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飛蚊症(ひぶんしょう)

眼科2014/05/19

 日常生活で「虫が飛んで見える」、「ゴミが見える」というようなことはありませんか?
これは「飛蚊症(ひぶんしょう)」といわれる症状です。

この「飛蚊症」は大きく分けると、「生理的なもの」と、「病気からくるもの」に分けられます。

 「生理的なもの」では、「後部硝子体剥離(こうぶしょうしたいはくり)」といって目の中に入っている「硝子体」というゼリー状のものが年齢とともに濁ってきたり、縮んだりすることで虫が飛んでいるように見えることがあります。

 「病気からくるもの」では、目の奥の「網膜(もうまく)」に孔(あな)が空いてしまう「網膜裂孔(もうまくれっこう)」や、その網膜がはがれてしまう「網膜剥離(もうまくはくり)」など、レーザー治療や手術が必要なものまでさまざまあります。

 飛蚊症の症状がある場合は自分で判断せずに早めに近くの眼科を受診しましょう。


Text by 江口眼科病院 力石 洋平( 2014年5月19日 「北海道新聞みなみ風」掲載)

色覚異常について

眼科2014/05/12

 先天色覚異常の割合は男子で約20人に1人、女子では約500人に1人といわれております。
日本眼科医会の平成24年の調査によると、色覚異常の中高生の2人に1人が異常に気がつかないまま進学や就職時期を迎え、6人に1人がなんらかのトラブルを経験していました。
小学校では、平成15年度から色覚検査が全員にではなく、希望者にのみ行われるようになっているためです。

 色覚異常があるからといって、決して白黒や灰色の世界を見ているのではありません。
いくつか区別しにくい色の組合せ(たとえば赤と緑)があるというだけですから、通常は運転免許も問題なく持てるし、日常生活でもほとんど困ることはありません。

 5月に入り、学校健診が行われる時期になりました。

 色覚異常の場合は、それを自覚することで色の間違いを減らすことができ、また、トラブルを防ぐことが可能になりますので、学校健診では検査を受けることをおすすめします。


Text by くどう眼科クリニック 工藤 勝利( 2014年5月12日 「北海道新聞みなみ風」掲載)

春の健診で再検査になってしまったら

眼科2014/04/21

 新学期を迎え、我々眼科医も学校健診のため小・中学校を訪れます。
視力検査を含め、目の病気が疑われれば専門医を受診するようにと、健診の結果用紙を子供たちは学校から頂いてきます。
その中で特に注意しなければならないのが小学校一年生の視力検査の結果でしょう。
小学校一年生にとって視力という検査は初めての経験で、やり方も良く理解出来ないかもしれません。
そのため本来の視力より低く出ただけということもあります。

 しかしながらこの年齢で結果が悪い場合、遠視や乱視のお子さんも多く見受けられます。
そして、遠視の場合、弱視(じゃくし)や斜視(しゃし)を伴っている場合があり、この一年生の時期を逃すと後でメガネをかけたとしても視力が回復出来なくなってしまうこともある、目にとってラストチャンスの時期だともいえます。

 簡単にいうと、近視は少なくとも近くを見ている時にはきちんとピントがあった画像が目に入るので弱視になることはありません。それに対し強い 遠視の場合は近くも遠くもピントが合わず、常にぼやけてしまいます。
いつもはっきりしない画像しか見えていないため視機能(ものを見る力)が発達することができなくなります。
そのため放置するとメガネで矯正しても視力が出ない弱視になってしまったり、また、斜視を来すこともあります。

 用紙に斜視と書かれている時もあります。
斜視は片目が正面を見た時に、もう一方の目が他の方向を向いてしまって視線が外れている場合です。
常に視線が外れている場合や、時々外れている場合、また、疲れた時などにちょっとだけ外れる場合など程度はさまざまです。
視力を矯正するだけで治ることもあり、早期に検査・治療が必要な場合もあります。

