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病気の予防、検査と薬

脳神経外科2008/08/13

 「雨やんで傘忘れる」とか「喉元過ぎて熱さ忘れる」などと言いますが、多くの人は、痛みなどの症状がある間は真面目に病院へ通いますし、薬もキチンと飲みます。しかし、一旦症状が消えると、病院にいくのは面倒ですし、服薬もさぼりがちになります。また、実際に病気した人なら「二度と、ああいう思いはしたくない」と考えるでしょうが、健康診断で異常を指摘された程度では、なかなか治療する気にはなれないでしょう。

 高血圧患者さんから、「肩も凝らないし、頭も病まない。めまいもない。何ともないのに、薬は飲まなきゃダメかい?」「検査は要らない」などと言われます。なるほど、痛くも痒くもないのに薬を飲み続けるのは大変です。経済的にも負担がかかります。でも、困ったことに生活習慣病のほとんど(全てと言ってもいいかもしれません)は、自覚症状がありません。特に脳卒中は、症状が出たときには手遅れです。だから、「隠れてる」病巣(いわゆる“隠れ脳梗塞”など)を見つける努力をするのです。

 何とも無いのに健康維持の努力をする動機付け、自らにやる気を引き出すためにお勧めするのが、定期的な健康診断や各種の検査です。MRIなどの目に見える形にする検査や、血液検査など結果を「数値」であらわす検査などをすると目標が出来るので、治療を継続する意欲、意志が持てるようになります。

 病気の予防には、薬に頼らず生活習慣を改善することが理想的ですが、長年の生活習慣はなかなか変えられません。また、生活習慣改善の効果が出るまで時間がかかります。病気の不安を少しでも早く軽くしたいとか、病気予防を急ぐ場合には薬の手助けが必要なこともあります。こう言うと「薬には副作用が…。」と心配される方も少なくないでしょう。確かに、どんな薬にも副作用はあります。昔から「毒にも、薬にもならない」などと言いますが、実は毒にならないものは、薬にはならないというのが正しいと考えます。逆に、副作用の心配もあるから、定期的に検査をする意味もあるのです。


Text by 函館西部脳神経クリニック 小保内 主税(  「」掲載)

血圧管理が基本

脳神経外科2008/08/13

 病院を受診した時、ほとんど必ず血圧測定を受けると思いますが、この血圧の重要性がまだ十分に理解していただけていないようです。

 血圧が高くても自覚症状がないせいでしょうか、薬を自己判断で中止する方をよく見かけます。

 血管がつまらないように「血液をサラサラにする」薬を飲んでも、血圧が高いままでは、逆に脳出血の危険が高まります。糖尿病で血糖に気を配っていても、高血圧があれば糖尿病による眼や腎臓の合併症の危険は低下しません。

 また、血圧の薬は「一度飲んだら、止められない」という誤解をしている方も多いようです。

 塩分摂取量を減らし、日常生活に運動を取り入れるなど生活習慣を改善することで、血圧が下がれば薬は止められます。

 脳梗塞(こうそく)、心筋梗塞など生活習慣病の予防に、高血圧の治療は非常に大事なのです。


Text by 函館西部脳神経クリニック 小保内 主税(  「」掲載)

脳の健康度チェック

脳神経外科2008/08/13

 要介護状態の最も大きな原因は脳血管障害や認知症であり、脳の健康は極めて重要です。定期的な脳の健康度チェックが望まれますが、脳ドックは健康保険が利かない自費診療で、学会の指針に従った検査を全て行うと高価になります。また、病気の保険診療でも医療費削減が叫ばれる昨今、むやみにMRI検査などを行うことには批判があります。では、どんな人が検査を受けたら良いのでしょうか?

