知覚過敏(ちかくかびん)
知覚過敏という言葉を聞いた事があるでしょうか?
虫歯でもないのに歯がしみる事ってないですか?
その多くが知覚過敏と考えられます。
原因は様々ですが、以下のような場合は知覚過敏を起し易くする可能性があります。
- 歯周病により歯の根が露出している。
- 歯の根が露出しその部分を歯ブラシで強く磨いている。
- 歯ぎしり、くいしばりで過剰な力が歯に加わり、歯茎の近くの歯の表面が剥がれている。
対処法としては
- 知覚過敏用の歯磨き剤を使う。
- 専用の薬で歯の表面をコーティングする。
- くびれた部分を埋める。
- 以上の方法で改善しない場合は歯の神経を取る。
知覚過敏は正しいブラッシング法をマスターすると防ぐことができます。
放っておくと症状がひどくなる場合もありますので、思い当たる方はお近くの歯科医院へご相談下さい。
歯科医療と金属アレルギー
金属アレルギーと聞くと、指輪やピアス、時計などによりかゆみや湿疹、かぶれなどを起こす症状を思い起こす方が多いと思いますが、歯科の分野でも、金属アレルギーの問題が取り上げられる様になってきました。
ご存知の通り、歯の被せ物や詰め物には金属が使われることがあり、これらの金属がイオン化して体内に入るとアレルギー反応を起こすことがあります。
花粉症などと同じように、今まで何ともなかったのに突然発症したり、口の中以外に症状が出ることも多いため、口の中の金属が原因であることがわかりにくいケースもあります。
金属アレルギーのリスクを下げるには
- 金、チタンなどの溶け出しにくい金属を使う
- セラミックなどの非金属を使用する
- できるだけ同じ種類の金属を使う
アレルギーはご自身の体質にも依りますので、気になる方は医師、歯科医師に相談してみて下さい。
歯のホワイトニング
ホワイトニングは歯を削らずに薬剤で歯を白くする方法です。自分の本来の歯以上の白さを手に入れたい方はホワイトニングで白くすることができます。
1.オフィスホワイトニング
歯の表面に薬剤を塗り色素を分解していく方法で、1~4回程度の通院になります。ただし神経を取って黒ずんでしまった歯はこの方法では白くすることができません。歯の内部に薬剤を入れて数回交換し白くします。
2.ホームホワイトニング
自宅で行う方法です。歯科医院で専用のトレーを作り、その中に漂白ジェルを入れて1日数時間1カ月程度装着します。効果はゆっくりですが、白さと透明感が長続きします。
ホワイトニングは永久的なものではありませんが、定期的にクリーニングをすることによって長持ちさせることができます。興味のある方はお近くの歯科医院に相談してみて下さい。
妊娠すると虫歯になりやすい?
妊娠すると歯が悪くなるという話があります。胎児が母親の栄養(カルシウム)を取り入れることが原因といわれていますが、本当でしょうか?
実際は何の因果関係も無いのが事実です。では本当の原因は――
- つわりなどにより歯磨きなどの衛生管理が不十分になること
- ホルモンのバランスが崩れて母体が虚弱化してしまう
これらこそが虫歯や歯周病を発症させる原因なのです。歯科疾患はいったん発症すると自覚症状が出るまで一定期間かかるため、多くは出産後に気づき錯覚するのでしょう。
これを防ぐためには日ごろから定期的に歯科医院を訪れることです。まめに定期健診を受けていれば治療が必要となった場合でも期間は短くて済みます。妊娠中の歯科疾患は胎児に影響を及ぼす場合もありますので、かかりつけの歯医者さんに相談してみて下さい。
歯や歯茎の色は健康?
歯が褐色や黄色に変化したり、歯茎が黒ずんでいると、自分でも口元が気になり、口を開けて笑う事が出来なかったり、口元を隠して話をする事はありませんか?
このような方は他人に対して暗い印象を与えてしまうかもしれません。
では、なぜ歯や歯茎は変色するのでしょうか?
