耳鼻いんこう科で診てもらえるの?
風邪も耳鼻いんこう科で診てもらえるのですか?
と患者さんに言われることがよくあります。
風邪で耳鼻いんこう科を受診するというイメージがないことは残念です。
そもそも風邪とは、鼻やのどから侵入したウイルスや細菌により鼻やのどが炎症を起こした急性上気道炎の総称ですので、鼻やのどを診る耳鼻いんこう科が最も得意とする病気と言えます。
鼻、のど、気管の状態を詳しく直接観察して風邪の状態を的確に把握し、必要な処置(鼻処置、咽頭処置、吸入など)や最も有効な投薬を行いますので、効率的な治療が可能です。
もちろん熱が出ている場合も対応できます。
特に小児の場合は風邪の初期診療を誤ると中耳炎や副鼻腔炎(いわゆる蓄膿症)になることがありますので、風邪の治療は重要と言えます。
風邪かなと思ったら耳鼻いんこう科の受診も考えてみてはいかがですか?
小児の長引く鼻水、咳 〜診断、治療のポイント〜
風邪という診断で服薬しているもかかわらず数周間も鼻水、咳が止まらないと訴えて来院されるお子さんが少なからずいらっしゃいます。
中には中耳炎も起こしているお子さんや咳が続くというだけで気管支喘息と診断され漫然と投薬されているお子さんもいらっしゃいます。
そうしたお子さんでは多くの場合、膿性あるいは粘調性鼻漏や後鼻漏が認められ、副鼻腔炎になってしまっている場合も少なくありません。
では、なぜ鼻水、咳が止まらないのでしょう? そもそも鼻水や咳は侵入した病原体(細菌やウイルスなど)や異物を洗い流したり吹き飛ばしたりして排除しようとする体の大切な防御反応です。
つまり体から病原体や異物が排除されない限り止まらないわけです。
従って鼻水、咳を止めるためにはいかに除菌をうまく図るかが治療のポイントになります。
また、風邪の症状は1週間から10日程度で治まるのが普通ですのでそれ以上長引いた場合は何らかの慢性的な状態になっていると考えて診断、治療を行うことが必要です。
鼻炎、副鼻腔炎、中耳炎を引き起こす病原菌は
①インフルエンザ菌
②肺炎球菌
③ブランハメラ・カタラーリス
があり、これらを三大起炎菌と言います。
これらの細菌を除菌することがポイントですが近年、抗生物質が効きにくい耐性菌が増加していますので有効な抗生物質を選択し新たな耐性菌を増やさない為にも用量用法を工夫する必要があります。
中途半端な抗生物質の使用は効果がないばかりではなく新たな耐性菌を生む原因となります。
最近では抗生物質の特性にあった用法で高用量を使用し確実に除菌を図ることが推奨されています。
誤った用法で使用すると同じ1日量を服用したとしても効果が低下しますので用法は変えないことが大切です。
抗生物質の使用を嫌う風潮もありますが適時に適切な選択、使用をすることで最大の効果を発揮し副作用も軽減できます。
病原菌を把握し抗生物質を使うべき時に思い切って使うことが重要です。
メマイはこわくない
めまいは感覚的には怖い症状ですが発症パターンを理解して冷静に対処しましょう。
まず、耳の病気によるめまいの代表的な発症パターンは次の3つです。
- 頭を動かしたときのみグルグルしためまいが数秒から数分続くが頭を繰り返して動かす度にめまいは軽くなっていく。
- グルグルしためまいがして同時に聴力低下や耳鳴りが起こる。めまいがおさまると聴力低下や耳鳴りもおさまる。
- グルグルした激しいめまいが1日中続き、1週間おさまらない。
1は良性発作性頭位めまい症
2は有名なメニエール病
3は前庭神経炎という病気です。この3つの病気は耳のめまいで最も多いものです。
一般的に耳の病気によるめまいは眼振という眼が勝手に動く現象が起こりますのでグルグルした激しい回転性のめまいが起こり、嘔吐を伴ったりします。
しかし意識は悪くなりません。
従って激しいめまいや吐き気、嘔吐があっても受け答えの出来る方は脳に障害を起こしている可能性は低いですので慌てる必要はありません。
めまいで受診される高齢者のエピソードとして多いものは「夜中にトイレに起きたら(あるいは起床時に)急にグルグルしためまいがして動けなくなったので救急病院に行って点滴を受けた。
