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春の健診で視力の結果が悪かったら

眼科2013/04/22

 新学期を迎え、我々眼科医も学校健診のため小・中学校を訪れます。
視力検査を含め、目の病気が疑われれば専門医を受診するようにと、健診の結果用紙を子供たちは学校からもらってきます。
その中で特に注意しなければならないのが小学校一年生の視力検査の結果でしょう。
小学校一年生にとって視力という検査は初めての経験で、やり方も良く理解出来ないかもしれません。
そのため本来の視力より低く出ただけということもあります。

 しかしながらこの年齢で結果が悪い場合、遠視や乱視のお子さんも多く見受けられます。
そして、遠視の場合、弱視(じゃくし)や斜視(しゃし)を伴っている場合があり、この一年生の時期を逃すと後でメガネをかけたとしても視力が回復出来なくなってしまうこともある、目にとってラストチャンスの時期だともいえます。

 簡単にいうと、近視は少なくとも近くを見ている時にはきちんとピントがあった画像が目に入るので弱視になることはありません。
それに対し強い遠視の場合は近くも遠くもピントが合わず、常にぼやけてしまいます。
いつもはっきりしない画像しか見えていないため視機能(ものを見る力)が発達することができなくなります。
そのため放置するとメガネで矯正しても視力が出ない弱視になってしまったり、また、斜視を来すこともあります。

 用紙に斜視と書かれている時もあります。
斜視は片目が正面を見た時に、もう一方の目が他の方向を向いてしまって視線が外れている場合です。
常に視線が外れている場合や、時々外れている場合、また、疲れた時などにちょっとだけ外れる場合など程度はさまざまです。
視力を矯正するだけで治ることもあり、早期に検査・治療が必要な場合もあります。

 健康診断で視力の結果が悪いときには放置せず、必ず専門医の精密検査を受けましょう。


Text by 清水眼科クリニック 清水 信晶( 2013年4月22日 「北海道新聞夕刊」掲載)

緑内障〜早期発見が視界を守る鍵

眼科2013/04/22

緑内障にはいくつかの異なる病型がありますが、すべてに共通しているのは、視神経が障害されることにより視野が欠けていく病気であることです。

失われた視野を回復させる治療法は現在、残念ながらありません。
しかし、眼圧(眼球の固さ)を下げることで視野欠損の拡大を止めることが可能です。

平成12~13年にかけて岐阜県多治見市で、40歳以上の一般市民のうち4,000人を対象に緑内障に関しての大規模な調査検診が行われました。
その結果、5.0%の市民に緑内障がみつかり、さらに、その中のなんと89%の人々が緑内障の治療を受けていない、つまり、緑内障が初めて見つかった市民でした(詳細は、日本緑内障学会ホームページを御覧下さい)。
この調査結果から、他の地域でも同様に、緑内障に罹患していることに気付かずに、治療を受けていない住民が多数いると推測されます。

仮に緑内障と診断されると、薬、レーザー治療、手術のなかから、病状の重症度に応じて適した治療を選択、行うことになりますが、多くの緑内障患者さんは、点眼薬の使用のみで治療が可能です。

眼科では、視力、眼圧、眼底、視野検査などを行い緑内障かどうか診断します。
これらの検査はいずれも痛みや苦痛を伴わない検査ですから是非受けてほしいと思います。
ちなみに、血圧と眼圧に関連はありません。また、眼を使うことで緑内障が悪化することはありません。

さまざまな治療を行っても進行を止められない緑内障がまれにあることも事実ですが、ほとんどの緑内障は治療を継続していくことで視野欠損の進行を止めることが可能なのです。

緑内障は、潜在患者数が多い、欠損視野を回復できない、治療で進行を止めることが可能という点から、早期発見早期治療が大切です。


Text by くどう眼科クリニック 工藤 勝利( 2013年4月号 「函楽」掲載)

加齢黄斑変性(かれいおうはんへんせい)