歯茎の変色の原因は、歯周病、タバコなどによるメラニン色素の沈着、金属アレルギーなどが挙げられます。歯の変色の原因はコーヒーなどによる着色、外傷や神経の治療による変色、妊娠中の抗生物質の服用、加齢変化などが挙げられます。
では、どのように対処したら良いのでしょうか?
歯周病の治療は主に歯垢(こう)、歯石取り、歯茎のマッサージになります。メラニン色素はレーザーなどで除去できます。
着色は歯のクリーニングで、変色は白い歯を被せたり、ホワイトニングで対処できます。気になる方はかかりつけの歯科医院に相談してみて下さい。美しい笑顔を取り戻して健康な生活を送りましょう。
怖い口呼吸
いつもポカンと口を開いている状態、人相としてもあまり良くありません。それだけではなく、実は生活習慣病を引き起こすとまで言われているのです。
空気中には様々な菌や有害物質が存在していますが、口で呼吸しているとそのまま悪い物が体内に入り込んでしまい、様々な病気を引き起こす可能性があるのです。
口呼吸の原因はズバリ、唇の力の衰えです。子供の頃、哺乳瓶で育った方は特に要注意です。
ではどのようにして唇の力を鍛えたら良いのでしょうか?
一番簡単にできる方法は、ペットボトルに100ccほど水を入れて、下を向いて唇で咥(くわ)える方法です。1分程度できれば合格です。
また歯医者さんではリップトレーナーという器具も売っています。唇を鍛えると口臭が消えたり、いびきが改善されたり、小顔になったりと嬉しいおまけが付いてくることもあります。
是非、唇を鍛えましょう。
顎関節症(がくかんせつしょう)?
最近、あごが痛くて口が開けられないという方が増えています。口が開けにくい、開けたり閉じたりすると耳の前が痛い、あごの関節が音をたてる。こんな症状を総称して顎関節症と言います。原因として、歯並びや噛(か)み合わせの悪さが考えられます。
しかし、歯並びや噛み合わせは良くてもその使い方が悪くて顎関節症になってしまう事があるのです。
例えば、食事の時にテレビを見ながら横を向いて食べたり、あまり噛まない早食いや、片噛みすることも原因の一つになってしまいます。悪い姿勢やストレスや緊張による首や肩の凝りが常に続くとそれが原因になる事があります。
顎関節症を治すには原因を一つ一つ解消していくことが大切です。
しかし、こんな症状のある方は、まずお口の中に原因が無いかどうか一度かかりつけの歯医者さんに相談してみて下さい。
歯周病―あなたは大丈夫ですか?
歯周病にかかっている成人は8割を超えていますが、自覚をしている人は6割と言われています。
歯周病はゆっくりと歯肉や骨に浸食するため、自覚症状が少なく、日常意識することは少ないと思います。
歯肉から血が出たり歯がグラグラしたり歯肉が下がったりして初めて気づくのですが、そのまま放置すると歯肉も骨もボロボロになりやがて歯は抜けてしまいます。
歯周病と一言で言っても歯肉炎(歯茎[はぐき]のみの炎症)と歯周炎(骨にまで炎症が及んでいる場合)に分けられます。
原因は共に取り残しの歯垢と歯石です。的確な歯ブラシと歯石除去で歯肉炎は完全に治すことができますし、歯周炎も進行を止めることができます。
今や歯周病は不治の病ではありません。歯を抜かずに一生自分の歯で食事を楽しむ事ができる時代です。上手に歯医者さんとお付き合いしましょう。
口腔(こうくう)年齢って何でしょう?
みなさん口腔(こうくう)年齢という言葉をご存知でしょうか?
