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5分以上おしっこを我慢できますか?

泌尿器科2016/07/25

 おしっこの我慢は膀胱(ぼうこう)炎になるとか腎臓に悪いと言われた時代もありました。
しかし現在は、さまざまな医学的研究から、我慢をしても病気にはならないことが確認されています。
むしろ我慢をすることで膀胱の機能を高めることができます。

 膀胱が健康であれば1時間でも2時間でも簡単におしっこを我慢することができます。
それができない方は膀胱など泌尿器の病気であることが考えられます。
決して「歳のせい」ではないのです。
普段、我慢をしていない方も5分以上おしっこの我慢ができるか試してみて下さい。
それが難しいようなら膀胱訓練を始めてみましょう。

 膀胱訓練とは、トイレに行きたくなってもおしっこを我慢する訓練です。
我慢を続ける時間は特に決まっていませんが、数分程度の我慢から始めて無理のない範囲で時間を延ばしていきましょう。
毎日繰り返すことで徐々に我慢ができるようになり、トイレの回数が減少します。
ただし、膀胱炎や尿路感染症の方は膀胱訓練が禁止されています。
明らかな排尿痛や下腹部痛、肉眼的血尿を自覚される方は、膀胱訓練を開始する前に必ず泌尿器科へ相談してください。

 病状が重い場合には、尿失禁が心配でほんのわずかな時間でもおしっこの我慢ができません。
このような場合には、我慢をせずトイレに向かい排尿の準備ができたところで我慢をしてみましょう。
繰り返しているうちに我慢することができるようになります。

 膀胱訓練だけで改善しない時は、訓練と併せて薬を飲んだ方が良い場合があります。
また、中には排尿障害や膀胱癌など重大な病気が原因となっていることもあります。
膀胱訓練を続けても症状が改善しない時や、排尿困難や残尿感、痛みや出血など頻尿以外の症状がある場合には、泌尿器科の受診がすすめられます。
問診と超音波検査などの簡単な検査により診断、治療が可能です。

 おしっこの我慢は、膀胱の働きにとってとても優れた健康習慣です。
おしっこの我慢ができなくてお困りの方は、どうぞお気軽にご相談ください。


Text by 医療法人社団美原腎泌尿器科 田崎 雅敬( 2016年7月25日 「北海道新聞夕刊」掲載)

陰のうが大きくなってきたら・・・

泌尿器科2016/03/07

 陰のうの中には生殖器官として重要な精巣があります。
陰のう全体が腫れたときは、精巣に関係なく浮腫によることが多いです。

 片側の陰のうが腫れたときは、痛みの有無にかかわらず泌尿器科専門医を受診したほうがいいです。
小児や高齢だと陰のう水腫によることが多く、小児は手術が必要なこともあります。
痛みのない腫れで重大な病気があります。
精巣腫瘍(がん)という病気です。
20代の若い年齢に多いですが、4才以下あるいは高齢でも発生する腫瘍です。
恥ずかしいからと親にも話さなかったり、受診しなかったりしますので、お子さんに腫れていないか聞いてみるといいでしょう。
大人の方は、たまにお風呂で触ってみる。
左右をくらべて大きさ、しこりがないかどうかチェックするといいでしょう。


Text by 医療法人社団やまだクリニック 山田 裕一( 2016年3月7日 「北海道新聞みなみ風」掲載)

おしっこのトラブルは、気軽に泌尿器科へ

泌尿器科2016/01/25

・おしっこをしても、またすぐトイレに行きたくなる。
・急に尿意をもよおして我慢ができない。
・夜中たびたびトイレに起きる。でも恥ずかしくて泌尿器科には行けない。

 このようにおしっこのことで困っているけど、泌尿器科ではどんな検査が行われるのか不安でなかなか受診ができない方も多いと思います。
でも心配いりません。
問診と腹部超音波など苦痛の少ない検査で簡単に診断することができます。
そして原因を正しく調べることで症状を改善させることができます。
病院での検査に加えて、ご自宅で排尿日記をつけてもらい頻尿の種類を分類することで、それぞれの場合にあった治療方法が選択できるような工夫もあります。
治療を受けた方の約95%で排尿回数が減少、約90%で治療結果に満足との回答も得られています(※)。