点滴が終わる頃にはめまいはおさまった。
今、めまいはない」このパターンは一時的な脳血流不全のことが多く、内耳の血流は脳血流の一部ですから脳血流が低下すると内耳の血流も低下しますのでグルグルしためまいがします。
高血圧や糖尿病など動脈硬化を進行させやすい疾患をお持ちの方に多いパターンです。
脳の病気ではフワフワ、ふらふらした浮動性のめまいやグルグルした回転性のめまいに加えて眼前が真っ暗になる、意識が悪くなる、手足のしびれがある、呂律(ろれつ)がまわらないなどの症状を伴います。
このようなめまいは脳神経外科の受診をお勧めします。
判断がつかなければ近くの耳鼻咽喉科を受診してみてください。
ノドの違和感~逆流性食道炎
ノドの違和感はアレルギー性鼻炎、副鼻腔炎、咽頭喉頭炎、感冒などの鼻、ノドの炎症性疾患、咽頭がん、喉頭がんなどの腫瘍性疾患、バセドー病や橋本病などの甲状腺疾患など様々な疾患で起こりますが、具体的な疾患が見当たらず症状のみがある患者さんもいらっしゃって耳鼻咽喉科医泣かせの症状でもあります。
そんな中、最近注目されているのが逆流性食道炎です。
胸焼けや食道病変を伴うのが普通ですがそれらの症状、病変を伴わない例もあります。
咽頭、喉頭などの粘膜は酸に弱く炎症を起こしやすいと言われておりノドの違和感を訴える患者さんに逆流性食道炎が認められ、咽頭や喉頭粘膜に炎症性変化が確認されたことで注目されるようになりました。
鼻やノドに疾患が見当たらずノドの違和感がある場合は逆流性食道炎を疑ってみることも必要と思います。
抗生物質~正しく飲んでいますか?
耳鼻咽喉科には中耳炎、風邪、急性鼻炎、副鼻腔炎、咽喉頭炎、気管支炎などの多くの感染症の患者さんがいらっしゃいます。
ほとんどが細菌感染ですので抗生物質を処方することが必要になります。
病状によって原因菌を推定し有効と思われる抗生物質を処方しますが抗生物質にも作用の面で特徴があります。 その特徴は大きく次の2つに分かれます。
例えば①の特徴のあるものは1日量を一度に服用した方が有効ですが1日量を分けて服用してしまうと抗生物質の血中濃度が十分に上がらず同じ1日量を服用しても効かないことになります。
従って、効果を十分に発揮するためには指定された服用回数は変えないことが大切です。
蓄膿(ちくのう)症は治りにくいと聞きました。本当なのでしょうか?
専門医による正しい治療により約1カ月で治ります。
10日以内に鼻汁を止めることで予防も可能に 蓄膿症は、一般的に難治性の病気だと思われがちですが、正しい殺菌・除菌処置と、専門医の処方する薬を継続して飲むことで、ほぼ1カ月くらいで治ります。
具体的には、最初に除菌のために殺菌性の抗生物質を1週間使用し、その後、マクロライド系の抗生物質を少量・長期投与を行うのが蓄膿症治療のスタンダードです。 よく小さな子どもで蓄膿症ではないかと心配される親御さんがいますが、そもそも副鼻腔は骨格が固まる2歳後半から出来るものなので、それ以前の子どもでは副鼻腔炎、いわゆる蓄膿症はまずありえません。
そのため鼻汁が続くなど、蓄膿症が疑われるような症状については、単純に鼻の構造が小さくて詰まりやすい、また自分で鼻汁をかまないために長引いているだけで、まず心配はありません。 一般的に蓄膿症とは、副鼻腔炎のことで、基本的に鼻の中の空洞部分である副鼻腔といわれる交通路が構造的に小さかったり、狭くなった状態に、いわゆる鼻汁が続くことで換気が悪くなって炎症を起こしてしまい発症する症状をいいます。
基本的には長く続く鼻汁を、遅くても10日以内で止め、蓄膿症へと移行しないように処置することが重要です。
基本的な治療は小児も大人も同じで、抗生物質を使ったスタンダードの治療で、症状によっては2、3カ月投与する場合もあります。