よく「精神年齢」とか「肌年齢」など○○年齢というものが最近マスコミなど賑わせています。この口腔(こうくう)年齢はみなさんの歯の状態と歯ぐきの状態をもとにしてコンピュータで求められる年齢です。
検査は簡単でしかも数分で終わります。さらにこの検査は全く痛くありません。虫歯の本数と数ヶ所の歯ぐきの状態をチェックするだけでOKです。この検査は今までの検査と違い歯周病の評価も加味されている点が大きなポイントです。2002年に当院で導入した際に私も実際に自分の口腔(こうくう)年齢を求めてみました。結果は16.1歳(実年齢は44歳ですが)でした。実際にやってみると10代で60歳以上の年齢がでた方もいらっしゃれば、70代の方で20代の判定が出た方もいらっしゃりその年齢は千差万別です。
一昔前あるテレビのCMで「芸能人は歯が命!」という言葉が大流行しました。実際に芸能人がよく通っている歯科診療所の先生に聞くと「芸能人はむし歯よりもむしろ歯ぐきのケアーに力を入れている」そうです。もちろんこの歯ぐきのケアーとは歯周病のケアーにほかなりません。
みなさん歯周病という言葉を聞いたことがあるかと思いますが「どんな病気ですか?」と尋ねると意外とご存知ないかと思います。ヒトの歯は顎(あご)の骨の中に植わっています。(歯ぐきのなかに植わっているというのはマチガイです。)その大切な歯を支えている顎の骨が溶けてしまうのが歯周病です。ですから歯周病になるということは=顎の骨が溶けてしまうと言って差し支えないケースがほとんどです。そのため場合によってはいわゆる「フケ顔」といわれる実際の年齢以上に見えてしまうことが多々あります。(同窓会などに出かけた時などに同じ同級生なのに親子ほど年齢が離れているように見える方がいらっしゃった記憶はございませんか?)ですから芸能人などは毎月定期健診を欠かさない方もいらっしゃると聞いています。
さらにこの歯周病は日本人の歯のなくなる原因のトップで、むし歯が原因で歯がなくなってしまう方の数倍もいらっしゃいます。最近の研究では歯周病が原因で歯が全部なくなった方の寿命は平均より短いとか、歯がない方は痴呆が進行しやすいなど歯周病は意外にも人間生活の質を下げるということがわかってきました。
歯周病は気づいた時には相当病状が進んでいるケースが大部分です。みなさんも小自分の口腔(こうくう)年齢をチェックされてはいかがでしょうか?口腔(こうくう)年齢のチェックをご希望の方は弊院かかかりつけの先生にご相談ください。
歯科疾患の基礎知識
虫歯(う蝕)
虫歯の原因は、歯の表面に付着したプラーク(細菌塊)、この細菌から出される 代謝産物(酸)です。単に「甘いものを摂るからできる」という認識では困ります。
甘いものイコール砂糖です。
砂糖摂取量についてみると日本は欧米諸国と比較してかなり少ない。
それとは逆に虫歯になる率は、日本がはるかに高い。それはなぜ?
歯槽膿漏(歯周炎)
歯学用語では、辺縁性歯周炎といいます。コマーシャルなどで歯周炎という言葉もかなり使われ、理解されているように思います。
歯周炎は中高年の病気とされていました。しかし、最近では子供にも見うけられるようになってきました。それはなぜ?
歯並びが悪い(歯列不正)
歯列不正は、審美的な問題だけでなく、歯の疾患(上述)の原因や顎の成長にも関わっています。さらに外観の悪さから心理的障害が引き起こされるケースもあります。
歯科疾患の要因と対策
虫歯が日本でなぜ多いのでしょう?
また、歯周炎が子供に見られるようになったのはなぜでしょう。
それは現代人の生活様式にあります。
現代人は、日常生活において時間や労力を惜しみ利便性を求めるようになっています。「食」でみると、ファーストフードにより偏食、栄養過多および不規則な時間での摂取などが生じているように思います。
その弊害として、幼少期から成人病の発症、歯科では虫歯、歯周炎、歯列不正や顎の発育への悪影響があげられます。
歯周炎は「静かなる歯の病」といわれるように自覚症状がなく、歯科医院に行こうと思う頃には既に手遅れとなる例が多くみられます。
歯には自然治癒力がありません。
そのため、「何かあるから診てもらう」ではなく、「何もないけど診てもらう」ように早期発見、予防・処置が大切です。
是非一度かかりつけの歯科医院に受診されることをお勧め致します。