが現状です。

 従って、法の規制もさることながら、使用している個人個人がコンタクトレンズ=医療機器という自覚をもってお使い頂きたいと願うばかりです。この記事をみて一人でも多くの方が眼科受診の重要性を理解して頂ければ幸いです。


Text by 吉田眼科病院 岡田 佳典(  「」掲載)

白内障って再発するの?

眼科2008/08/13

 「せっかく白内障の手術をして視力が回復したのに、また見えなくなってきた」という声をよく耳にします。別の病気にかかったために視力が悪くなるケースもありますが、よくあるのは後発(こうはつ)白内障による視力低下です。

 聞き慣れない方が多いと思いますが、後発白内障は、白内障手術の時に眼内レンズを入れるために残しておいた水晶体(すいしょうたい)の袋に、術後濁(にご)りが生ずることが原因で発生します。これは、白内障手術を行った人の5~30%で、視力に影響が出るほどに進行します。

 しかし治療は簡単で、レーザーで濁りを取ることができます。外来で短時間で行うことができ、入院は全く必要ありません。

 白内障術後で、また以前のように見づらくなったと感じている方は、もう一度眼科を受診してみてはいかがでしょうか。


Text by 江口眼科病院 森 洋斉(  「」掲載)

網膜剥離(もうまくはくり)は早期発見が大切です

眼科2008/08/13

 網膜剥離は眼のフィルムの働きをする網膜の下に水がたまる病気です。
網膜に穴が生じ、その穴から硝子体の水が網膜の下にたまる裂孔原性(れっこうげんせい)網膜剥離が一般的な網膜剥離です。

 この病気の症状は、黒い点やごみのようなものが見えたり(飛蚊症)、ピカピカ光って見えたり(光視症)、見ているものの一部が見えなくなる(視野欠損)などです。
点眼薬で瞳孔を開いた後に、眼底検査を行うことにより診断ができます。

 治療には手術が必要になります。

 早期の網膜裂孔のみの場合は、外来でのレーザー治療になります。

 網膜剥離に進行した場合は、入院して網膜復位術や硝子体手術が必要です。
早期の網膜剥離は90%以上が手術により、網膜は復位します。
また、網膜剥離の範囲が小さく、期間が短いほど、手術後の視力予後が良いです。

 気になる症状がありましたら、早めに眼科で眼底検査を受けて下さい。


Text by 江口眼科病院 森 文彦(  「」掲載)

糖尿病網膜症(とうにょうびょうもうまくしょう)

眼科2008/08/13

 糖尿病の患者さんはその予備軍を加えると1500万人に及ぶといわれ、日本人のほぼ10人に1人ということになります。その合併症の一つである糖尿病網膜症の有病率は約30%です。

 糖尿病になると、眼の神経の膜である網膜に酸素や栄養を送っている血管の一部に瘤(こぶ)ができ、脂肪やタンパクがにじみでたり、瘤が破れて出血したりします。

 さらに進行すると血行が悪くなって、網膜への酸素や栄養がとだえ、網膜のあちこちに病的な新生血管ができます。この血管はもろく、出血しやすく硝子体出血や網膜剥離(もうまくはくり)を引き起こし、失明に至ることがあります。糖尿病網膜症の治療は、内科医による血糖コントロールと、眼科医による網膜光凝固や硝子体手術ということになります。

 糖尿病患者さんは、診断がついたらすぐに眼科医による定期的な眼底(がんてい)検査が必要です。


Text by 江口眼科病院 森 文彦(  「」掲載)

加齢黄斑変性(かれいおうはんへんせい)を知っていますか

眼科2008/08/13

 加齢黄斑変性は、欧米では50歳以上の視力低下の原因の第1位の眼疾患です。
国内でも増加していますが、あまりなじみがないかもしれません。
眼のフィルムの働きをする網膜の中心部である黄斑が、さまざまな原因によって障害される疾患が加齢黄斑変性です。

 この疾患になると、ものがゆがんで見えたり、ぼやけて見えたり、見たい部分が黒く見えたりします。
眼科で眼底検査や蛍光眼底造影検査(けいこうがんていぞうえいけんさ)をおこなうことにより診断ができます。

 数年前に認定医による光線力学的療法(こうせんりきがくてきりょうほう)がわが国でも認可されこの方法による治療が行われています。
これは光に反応する薬剤を体内に注射した後に、病変部にレーザー照射する治療法です。
弱いレーザーによって薬剤を活性化し、網膜へのダメージを抑えながら病変を小さくさせます。

 気になる症状がありましたら、眼科で眼底検査を受けて下さい。


Text by 江口眼科病院 森 文彦( 2013年8月26日 「北海道新聞夕刊」掲載)

放っておくと恐い糖尿病網膜症(とうにょうびょうもうまくしょう)

眼科2008/08/13

 生活習慣病である糖尿病は患者数が近年急激に増加していて、国内の糖尿病及びその予備軍を含め1620万人存在するといわれています(厚生労働省調べ)。視力障害、腎障害、神経障害といった三大合併症が知らないうちに体を蝕(むしば)んでゆく恐い病気なのです。