・おしっこのことが気になって乗り物に乗れない。
・買い物の途中でしたくなったらどうしよう。
・夜中何度もトイレに起きるので昼間眠くてたまらない。

 頻尿は日常生活に大きな支障を来します。
そして夜間の頻尿は体の健康状態にも悪影響を与えることが知られています。
現在は原因や症状に合わせたさまざまな薬が治療に使えるようになりました。
また薬以外にも普段の排尿習慣を少し変えてみたり、むくみを抑える靴下を使うことで症状を和らげることもできます。

 年齢や性別を問わず、おしっこのトラブルでお困りの方は、気軽にいつでも泌尿器科へご相談ください。

(※)西日本泌尿器科学会発表による


Text by 医療法人社団美原腎泌尿器科 田崎 雅敬( 2016年1月25日 「Array」掲載)

おしっこの我慢は、とても優れた膀胱健康法

泌尿器科2016/01/14

■おしっこが近い。夜中に何度も起きてしまう。トイレが心配で外出できない。

 歳のせいとあきらめる前に膀胱訓練を試してみましょう。
膀胱訓練とは、トイレに行きたくなっても我慢をする訓練のことです。
おしっこの我慢は膀胱炎になるとか腎臓に悪いと言われた時代もありました。
しかし現在は、さまざまな医学的研究から排尿の我慢で病気にはならないことが確認されています。
我慢を続ける時間は特に決まっていませんが、数分程度の我慢から始めて無理のない範囲で時間をのばしてゆきましょう。
毎日繰り返すことで徐々に排尿の間隔が開いてゆきトイレの回数が減少します。
ただし、膀胱炎や尿路感染症の方は膀胱訓練が禁止されています。
明らかな排尿痛や下腹部痛、肉眼的血尿を自覚される方は、膀胱訓練を開始する前に必ず泌尿器科へ相談してください。

■我慢しようとするけど、すぐに漏れてしまう。漏れるのが心配で膀胱訓練ができない。

 頻尿症状が進むと、ほんのわずかな時間でもトイレの我慢ができなくなります。
このような場合には、我慢をせずトイレに向かってかまいません。
そのかわりトイレで排尿の準備ができたところで我慢してみましょう。
繰り返しているうちに我慢することができるようになります。

■困ったときには、気軽に泌尿器科を受診しましょう。

 症状が重い場合には、膀胱訓練と合わせて薬を飲んだ方が良い場合があります。
また、頻尿の原因はさまざまであり、中には排尿障害や膀胱癌など重大な病気が原因となっていることもあります。
膀胱訓練を続けても症状が改善しない時や、排尿困難や残尿感、痛みや出血など頻尿以外の症状がある場合には、泌尿器科を受診しましょう。
問診と超音波検査などの簡単な検査により診断、治療が可能です。
お困りの方は、専門医に気軽にご相談ください。


Text by 医療法人社団美原腎泌尿器科 田崎 雅敬( 2015年12月15日発行 「青いぽすと」掲載)

尿閉(にょうへい)とは?

泌尿器科2015/09/14

 尿閉という言葉をご存じですか?