ただし、それでも治らない場合、特に大人では手術療法を考えます。小児で手術に至るケースはほぼありません。 手術は、従来、歯茎を切開して空洞を開けて中の悪いものを粘膜から根こそぎ取ってしまう方法が行われましたが、現在は基本的な考え方が変わり、内視鏡を使った鼻内手術によって、蓄膿症の原因となる副鼻腔という鼻の交通が狭い状態から通りの良い状態に広げる、いわゆる形成手術を行っています。
それによって、その後、薬を使って治癒を促すためのきっかけを作ることが蓄膿症手術の目的となっています。
手術は両鼻でも、全身麻酔下で2時間くらい。
1週間程度の入院は必要ですが、術後の負担や痛みも少なく、その日から普通に食事もできます。 蓄膿症は、鼻の真ん中にある鼻中隔という仕切りが曲がっている人でなりやすく日本人には多いといわれています。
また鼻の状態を悪くする慢性的な病気としてアレルギー性鼻炎や喘息のある方も注意が必要です。
まずは蓄膿症を予防するためにも、風邪の初期治療は大切で、耳鼻科の立場からは10日以内に鼻汁を止めることが第一となりますので、気になる場合には、早めの受診をお勧めします。
長引く鼻水、咳(せき)〜『本当に風邪ですか?』
風邪を引いて2〜3週間、風邪薬を飲んでも鼻水や咳が治らないと来院されるお子さんや大人の方が多くいらっしゃいます。一般的に風邪とは鼻やのどの炎症である急性上気道炎の総称で1週間から10日くらいで治ってしまうのが普通です。
2〜3週間も症状が続くことはまずありません。10日以上鼻水、咳が続く場合は副鼻腔炎やアレルギー性鼻炎などを考える必要があります。
副鼻腔炎では鼻水がノドに下がり炎症が続くことで咳がでます。
副鼻腔炎の診断にはX線写真を撮ることが必要です。
1ケ月程度の服薬でほとんどの場合完治します。
アレルギーは粘膜の上で起こります。
アレルギー性鼻炎の場合はノドの粘膜でアレルギー反応が起こることで咳が出ます。
アレルギー性鼻炎の診断ではまず鼻汁好酸球検査を行いアレルギー反応の有無を確認し、血液検査でアレルギー反応を確認して確定診断に至ります。
服薬でアレルギーを抑え症状を緩和します。
私の好きな店〜パート1
基本的に一人で食べたり飲んだりするのが好きで、話し相手はお店のご主人かな。
あくまで私のフィーリングで選んでおりますのでご容赦願いますが、それぞれ素晴らしいお店です。
何故かは行けば判ると思います。◆寿司
「清寿司」
いろんな店を食べ歩いたけどここです。
常連さんもみんな良い人たちで楽しい店です。
◆ラーメン
「あじたか」
浜田省吾を聴きながらスーラータンメン。函館は塩!
とても楽しいアットホームな感じが好きです。
マスターもママも浜田省吾の大ファンで、店内によく歌が流れています。「てっちゃん」
当院から近い。塩400円。ファイターズのファンで、いつも情報交換しています。
◆居酒屋
「きりんじ」
上の国産豚肉使用。オムライスもあります。とにかく材料があれば何でも調理してくれます。
お兄さんが養豚農場経営、産地直入ですので安価で美味しいです。
◆焼肉
「万代や」
生ラムジンギスカンのお店。安くておいしい店です。
特製のたれは絶品です。
浜省大好きマスターと奥さんで、明朗会計。
◆ライヴハウス
「チャップリン」
古い付き合いです。マスターのオリジナル曲もいっぱいあり、リクエストしてみてください。
HP:http://www.chap-lin.com/「ファニーズ」
ロックンローラーの集まる店。みんなでノリノリギター弾いてブルース・キャロル・矢沢などをやってます。「B♭」
私の遠い親戚ですフォークソング中心のお店です。陽水・千春・拓郎・浜省など弾き語りしております。
日頃からの耳掃除の必要性
当たり前のことですが、耳あかが詰まっていると鼓膜の所見がとれません。
鼓膜が赤くなっていたりはれたりしていれば急性中耳炎と診断されます。
これは耳痛と発熱の原因で、多くの場合小児に見られるごく一般的な疾患です。 耳あかが詰まっていれば、診断をつけるためにまずそれを除去することから始めなければいけません。
小児の中耳炎は夜間に多く、よく眠れず、不機嫌なぐずついた状態で翌日受診する場合がほとんどです。