 健康診断で視力の結果が悪いときには放置せず、必ず専門医の精密検査を受けましょう。


Text by 清水眼科クリニック 清水 信晶( 2014年4月21日 「北海道新聞夕刊」掲載)

アレルギー性結膜炎

眼科2014/03/31

 ヒトの体には、有害な病原体等を排除するしくみがあります。
そのしくみが、花粉やほこりなど体に無害なモノに対してまで過剰に作用してしまう反応をアレルギー反応といいます。

眼科領域でみられるアレルギー性結膜疾患は、アレルギー性結膜炎、アトピー性角結膜炎、春季カタル、巨大乳頭結膜炎の4つに分類されており、その中でアレルギー性結膜炎が最多です。

 アレルギー性結膜炎はさらに、特定の季節だけに症状が出る季節性アレルギー性結膜炎(花粉症など)と、一年中症状のある通年性アレルギー性結膜炎に分類されます。

 アレルギー性結膜炎の代表的な症状は、かゆみ、充血、涙っぽい、ゴロゴロする、白目がぶよぶよして膜がはがれたかのように浮き出てくる(結膜の浮腫)などです。

 アレルギー性結膜炎の症状がでると、まずは抗アレルギー点眼薬が有効ですが、炎症が強い場合にはステロイド点眼剤を併用します。
ステロイド点眼剤には副作用がいくつかありますが、眼科できちんと定期的に経過をみながら使用すれば、過剰に心配する必要はありません。

 点眼薬のほかには、花粉を目に入れないための花粉症用のゴーグルが有効です。
また、目に入ってしまった花粉を洗い流す目的で、人口涙液を点眼するのも良い方法です。

 道南では例年3月下旬からスギ花粉、4月下旬頃からシラカバ花粉が飛び始めます。
北海道立衛生研究所によると今年のシラカバ花粉は例年よりやや多く、昨年にくらべると非常に多いだろうとのことです。

 花粉症の場合、花粉が飛ぶ約2週間前から点眼を始めると、もっとも効果的で症状が軽くなることがわかっていますので、早めに眼科を受診するとよいでしょう。


Text by くどう眼科クリニック 工藤 勝利( 2014年4月号 「ダテパー Dr. Dr.プリーズ」掲載)

黄斑(おうはん)浮腫の診断と治療について

眼科2014/02/24

 黄斑浮腫という病気をご存知でしょうか。
加齢黄斑変性に対するiPS細胞の臨床治験が注目されていますので、黄斑という言葉を知っている方は多いかもしれません。
眼に入ってきた光は網膜の上で像を結びますが、この中心にあるのが黄斑です。
黄斑浮腫はさまざまな疾患により、黄斑に血漿成分がたまり浮腫が起きる病気です。
黄斑浮腫が起きると視力が低下し、かすんだり、まん中が暗く見えたりします。
黄斑浮腫は糖尿病網膜症、網膜静脈閉塞症などの網膜疾患による炎症や虚血によって生じます。

 黄斑浮腫の診断には光干渉断層計(OCT)という検査が最も有用で、これが用いられるまでは、眼底検査や細隙灯検査で診断が行われていました。
OCTは網膜の厚さをマイクロメートル単位で測定し、黄斑の形状を検査する装置です。
網膜が厚くなると黄斑浮腫が進行したことを意味し、網膜の厚さを測定することにより病状の改善や悪化を判断します。
このOCTの普及により黄斑浮腫の診断と治療の評価はより確実になりました。

 黄斑浮腫の治療は網膜レーザー凝固術、その後は硝子体手術が行われてきました。
最近ではステロイド薬の局所投与など薬物治療が行われ、これは炎症を抑えることによって浮腫を改善させます。
また、虚血によって産生される血管内皮増殖因子(VEGF)が網膜の浮腫を引き起こしますこのVEGFを抑える薬を硝子体に注射する抗VEGF薬療法が最も新しく行なわれるようになりました。
抗VEGF薬療法は黄斑浮腫を改善させますが、再発することもあり、高価な薬を繰り返し投与しなければならないこともあります。
黄斑浮腫は原因疾患や症例によって予後はさまざまで、治療を組み合わせたり、繰り返さなければならないこともあります。
今まで治療困難なものも治療可能になってきましたが、さらに有効な治療の確立が望まれます。
症状の気になる方はぜひ眼科を受診してください。


Text by 江口眼科病院 森 文彦( 2014年2月24日 「北海道新聞夕刊」掲載)

冬季は、ドライアイが辛いですね!