眼科2013/03/04

 今回は加齢黄斑変性についてお話します。
この病気は平均寿命がのび高齢化社会となるにつれて、よくみられる病気となりました。
病気の基礎には老化に伴う網膜の機能低下があり、これが原因で異常血管が発生し網膜に水がたまります。
網膜はカメラでいえばフィルムに相当するため、水がたまると物がゆがんで見えます(歪視:わいし)。我々眼科医は眼底診察に加えて様々な検査を行い、総合的に判断します。

 病気の進行を抑える治療として、以前からレーザー治療(光線力学療法)が行われていましたが効果が不十分な症例も多く見られました。
ここ数年で抗VEGF薬を用いた新しい治療も加わりました。
また、昨年末からは抗VEGF薬に新しい薬が承認され、選択肢も広がっています。
ですので、歪視がある方は一度眼科を受診されることをお勧めいたします。


Text by 江口眼科病院 北 直史( 2013年3月4日 「みなみ風」掲載)

成人の視力障害原因の第1位は?

眼科2013/02/25

 現在、成人の視力障害の第1位は糖尿病網膜症です。

 糖尿病網膜症は糖尿病に伴う3大合併症の1つで、その程度は様々ですが、場合によっては失明することもあります。
眼の網膜は細い血管で構成されていて、糖尿病により血液中の糖分が増え粘度が高くなると、網膜血管がつまってしまいその結果、網膜に血液が循環されなくなります。
これが原因となって網膜に出血や浮腫を起こしたり、硝子体に出血を起こし、視力が低下すると考えられています。

 糖尿病網膜症にならないための一番の予防は血糖のコントロールです。
糖尿病網膜症の進行スピードは人それぞれ異なりますが、血糖のコントロールが悪ければ悪いほど、悪い期間が長ければ長いほど、糖尿病網膜症は早く進行することが知られています。
また、高血圧や高脂血症も糖尿病網膜症の進行の危険因子であることが知られています。
これらを改善するためには内科へ定期通院し、全身管理を継続的に行うことが大事と考えられています。
我々、眼科医は採血データの中でHbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)を指標にして、網膜症の進行を予想しています。
眼科と内科の連携には糖尿病手帳というものがあり、HbA1cも記載されますので、是非利用してください。

 糖尿病網膜症は初期には自覚症状に乏しく、視力の低下など自覚症状が出てきた時には病気がかなり進行していることがあり、場合によっては視力の回復が難しいことがあります。
しかし、早期から眼科を定期的に受診し眼底検査をしていれば、必要な時点でレーザー治療を行え、病気の進行をある程度予防することが可能です。
糖尿病になったら、たとえ自覚症状がなくても、定期的に眼科を受診してください。
また、血糖のコントロールが落ち着いていても、糖尿病網膜症は数十年してから発症することもありますので、最近通院されていない方もこれを期に一度眼科を受診されてはいかがでしょうか。


Text by 江口眼科病院 杉本 哲理( 2013年2月25日 「北海道新聞夕刊」掲載)

目の検診を受けましょう!

眼科2013/01/25

 眼科を受診すると、視力検査により近視、遠視、乱視、老視などがわかります。
皆さんは視力が悪いというのは、メガネなしの視力(らがん視力)が悪いことと思っているかもしれませんが、メガネやコンタクトレンズで視力(矯正視力)が良ければ視力は良いと言えるのです。

 矯正視力が悪い場合には、何か他に目の病気がないのか、別の検査に進む手がかりになります。
視力検査は白内障をはじめ、色々な疾患の進行度合いを評価するのにとても重要な診断材料のひとつです。
矯正視力が悪化していれば、必要な検査を色々加えて総合的に診断をします。
「目が痒い」などの主訴で受診した方が、視力検査で他の病気が発見されることはよくあることです。

 子供の場合6〜8歳くらいまでに視力の発達が完成するので、それ以前に是非一度視力検査を受けることをおすすめします。
視力検査は3〜4歳くらいから可能になります。
幼児には絵の指標なども使って測る事もできます。

 また、成人も白内障、緑内障、糖尿病網膜症、加齢黄斑変性などは、「視力検査、眼圧検査、眼底検査」の基本検査の他に、視野検査や他の検査の組み合わせで発見できます。
早期発見により早期治療ができれば、急激な視力低下を防げることが多いのです。