 ときに「隠れ脳梗塞(こうそく)」と呼ばれたりする小さな脳梗塞(ラクナ梗塞といいます)の発症・増悪には高血圧が強く影響すると考えられていますが、このラクナ梗塞が認知機能低下の危険を高くすると言われています。実際、高齢男性で血圧正常の人に比べて、高血圧が十分コントロールされていない人では認知機能の低下が確認されています。他に糖尿病と認知機能の低下の相関も示唆されており、このような生活習慣病を持った人たちには脳の健康度チェックが必要でしょう。

 また、色々な病気に遺伝が関与していますが、脳動脈瘤(のうどうみゃくりゅう)も家族性のある病気のひとつです。血縁者にある種の病気があることを「家族歴がある」といいますが、脳動脈瘤の家族歴が二人以上ある場合、家族歴がない人と比べると脳動脈瘤を持っている可能性は五倍になるという報告があります。ごく最近の『国際脳卒中会議二〇〇七』で、脳動脈瘤を持っている人の一〇%に、同じく動脈瘤を持っている一親等の親族がおり、脳動脈瘤を遺伝により受け継ぐと前の世代よりも破裂が早くに見られるという発表がありました。例えば、親の世代でクモ膜下出血が五十歳で生じた場合、子の世代では三十五歳頃からクモ膜下出血が見られたといいます。このことから家族歴がある場合、若い世代から脳動脈瘤の有無を検査するよう勧められています。

 全ての人が定期的に検査するのが理想的かもしれませんが、社会全体としての効率を考えるとリスクのある人を優先するべきでしょう。ここに挙げたようなことに思い当たる人は、かかりつけの医師に相談してみましょう。


Text by 函館西部脳神経クリニック 小保内 主税(  「」掲載)

頭痛を見直す

脳神経外科2008/08/13

 日本では、片頭痛よりも肩こりなどによる緊張型頭痛が多いと言われていましたが、実は片頭痛で悩んでいる方が大勢いることが分かってきました。

 日本社会では「頭痛ぐらい我慢しなさい」という雰囲気が強いのですが、我慢しすぎるとかえって鎮痛剤が効かなくなることもあります。早く的確な診断と適切な治療を行うことが大事です。有効な薬も開発されています。

 診断には、腫瘍(しゅよう)や脳卒中などの病気がないことを確認しなければなりません。そのためには頭痛に詳しい医師の診察と検査を受けることが大事です。

 片頭痛は、小さなお子さんにもあります。その場合、お母さんにも片頭痛があることが多いようです。

 お子さんが頭痛を訴えるとき、我慢を強いていませんか?

 お母さんご自身も頭痛で悩んでいませんか?

 もう一度見直してみましょう。


Text by 函館西部脳神経クリニック 小保内 主税(  「」掲載)

脳梗塞(のうこうそく)予防に禁煙を

脳神経外科2008/08/13

 今年、法律の改定で、禁煙が保険診療の対象となりました。何故、今、「禁煙」なのでしょうか?

 脳梗塞と喫煙の関係から考えてみます。

 欧米では、喫煙により脳梗塞の危険が二倍以上に増えると言われています。日本の研究では、脳梗塞をラクナ梗塞(小さな梗塞のことで、無症状の場合に“隠れ脳梗塞”とテレビでは呼んでいるようです)、アテローム血栓性梗塞(主に太い動脈にコレステロールが溜まって発生します)、心原性塞栓症(しんげんせいそくせんしょう―不整脈などの心臓病が原因の脳梗塞)の三つのタイプ別に発症率を調べたところ、ラクナ梗塞でのみリスクの上昇が明らかでした。

 喫煙は動脈硬化を進行させ、血液粘度も上昇させる(いわゆる、“血がドロドロになる”)ために、脳梗塞を生じやすくすると考えられています。細い血管が詰まって生じるラクナ梗塞との関係が深いことから、喫煙によるリスクの上昇は血液粘度の上昇などの影響が大きいと考えられています。