眼科2014/02/10

 室内も乾燥しやすい冬季は、ドライアイの症状が出やすい時期です。
ドライアイの症状としては、眼が乾くだけではなく、疲れる・痛い・充血・痙攣・涙が出る・目が開けていられない・などの場合もあります。

 日本では、オフィスワーカーの3人に1人がドライアイといわれており、パソコン作業により年々増加しています。

 対策としては①目を休める、②睡眠不足をなくす、③加湿器などで部屋の湿度を保つ、④コンタクトレンズの人は時間や期限を守り、入れっ放しにしない、⑤濃いアイメイクで涙の油分を分泌する腺(穴)が塞がれないようにする、⑥たばこの煙を避ける、などがあげられます。

 ドライアイがひどくなると、目の表面に傷がついていることがありますから、眼科を受診して、症状に合った点眼を処方してもらいましょう。


Text by 藤岡眼科 藤岡 聖子( Array 「みなみ風」掲載)

10秒間目を開けていられますか

眼科2014/01/31

 2・3回まばたきをした後、10秒間じっと目を開けたままにしてみましょう。
もし、途中でつらくなってまばたきをしてしまった方は、〈ドライアイ=乾き目〉かもしれません。
ドライアイのチェックシートをしてみましょう。

□目が疲れやすい
□ものがかすんで見える
□目がゴロゴロする
□なんとなく目に不快感がある
□目が乾いた感じがする
□光をまぶしく感じやすい
□目が痛い
□目やにが出る
□理由もなく涙が出る
□目がかゆい
□目が重たい感じがする
□目が赤くなりやすい

 5つ以上チェックが付いた方は、ドライアイの可能性が高くなります。

 涙は通常まぶたの中にある涙腺と言うところで作られ、1日に出る涙の量は2~3mlとスプーン1杯程度です。
ドライアイにはこの涙の出る量が減るタイプ<1>と、涙はきちんと出ているのに質が悪くて蒸発しやすいタイプ<2>があります。

 涙の量を計るには、まぶたの縁に検査用の濾紙や糸をつけて吸収される量を計る<シルマーテスト>をしますが、日常分泌される涙の量を量る方法と鼻の粘膜を刺激してどれくらいいっぱい分泌されるかを計る方法もあります。
タイプ<1>の方には涙だけではなく唾液も出ない<ドライマウス>を合併している場合もあり<シェーグレン症候群(しょうこうぐん)>と言います。

 涙の蒸発しやすさを検査するには、検査薬をつけてから目を開けてもらい、涙が蒸発し出すまでの秒数を数える<BUT>検査をして10秒間以内に蒸発し出すかどうかをチェックします。

 治療としては、ヒアルロン酸やコンドロイチン硫酸という様な保湿成分の高い成分の点眼薬、涙の産生を促すムチンという成分の点眼薬を処方します。
テレビやパソコンなど目を使う作業の少し前に点眼するのも効果的です。

 また、こまめにまばたきをして涙の循環を良くするというのも1つの方法です。


Text by 清水眼科クリニック 清水 信晶( 2014年2月号 「ダテパー Dr. Dr.プリーズ」掲載)

糖尿病網膜症(とうにょうびょうもうまくしょう)