 ふつうに見えることは当たり前のようですが、日常生活を安全・快適に過ごす上でとても大事なことです。

 眼科の基本の検査はひとつも痛い検査はありませんので、小児から高齢者まで受けることができます。
目の病気がなくても、年に1〜2回検診を受けるつもりでお気軽に眼科を受診して下さい。


Text by 藤岡眼科 藤岡聖子( 2013年1月15日 「青いぽすと」掲載)

コンタクトレンズでも眼鏡は必要

眼科2013/01/21

 この言葉を聴いて、眼鏡の煩わしさから解放されたのになぜ? と思うかも知れません。

 コンタクトレンズ(CL)は“外見の良さ、視野が広い、スポーツ時に安全”など眼鏡より優れている点がありますが、正しい扱い方をしていないと目のトラブルにつながります。

 “決められた装用時間やきちんとしたレンズケア”これらを怠ると目への負担となり、充血や角膜(黒目)へ傷をつけてしまう原因になります。

 CL装用していると角膜に傷がついても痛みを感じづらく、重篤な状態になってから眼科受診する場合が多々あります。
ただしこれらは定期的な眼科受診で早期発見できます。

 目に傷やトラブルがある場合CL装用はできないので、代わりに眼鏡が必要となります。
快適なCLライフを送るために、定期的な眼科受診と“備え”としての眼鏡は不可欠だといえます。


Text by くどう眼科クリニック 釜石 清隆( 2013年1月21日 「みなみ風」掲載)

緑内障について

眼科2012/12/10

 緑内障とは徐々に視野欠損の進行が見られる病気です。

 近年の中途失明の代表的な原因ですが、早期に治療を開始すれば重症になることを防げる可能性のある病気でもあります。
初期には自覚症状がほとんどなく、診断のためには眼科にて検査をうける必要があります。

 緑内障の検査は眼底検査、眼圧検査、視野検査などが代表的なものでしたが、最近はこれに加えて光干渉断層計という眼底画像解析装置が導入されています。
2000年ころから臨床にて使用が開始され、早期診断に非常に有用と、これまでも多く報告されています。

 また、緑内障の有病率は40歳以上では5%とも報告されていますが、そのうちの20%程度しか治療がされていないとも報告され、多くの緑内障患者が適切な治療を受けていないと考えられています。
ぜひ一度、緑内障の色々な検査をうけてみましょう。


Text by 江口眼科病院 高木 誠二( 2012年12月10日 「みなみ風」掲載)

涙道(るいどう)内視鏡を用いた流涙症(りゅうるいしょう)治療

眼科2012/11/26

 「悲しくもないのに涙が出て止まらない」「いつもハンカチで涙をふかなければいけない」こんな悩みをもっている方けっこういらっしゃいますよね! この様な症状は涙道(涙の排出路)がつまってしまっている可能性が高いのです。
いわゆる涙道閉塞という病気です。

 人間の眼の内側には涙点という涙の流れる口が上下に2箇所あります。
涙はここから2本の管を通り涙嚢(るいのう)という袋に入り、鼻の奥へと流れて行くのですが、このどこかに閉塞している場所があると鼻の方に流れて行かなくなり眼の外にこぼれ出るため、常に泣いているように涙があふれてくるのです。

 涙道閉塞の治療は目薬では直す事が出来ず、今までは「ブジー」と呼ばれる先の丸い金属棒を使って閉塞部を突き再開通させ、チューブを挿入し治療していました。

 この方法で治らないケースの場合には鼻の骨を削って小さな穴をあけて、鼻の粘膜と涙嚢の粘膜をつなぐ手術を行うという方法も行われていました。

 近年、『涙道内視鏡』を用いた新しい流涙症の治療が行われるようになりました。
この治療は、涙点から挿入した小さなカメラで涙道の内腔を直接観察しながら、つまっている部分を開放し、柔らかいチューブを挿入し留置しておく方法です。
麻酔は涙点から麻酔液を注入し、鼻の中にも麻酔液を浸した綿を詰めます。
手術後は2週間に1回洗浄の為に通院が必要で、留置したチューブは約2ケ月後に抜去します。
この治療が普及してきたお蔭で、骨を削ったり、顔の皮膚を切ったりすることなくなりました。