 ところが、血液粘度は禁煙により改善することが可能なのです。

 欧米の研究によると、脳卒中のリスクは禁煙後二年以内に急速に低下し、五年以内に非喫煙者と同じレベルになるといわれています。最近、コレステロールなどによる動脈硬化は、薬を長期に服用することで、ある程度改善するといわれていますが、禁煙は薬の要らない、即効性のある脳梗塞の予防手段なのです。

 医療費を削減したい政府にとって、格好の方法だということがお分かりでしょう。禁煙は政府にだけ都合がいいのではありません。愛煙家にとっても、お金がかからず(むしろ日々のタバコ代が浮きます)、健康になれる絶好の方法なのです。

 昔、喫煙を注意された高校生の父親が、呼び出した教師がタバコを吸うのを見て、「いい大人がタバコを吸うなんて○○じゃないの。タバコなんてものは、子供がいたずらするもので、大人になったら止めるものだ」と言うコントがありました。

 皆さんはどう思いますか?
(○に当てはまる文字はご自分でお考え下さい)


Text by 函館西部脳神経クリニック 小保内 主税(  「」掲載)

認知症にもいろいろあります

脳神経外科2008/08/13

 認知症(にんちしょう)というと、アルツハイマー病を思い浮かべる方が多いと思いますが、これに負けず劣らず多いのが、脳血管性の認知症(血管性痴呆)です。

 アルツハイマー型認知症に、いわゆる生活習慣病の一面があることは知られていますが、血管性痴呆はまさしく生活習慣病ですから、逆に生活習慣の改善がその予防にとても有効です。

 さらにその名の通り「血管の病気」ですから、脳だけでなく全身の病気の一部なのです。そのため、単に認知症状をきたすだけではなく、心臓病など生命に対する危険が迫っていることも示しています。

 血管性痴呆の有無はMRIなどの画像検査でふるいに掛けられますが、検査で血管性痴呆の疑いが持たれたとき、認知症状ばかりを気にするのではなく、生活習慣全体を振り返ってみましょう。


Text by 函館西部脳神経クリニック 小保内 主税(  「」掲載)

脳疾患について

脳神経外科2008/08/13

 頭痛を訴えられる方が多い現状であります。確かに日常診察ではもっとも多い疾患の1つにあげられています。頭痛を専門とした「頭痛クリニック」を開いている施設もある程です。頭痛の中には、脳の疾患からくる頭痛もあってそれを心配して来院される方が多いと思います。脳腫瘍や脳梗塞などの前兆である場合もあるからです。しかし、危険が少ない頭痛の方が圧倒的に頻度は多いといえます。そういった見極めをするだけでも、本当の安心が得られると思います。頭痛の誘因としては、環境の変化、疲労、睡眠不足、肩こりなどがあげられます。それらの誘因を1つ1つ解決してゆくことが頭痛の解消につながるはずです。脳の状態、頚椎の状態、眼精疲労の有無、副鼻腔炎などのチェックが大事です。

 現在、脳疾患については診療科の混同があるのも事実です。しびれ、めまい、頭痛、筋力低下などの症状が出現したらどこにどうかかればよいのか。急を要する場合もあるし、そうでないこともあります。主治医の先生がおられる場合には、主治医の先生に相談されるのがよいと思いますが、心配な時には専門的な判断と画像診断が必要です。そういった意味で、気軽に受診できて何かの時にも対応が可能であるという施設をめざしています。クリニックというと「入院施設がないからよもやの時には心配である」という声も多いですが、救急の専門的治療と予防的治療の棲み分けができれば結果的にはメリッ トは大きいと考えています。中核病院との連携を進めながら当施設では、最新の診断機器を備え、スタッフも救急から慢性期までを経験したキャリアを有しています。予防面側面の脳ドックおよび生活指導、脳疾患が見つかった場合の適切な治療選択の提示、セカンドオピニオンに対応できる情報収集、各施設との相互交流を通した連続的な治療を理想としています。


Text by 脳神経セントラルクリニック 松浦 隆幸(  「」掲載)

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