眼科2014/01/20

 近年、患者数の増加が著しい病気の一つに糖尿病があります。
糖尿病の合併症の一つ、糖尿病網膜症は、糖尿病が原因で目の中の網膜という組織が障害受け、視力が低下する病気です。
実際には糖尿病を放置している人が少なくなく、毎年多くの人が視力を失い、成人の失明原因として非常に大きな比率を占めています。
ここで注意しなければならないのは、糖尿病網膜症は進行しても視力の低下などの自覚症状がほとんどないということです。
放置していると、ある日突然、目の前が真っ暗になったとあわてて病院に駆け込み、糖尿病網膜症がかなり進行した段階で起きる硝子体出血や網膜剥離と診断され、失明に至ることもあります。
糖尿病と診断されたら、定期的な眼科受診を忘れないでください。

 検査・治療を続けていれば、糖尿病が原因で失明することは、多くの場合防げるのですから。


Text by 江口眼科病院 鈴木 裕太( 2014年1月20日 「みなみ風」掲載)

眼からわかる全身疾患

眼科2013/11/25

眼球は、直径24mmほどの小さな器官ですが、私たちが得る情報の約90%が視覚からであり、それが障害されると日常生活に支障を来します。
また、眼の症状から他の病気を発見するきっかけになることもあります。

①散瞳剤をつけて眼底検査をすると、眼科医は動脈と静脈を直接見ることができます。
眼底は体の中で血管を直接見ることができる唯一の部分です。
血管の走行状態や出血から、糖尿病・高血圧症・癌の転移・白血病・SLEなどの膠原病などが見つかることがあります。

特に、糖尿病は現代病であり、失明原因の第2位にもなっています。
眼底出血で発見され、血糖値を測定したら、異常高値で即、内科に紹介ということも珍しくないことです。

②急な複視(物がずれて見える)や片側の眼瞼下垂(まぶたが下がる)などの症状の時は、脳梗塞・脳腫瘍・脳動脈瘤による頭蓋内の神経の圧迫・甲状 腺の異常・重症筋無力症などの筋肉の病気が見つかることがあります。
特に危険な脳動脈瘤は、くも膜下出血の前触れであり、放置すると命に関わることもある ので、神経の麻痺と判断した場合は、即、脳外科に紹介となります。

③目の周りのできものは良性のものがほとんどですが、まつ毛の際などで増大していくものの中には、基底細胞腫・有棘細胞癌・悪性黒色腫などの悪性の腫瘍もあります。
切除して病理組織診断して初めて分かることもまれにあります。

以上のように、眼に関わる何らかの症状がある時は、放置せずに眼科を受診して下さい。
また、症状の出ないうちに進行してしまう「緑内障」は失明 原因第1位の病気です。
視野検査を受ければ見つけることができます。
眼科の検査は痛い検査はひとつもありません。気軽に「目の検診」を受けて、いつまでも 見える目でいられるように、早期発見・早期治療につとめましょう!


Text by 藤岡眼科 藤岡 聖子( 2013年11月25日 「北海道新聞夕刊」掲載)

マイボーム腺機能不全

眼科2013/11/05

 よくならない異物感、目の周囲のかゆみ、ドライアイ、その症状「マイボーム腺機能不全」かもしれません。
マイボーム腺は、まぶたの縁にある油の工場で、涙の成分に油を加えて、涙の蒸発を防いでいます。
ですので、この機能が落ちると涙が蒸発しやすくなり、ドライアイになります。
また、油の出口が詰まると、ばい菌がついたり、ただれがおきて目の不快な症状を引き起こす可能性があります。
このようなことを防ぐためには、マイボーム腺を日頃からケアする必要があります。
簡単な方法として、やけどしない程度に電子レンジなどで1分ほど温めた蒸しタオルをまぶたの上から数分間あてる方法があります。
この際に軽くまぶたをマッサージするとなお効果的です。
眼の健康のために、お肌だけでなくマイボーム腺のケアもしてみませんか。


Text by 江口眼科病院 大橋 和広( 2013年11月5日 「みなみ風」掲載)

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