 その合併症のなかで視力障害を起こす糖尿病網膜症は糖尿病の患者の実に40%を占めるといわれています。網膜は眼の奥にあり、物を見るのに大切なカメラのフィルムに例えられる所です。そこには小さな血管が密に存在していて、糖尿病で高血糖状態が長く続くと血管に負担がかかり、やがて機能障害を起こしてくるのです。

 さて、糖尿病網膜症には大まかにいって三つの病期があり、初期は単純網膜症、前増殖網膜症、最終的には増殖網膜症に移行してゆきます。初期は自覚症状がほとんどありません。病期が進行するにつれて視力低下、物が歪(ゆが)んで見えたりする、目の前に何か飛んで見えるような飛蚊症(ひぶんしょう)といった自覚症状が出てくることがあります。早い段階で糖尿病網膜症を発見できれば進行を食い止められますが、かなり進行して硝子体(しょうしたい)出血や増殖膜が形成され、網膜を引っ張ることによる網膜剥離(もうまくはくり)を起こしているときには手術治療が必要で、最悪の場合、失明の危険性もあります。

 治療は、経過観察、内服薬服用、レーザー光凝固、硝子体手術などが行われます。治療方法は病期により違います。はっきりと言える事は、早い段階であれば入院の必要のない簡単な治療で済むということです。

 糖尿病は安定させることはできても、完全に治すことのできない病気です。よって、一度糖尿病と診断されたら、眼の自覚症状の有無に関わらず、定期的に眼科を受診されることをお勧めします。


Text by 吉田眼科病院 武島 俊介(  「」掲載)

網膜剥離(もうまくはくり)と飛蚊症(ひぶんしょう)について

眼科2008/08/13

 網膜はカメラのフィルムに相当する薄い膜状の組織で、感覚網膜という光を感じとる層と、その土台となっている色素上皮の二層に大別できます。感覚網膜が色素上皮から剥(は)がれるのが網膜剥離です。

 網膜剥離のうち代表的なタイプは、裂孔原性(れっこうげんせい)網膜剥離といって、網膜の一部に裂孔(裂け目)ができ、そこから網膜の裏側に眼球内の水分が流れ込み剥離するタイプです。裂孔ができる主な原因は硝子体(しょうしたい)の牽引です。

 硝子体とは、眼球内部の大部分を占めている透明なゼリー状の組織のことです。硝子体は加齢とともに一部が液体になりはじめ、容積が小さくなります。すると眼球後方の硝子体と網膜にすき間ができます。これを後部硝子体剥離といいます。後部硝子体剥離はそれ自体に問題はないのですが、硝子体と網膜が病的に癒着している場合、収縮する硝子体に網膜が引っ張られて裂孔が発生し、網膜剥離を引き起こすことがあります。

 加齢による変化以外にも眼球の打撲などで、網膜裂孔が生じる場合もあります。網膜剥離が起きる前兆となる症状に飛蚊症があります。

 飛蚊症は、目の前にゴミがちらついて、あたかも蚊が飛んでいるように見える症状です。本来は無色透明である硝子体の中に、加齢と共に線維性(せんいせい)の混濁が生じてきます。その混濁が眼球を動かしたときに動いて、飛蚊症として自覚されます。後部硝子体剥離後はとくに線維性混濁が著しくなることが多く、糸くずやリング状のものが見えたりします。これらは加齢とともに起こる生理的飛蚊症といって心配いりません。たいていの飛蚊症はこれに該当します。しかし後部硝子体剥離などの硝子体収縮により網膜に裂孔が生じたり、網膜の血管が切れて出血することがあります。この際にも飛蚊症が増悪します。

 症状だけでは生理的飛蚊症と区別はつきにくく、眼底検査を受けなければ判断できません。飛蚊症を自覚した場合は、早めに眼科を受診しましょう。


Text by 藤原眼科 藤原 慎太郎(  「」掲載)

アンチエイジングとしての白内障手術

眼科2008/08/13

 最近、巷でアンチエイジングという言葉を耳にします。和訳すると「老化予防」、中には「若返り」と過大解釈している方もいらっしゃるでしょう。

 私の知る限り、現在のところそれを百%実現できる方法はありません。ただ、それを知りつつも大人になった時から、誰しもアンチエイジングや不老不死の方法を模索してしまうものではないでしょうか?

 我々眼科の領域でも、加齢性疾患は多数認められ今ではアンチエイジングは必須の分野となりつつあります。その中で真っ先に思い当たるのは老眼。次に思い当たるのは白内障でしょうか?