 多量の尿が膀胱(ぼうこう)にたまっているのに、排尿できない状態のことをいいます。

 膀胱や前立腺の病気によって、この状態になることがあります。
男性に多い症状で、前立腺肥大のある方が、お酒を飲んだり感冒薬、抗アレルギー薬、抗不整脈薬などある種の薬を飲んだあとに、これらが引き金になって急にぴたっと尿を出せなくなることがあります。

 多くの場合は一時的なものですが、その間はいくら頑張っても尿を満足に出せず、たらたらとあふれて漏れてくるだけです。
非常につらく苦しいものです。
私の経験でも2リットル近くもの尿がたまっている患者さんがいらっしゃいました。

 急に尿が出なくなったら、我慢し過ぎずに、落ち着いて泌尿器科あるいは当番病院に行って処置を受けてください。


Text by 医療法人社団やまだクリニック 山田 裕一( 2015年9月14日 「北海道新聞みなみ風」掲載)

問診と簡単な検査で、おしっこの悩みを解決しましょう

泌尿器科2015/07/21

Q.トイレが近い。でも泌尿器科の診察が恥ずかしいから病院に行けない。

A.大丈夫です。十分な問診を行うことで不要な診察をせずに治療ができます。

Q.おしっこが間に合わない。でも泌尿器科の検査って、ちょっと不安。

A.心配いりません。現在は超音波検査など苦痛の少ない検査で診断が可能です。

 おしっこが近い、間に合わずに漏れそうになる、夜何度もトイレに行くので眠れない、おしっこをした後なんとなく気持ち悪い。
泌尿器科には行きたいけどちょっと恥ずかしいし、どんな検査をされるのか不安。
こんな思いをされている方は多いと思います。
しかし、排尿に関する医療の進歩により、難しい検査をしなくても診断や治療ができるようになりました。

 泌尿器科を初めて受診された場合、まず症状や普段の状況を詳しくうかがいます。
そして病気に関連するいくつかの質問をさせていただき診断を導きます。
診断が確定できない場合には検査を行うことになりますが、その場合も尿検査や超音波検査など苦痛の少ないものを優先的に行うので心配はいりません。
治療が始まった後も、その後の症状の変化を確認しながら無理なく続けられる治療方法を相談しながら進めてゆくので不安なく継続してゆけます。

 泌尿器科では、おしっこの症状だけではなく、腎臓や血尿、蛋白尿、その他さまざまな腎臓病や泌尿器疾患についても同じように対応しています。
ぜひお気軽にご相談ください。


Text by 医療法人社団美原腎泌尿器科 田崎 雅敬( 2015年6月16日発行 「青いぽすと」掲載)

慢性腎臓病について

泌尿器科2015/04/06

 ゆっくりと腎臓の働きが悪くなっていく状態やゆっくりと経過する腎臓の病気を全て慢性腎臓病といいます。
日本の成人8人に1人と多くの患者さんがいて、病気の概念が広まってきて10年以上たちますが、あまり知られていないのが現状だと思います。
進行すると最後には人工透析や腎移植が必要な状態になります。
日本の透析患者さんの生存率は世界で最も良好ですが、このような状態にならないように日常の努力が重要です。
慢性腎臓病になる危険因子として、高齢、家族に慢性腎臓病の人がいること、健診で尿異常があること、脂質異常症、高尿酸血症、鎮痛薬の常用、高血圧、糖尿病、肥満、喫煙などがあります。
こういう危険因子を持つ方は、高血圧や糖尿病の治療をきちんと受け、生活習慣の改善に努めましょう。
悪くなった腎臓は正常に戻りません。
よほど悪くならないと自覚症状も出ないので、健診を受けたり、かかりつけの医師にたずねてみるといいでしょう。


Text by 医療法人社団やまだクリニック 山田 裕一( 2015年4月6日 「北海道新聞みなみ風」掲載)

男性の性 31

泌尿器科2014/12/29

(1~30は、函館医療情報のページで読むことができます)