 涙が多いというのは毎日が不快なものです。
「治療しなくても我慢すればすむ事」とあきらめてしまう前に『涙道内視鏡』による治療という方法もあります。


Text by 吉田眼科病院 佐藤 浩介( 2012年11月26日 「北海道新聞夕刊」掲載)

その症状、白内障かも!!

眼科2012/11/05

 人間の目はカメラに似ていて、レンズにあたるのが水晶体です。
水晶体は加齢とともに濁ってきて、それが『老人性白内障』です。
50歳を過ぎると5人に1人くらい、80歳ではほぼ全員が白内障になります。
以下のいずれかの症状がある時は、白内障の可能性があります。

①遠くも近くも、かすんで見える

②明るい所でギラギラしたり、物が見づらい

③今まで老眼鏡が必要だったのに、急に近くが見やすくなる

④物がだぶって見える

 最近はアトピー性皮膚炎や糖尿病との合併による50歳以下の若い年齢での白内障も増えてきています。
白内障は、進行を遅くする点眼薬がありますが、この点眼で水晶体の濁りをなくすことはできません。
あくまでも進行を少しゆっくりするだけなので、いずれは手術で濁った水晶体を取り除き、かわりに人工水晶体を入れることになります。
濁っている部分や程度は個人差があります。
ひとりひとり手術するべき時期は違うので、眼科医とよく相談して治療方法のアドバイスを受けて下さい。


Text by 藤岡眼科 藤岡聖子( 2012年11月5日 「みなみ風」掲載)

ドライアイ

眼科2012/10/31

 まばたきをしないで10秒間、目をあけていられますか?
できなければドライアイかもしれません。

 目の表面はいつも涙でおおわれていなければなりません。
なぜなら涙はただの水ではなく、目に必要な栄養や、外界の雑菌をやっつける成分を含んでいて、目にとって大変重要な役割を果たしているからです。
ドライアイとは、この大切な涙の産生が不足して、または、涙に含まれる成分が変化することにより眼表面での分布が不安定になり、どんどん蒸発した結果、目の表面がただれている状態のことをいいます。

【ドライアイの原因】
 年齢を重ねると涙を作りだす涙腺の機能が低下し、分泌量が減少することがあります。
また、涙の成分構成が変化して蒸発が速まる場合があります。
現代はドライアイになりやすい環境がそろっています。
集中してPCやゲーム機のモニターを見ることでまばたきの頻度が低下します。
今年は例年に無い残暑でしたが、職場や車のなかではエアコンが効いていて、体は快適でも目には過酷な環境となっています。
血圧を下げる薬や、精神疾患薬のなかには涙の分泌を減少させるものがあります。
目薬にも目の表面をただれさせるものがあり、特に緑内障の薬を使用している場合は定期的な観察が必要です。
 膠原病や関節リウマチなどの全身疾患ではドライアイを併発することがあります。

【ドライアイの治療】
 人工涙液とよばれる涙の成分に近い点眼薬や、目の表面を保護するヒアルロン酸ナトリウム点眼薬がよく使われます。
また最近、眼表面での涙液の安定性を高める点眼薬も使われ始めました。
 涙点プラグ挿入術は、涙が鼻の奥に流れ出ていかないよう、涙の排水口にふたをする治療法です。
少ない涙液分泌量でも貯留量を増やすことができ、ドライアイの状態を改善させることができます。
点眼薬は作用が強い弱いではなく、どれが最も効果的かということが一番重要です。
我々眼科医は、一度の処方ですぐに決めるのではなく、眼所見の変化をみながら薬を取捨選択し、決定していきます。


Text by くどう眼科クリニック 工藤 勝利( 2012年11月号 「ダテパー Dr. Dr.プリーズ」掲載)

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