 ことに白内障は、手術によって混濁したレンズ(水晶体)を透明な人工のレンズに置き換えるため、視力の回復が得られます。言ってみれば手術による視力の若返りが可能な部位なのです。

 また、ただ白内障を治すというだけではなく個々の希望に沿った見え方にするための研究も進んできています。

 その一つとして多焦点眼内レンズがあります。現行の眼内レンズは単焦点(一箇所にのみピントが合っているレンズ)なため手術後遠くも近くもメガネが必要となります。多焦点眼内レンズはレンズ表面に特殊な加工を施すことによって、可能な限りメガネを使わずに遠くも近くも見えるように工夫がなされています。したがって、若かりし頃の見え方通りというわけにはいきませんが、現在の技術で出来る限りそれに近づけた仕様となっています。

 これを用いれば白内障の治療によって老眼の改善も可能となるわけです。

 しかし、従来の手術と違い全額自費となりますので、十分ご理解の上で選択していただきたい治療方法である点を付け加えさせて頂きます。


Text by 吉田眼科病院 岡田 佳典(  「」掲載)

緑内障について

眼科2008/08/13

 緑内障とは、視神経が障害され視野(正面を向いて前方を見つめた時に上下左右の見える範囲)が狭くなったり、部分的に見えなくなる目の病気をいいます。眼球に一定の張りを与えて形を保つ圧力のことを眼圧(がんあつ)といいますが、房水(ぼうすい)という眼内の水分がこの役割を担っています。

 房水は、毛様体(もうようたい)というところから生産され、目の中を循環しながら組織に栄養を与え、最終的には隅角(ぐうかく=房水の出口)を経て血管に流れ出ていきます。この流れがスムーズである限り、眼圧は一定に保たれています。ところが、房水が排出される隅角が目詰まりを起こすと、目の中の房水が多くなりすぎて目がパンパンに張ってしまいます。これが、眼圧が高い状態です。

 急激に眼圧が上がると視神経はすぐに傷つきます。また、眼圧がそれ程高くなくても、上昇している期間が長ければ徐々に傷ついていきます。眼圧の正常範囲は10~21mmHgとされていますが、視神経がどのくらいの眼圧に耐えられるかは個人差によります。

 実際、眼圧が正常なのに緑内障をわずらっている人が緑内障全体の半数以上を占めています。ですから、眼圧が正常でも決して安心はできません。多くの緑内障は、初期の段階では自覚症状はほとんどありません。実際、視野障害が起きていても視線を動かすなどして無意識に両方の目で補い合って物を見ているため、自分では視野障害に気付かないことが多いのです。また、視力は末期まで良好に保たれるため、視力を測っても緑内障が発見されないこともあります。

 現在、日本では四十歳以上の十七人に一人が緑内障に罹患(りかん)しており、自覚症状がないために緑内障患者さんの約九〇%が治療を受けていないといわれています。

 早期発見、早期治療のため、何も症状がなくても、一度は眼科検診を受けることをお勧めします。


Text by 吉田眼科病院 目谷 千聡(  「」掲載)

屈折矯正手術よもやま話

眼科2008/08/13

 「近視や乱視を治したい(遠視もですが・・・)!」

 そんな皆様のご希望を可能にしたのがレーシック(LASIK)であり、その発展型がウェーブフロント(wave-front guided LASIK)です。以前、当コラムに掲載させていただいた時には、まだ噂の手術・トピックスの域を脱していなかったこの術式も、今や市民権を得て、広く深く皆様に浸透されたのではないかと思います。

 ただし、LASIKは角膜を削る手術のため、角膜の厚さが薄い、または、強度の近視、などの理由から適応外となり、コンタクトレンズや眼鏡のみで対応せざるを得ない場合もあります。

 これらをカバーする手術は無いのでしょうか?

 答えは、「有ります(残念ながら、全ての方が適応となる訳ではないのですが・・・)」。

 近年登場した方法がこれにあたります。例えば、LASIKで行う角膜のフラップをより薄く作る事ができる(1)エピレーシック(epi-LASIK)という方法では、今まで不可能であった角膜厚の薄い症例も手術が可能となります。薬品を用いてフラップを作る(2)ラセック(LASEK)や、現行の(3)ピーアールケー(PRK)も同様な効果が得られます。また、(4)有水晶体眼内レンズ(Phakic IOL)という眼内に埋め込むレンズも登場しました。この方法は角膜を削る事がないため、極端に薄い角膜の方や強度の近視の方も手術を受ける事が可能になりました。

 医学の進歩は目を見張るものがあり、屈折矯正手術も同様です。これからも、より良い治療方法が登場する事でしょう。では、現時点で最も優れた手術方法はなんでしょうか?

 私見ですが、やはり「レーシック(LASIK)」と言えるでしょう。これに、「エピレーシック」や「有水晶体眼内レンズ」などの方法を個々の症例に合わせて行う事で、今まで以上の適応の拡大と安全性の向上が得られるのです。

 これから手術を希望される方は勿論のこと、今までに適応外とされた方や、二の足を踏んでいた方も、改めてご相談されてみてはいかがでしょうか。


Text by 吉田眼科病院 岡田 佳典(  「」掲載)

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