 精子の話。
精子はイラストやマンガでオタマジャクシのように描かれることが多いと思いますが、実際に顕微鏡で見ても、本当に丸く大きな頭部と細長い尾部からなり、採取したばかりの精子はほとんどがオタマジャクシの様に活発に動き回っています。
精子の質と量(数・奇形率・運動能など)は、喫煙・飲酒・ある種の薬物・性交(射精)頻度・陰部の温度・長時間の座位や自転車等、に影響を受けることが判っていますが、最近、季節によっても精子の質と量が変動することがイスラエルからの報告で明らかになりました。
考えてみれば、ほとんどの動物の繁殖には季節変動があり、“発情期”と称される時期を明確に持っている動物も少なくないので、高度に文明化した人間でも、野生動物としての精子季節変動が残っていても不思議ではありません。
不妊治療を受けている6447組のカップルから得られた6455の精液サンプルを対象として検討したところ、正常精子数の男子では、精子濃度(1mℓ中の精子数)は春と冬で高く、夏と秋では低かったそうです。
また、高速運動精子(元気よく活発に運動している精子)率は、秋と冬で高く、春と夏は低いそうです。
正常形態精子率は冬が最も高く、夏と比べると優位に高かったようです。
これらは、あくまで男性側の因子のみについての結論ですが、子供をつくりたい場合は、夏よりも冬に性交したほうが妊娠する確率が高いことになります。
なお、男性不妊症の診断に用いる精液検査の方法や正常値が2010年に世界保健機構(WHO)により推奨されたことにより、一般の泌尿器科や産婦人科医院ではこの推奨通りに精液検査を行うことが難しくなり、専門の不妊症外来を持っている施設で検査を受けることが薦められています。


Text by 岡本ひ尿器科医院 岡本 知士( 2015年1月号 「ダテパー Dr. Dr.プリーズ」掲載)

おしっこの悩み、歳のせいだとあきらめていませんか?

泌尿器科2014/10/27

 おしっこをしても、またすぐにトイレに行きたくなる。
急に尿意をもよおして我慢ができない。
夜中たびたびトイレに起きる。
このような症状でお困りの方は、原因を正しく調べることで症状を改善させることができます。
泌尿器科ではどんな検査が行われるのか不安な方も心配はいりません。
問診と腹部超音波など苦痛の少ない検査で簡単に診断することができます。
また、これらの検査とは別に排尿日記をつけてもらい、頻尿の種類を分類して、それぞれの場合にあった治療方法が選択できるような工夫もしています。
また当院ではこれまでに治療を受けていただいた方々の治療結果分析を行って、その分析結果を提供しています。

 おしっこのことが気になって乗り物に乗れない、買い物の途中でしたくなったらどうしよう、夜中何度もトイレに起きるので昼間眠くてたまらないなど、頻尿は日常生活に大きな支障をきたします。
そして夜間の頻尿は体の健康状態にも悪影響を与えることが知られています。
現在は原因や症状に合わせた様々な薬が使えるようになりました。
また薬以外にも普段の排尿習慣を少し変えてみたり、むくみを抑える靴下を使うことで症状をやわらげることもできます。
おしっこでお悩みの方は、歳のせいだとあきらめないで、気軽に専門医にご相談ください。


Text by 医療法人社団美原腎泌尿器科 田崎 雅敬(  「青いぽすと」掲載)

腎臓の働き

泌尿器科2014/10/06

 前回は腎臓の働きを長持ちさせるには? という話題でしたが、今回は腎臓の働きそのものについて重要なことを説明します。

 腎臓には心臓が送り出す血液の20%という大量の血液が流れ込み、からだに必要な物質を捨てず、不要な水分および老廃物を捨てるという、ろ過をします。
そのため、腎臓機能が悪くなると水分がたまってむくみがでたり、老廃物がたまって吐き気や疲れやすさ、全身倦怠(けんたい)感などの症状がでます。
また、腎臓は赤血球を作るために必要なエリスロポエチンというホルモンや、骨を守るために必要なビタミンDを作ります。
そのため、腎機能が悪くなると、貧血が進んだり、骨がもろくなったりという症状がでます。

 単におしっこをつくるというだけでなく、多くの大事な働きがある腎臓ですが、機能が悪くなっても初期には、ほとんど症状がでないものです。
健康診断など定期検診が重要ですから、忘れずにお願いいたします。


Text by 医療法人社団やまだクリニック 山田 裕一( 2014年10月6日 「北海道新聞みなみ風」掲載)

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