子供も非協力的で、おまけにおびえていますので、暴れるわ泣きわめくわでなかなか耳あかを取らせてくれません。
看護師さんに押さえつけられながら四苦八苦しての操作になります。 鼓膜の所見をとるためには何としても耳あかを取らなければならないので大仕事です。
診察室は断末魔の戦場と化してしまいます。
抱っこしているお母さんも汗だくになり、泣きだす方もおられます。
日ごろから耳掃除をしていてさえくれれば簡単に診断がつきますから、こんな苦労はしなくて済むのです。 日ごろ家庭でできる耳掃除のポイントは前にお話しましたが、できることならば定期的に(2~3カ月に1回)耳鼻科で耳の穴を見てもらうようにしておきましょう。
耳症状のない時であれば子供も協力的に診察を受けてくれますし、日ごろから耳鼻科に来院して、痛いことをされないんだという意識を持たせておくことになります。
簡単な処置で清潔にしておくこともでき、耳の病気の予防早期発見にも役立つでしょう。 耳痛は突然、あっという間に起きてしまいます。
耳痛イコール急性中耳炎とは限りません。
しつこいようですが、鼓膜所見をとらずして急性中耳炎と診断することは感心できません。
痛ければ鎮静剤を処方すればいい、という安易な考えは後日、反復中耳炎や難聴を引き起こす危険性をはらんでいますので、かならず耳鼻科専門医を受診してください。
また、子供の風邪の初期症状、つまり鼻水が出ていたりのどが痛かったりしたならば、まず最初に耳鼻科を受診するようにしてください。
ぜん息や肺炎などは耳鼻科ではお手上げですので小児科内科を紹介します。 さて、話を元に戻しますが、日ごろから耳掃除をしていれば、いざという時スピーディーに耳の病気の診断が可能であり、お互い気まずい思いをしなくて済むことになるのです。
耳あか掃除のポイント
耳鼻科医が耳あかを取る方法には鉗子(かんし)でつまんで取り出す、吸引する、洗浄する、綿棒でかき出す―の4点が上げられますが、今回は家庭で耳あかをうまく取る方法について話したいと思います。 耳あかをため過ぎると家庭で取ることはかなり困難になります。
まず耳あかをため過ぎないことが一番です。
元来、耳あかは自然に外へ排出されるようになっているのですが、それでも限界があって、どうしてもたまってしまっている場合のお話をします。 まず、金属製や竹製の耳かきは避けた方が良いでしょう。
硬い耳かきはどうしても耳の穴を傷つけることが多く危険です。
綿棒を使うことをお勧めします。
綿棒もできたなら柄の部分がプラスチック製ではなく、紙製のものの方が綿球が取れにくくより好ましいです。
綿の部分が取れてしまうと耳の穴の中の異物となってしまい厄介になります。 綿棒を使用する時のワンポイントは、水道水で良いですから少し水を含ませ湿り気を与えると、乾いた綿棒よりもゴワゴワせず痛くなく、またぬれた部分に細かな耳あかが付着してきて、乾いた耳あかを取る場合などは割と容易に取り除くことができます。 湿った耳あかの場合、少量で耳の穴の周囲にこびりついているものは簡単に取り除くことができますが、耳あかの量が多い場合はかえって奥へ押し込んでしまうことになり、ひどい場合は鼓膜に耳あかが付着してぶつかり耳痛・耳閉感の原因となってしまいます。
このような時は無理をせず耳鼻科で取ってもらうようにしてください。ため過ぎないこと 最初にもお話ししましたが、日ごろから掃除をし、ため過ぎないことです。
また神経質になり過ぎて掃除のし過ぎも禁物です。
毎日ではなく適当な間隔を置き、綿棒を軽くぬらしてソフトタッチで回転させるようにしてふき取る感じで掃除するのがポイントです。 以前耳あか取りグッズと称して外国製のろうそくがマスコミを騒がせました。
当院にも数名犠牲者が来院しましたがひどいものでした。
鼓膜のやけど、耳の穴の中にろうがベッタリ付着して悲惨でした。
皆さん、くれぐれも気を付けて下さい。
あんなもので耳あかが取れるはずはありません。
ちなみに耳鼻科で耳あかを取ると保険で2~300円ですが、あのグッズは1本1,500円だそうです。