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最新の関節リウマチ(RA)の治療について

 RAとは、本来身体を守るべき免疫の異常により発症します。
主として関節に炎症が生じ、軟骨や骨が破壊され、進行すると関節の機能が低下し様々な日常動作が不自由になります。 1998年にメトトレキサート(MTX)という薬が使用可能となり、従来の対症療法から大きく進歩しました。
更に2003年からは生物学的製剤が認可され、免疫の異常を根本から改善する事が可能となりました。
この生物学的製剤には数種類あり、免疫に関連するサイトカインという物質の異常な作用をブロックします。
しかしどちらの薬にも重篤な副作用があり、MTXでは「肝機能障害」「骨髄抑制」など、生物学的製剤では結核や肺炎などの「感染症」に特に注意が必要です。 これらの副作用に注意し、適切な治療を行えば今ではRAは克服可能な病気になったと言えます。


Text by 八木原整形外科クリニック 八木原 一英( 2010年6月21日 「みなみ風」掲載)

歩く時の足の痛みは要注意

 季節はずれの雪も消えて遅い春がやっと来た。
春、運動を開始するにはウォーキングが安全で最適。筋肉量が増加して基礎代謝量が高まり、内蔵脂肪は効率よく燃焼され、貯まった脂肪エネルギーが燃えやすい効率的な身体が造られる。 さて、歩いているときに足が重くしびれてだるくなり、歩けなくなってしまった苦い経験はありませんか。この特徴的な症状が「間欠性破行」。 「腰部脊柱管狭窄症」では、腰椎の加齢的変化で神経スペースの脊柱管が狭くなり、「間欠性破行」を生じる。
一定の距離を置くと、足がしびれてだるくなり歩けなくなるが、腰を曲げて前かがみになると症状が改善する。
この「間欠性破行」は、閉塞性動脈硬化症でも生じる、足の血流が悪化するのが原因。病状が進むと安静にしていても、足が痛み、指先の色が紫色や蒼白になる。
更に放置すると足が壊死し、足の切断を余儀なくされる怖い病気でもある。 間欠性破行を年齢のためと簡単に考えず、レントゲン、CT、MRI、温度をはかるサーモグラフィーや血管壁の硬さや脈波をはかるABPIなどの検査を受けることが大切。
早期であればいずれの疾患でも、内服や注射療法で治療することが出来る。このような症状の方は、早く整形外科で受診することをお勧めする。


Text by 大村病院 大村 和久( 2010年5月10日 「みなみ風」掲載)

最小侵襲手術という言葉を聞きます。どのような手術でしょうか?

整形外科2010/03/18

手術のダメージ(侵襲)を最小にして
早期の回復・退院が可能となる術式です

 最小侵襲手術(MIS)とは、切開(傷)を最小にし、かつ疼痛管理、早期リハビリを行うことで、手術に伴う身体機能の低下を最小限にするための治療方法です。
消化器外科での腹腔鏡手術や呼吸器外科の胸腔鏡手術などがあり、整形外科領域では変形性膝関節症に対する人工関節置換術などが代表的です。 外科手術では傷のない部分にメスをいれ、病巣を展開して処置を行います。
人工膝関節置換術では、同様に前方部分の皮膚を切開して関節を展開して、骨を削るなどの処置を行います。
それによって身体は手術のダメージ(侵襲)を受けます。これは手術のマイナス部分です。 一方、その手術によって得られた効果(人工膝関節置換術においては日常生活での痛みの軽快)は手術のプラス部分です。
このプラス部分がマイナス部分を上回った場合に人工膝関節置換術を受けてよかったと思えるのです。 人工関節を行うことで、痛みを取り除く(または大きくやわらげる)ことが期待されます。
しかし、人工関節を行うためには、関節を切開する必要があります。
従来は20センチ程度の切開が必要であり、術後はこの回復のために平均4〜6週の入院期間が必要でした。
また術後安静にともない筋力や体力が低下することも大きな問題でした。 MISは人工膝関節置換術のマイナス部分を減らすことによって(差し引きでプラス部分を大きく残すことによって)、患者さんの満足度を上げることを目的とするものなのです。
MISは人工膝関節置換術の術後の痛みを軽くすることにより、リハビリが円滑に進み、より早い回復が得られることが期待されます。
しかし、MISで注意しなければならないことは、「人工膝関節置換術においては皮膚切開の大きさだけが大事ではない」ということです。
皮膚の切開が小さくても術前の計画(設計図)通りの正確な手術がなされなければ意味がありません。 皮膚の切開、関節の展開が小さいと正確な角度で骨を削ることや温存すべき軟部組織(靭帯や関節包など)に対する適切な処置が困難となります。
人工関節置換術において最も重要なことは正確な角度で骨を削ること、残すべき軟部組織に対する適切な処置であると考えています。
当院では、切開創は大きくとも10センチほどで、2〜3週で退院できるよう努めています。
人工膝関節置換術は内科的に重度の合併症があったり、ご高齢でリスクが高いと判断された場合は手術ができない場合があります。
年齢的にはお元気であれば85歳くらいまでは可能です。


Text by 函館整形外科クリニック 大越 康充( 2010年3月 「ホームドクター」掲載)

痛風とはどんな病気ですか?その症状や治療法について教えてください

整形外科2010/03/18

痛風発作以外は無症状だが油断大敵な病気。
定期的に血清尿酸値の測定と健康管理を

 痛風は9割以上が成人男性に発症し、以前は中高年男性に多い「ぜいたく病」といわれましたが、最近は30歳代に発症する人が最も多く、若年化する傾向にあります。
痛風の治療は「生涯治療」といえます。
ところが痛風発作のとき以外は無症状なので、治療が続かないことがよくあります。
治療は痛風発作の痛みを取るだけでなく、高い血清尿酸値を正常範囲に維持し、最終的には尿路結石など腎臓障害や他の生活習慣病の合併を予防するのが目的です。
このほかにも、心疾患や脳血管障害などさまざまな病気を合併することもあるのです。 ただ幸運なことに、痛風はコントロールできる病気です。
痛風発作の原因となる高尿酸血症は、血液中に尿酸が多くなった状態をいいます。
尿酸塩(尿酸の結晶)が関節などに溜まると、関節は赤く腫れあがり激しい痛みを伴い、いわゆる痛風発作を起こすわけです。 血清尿酸値は7・0mg/dl以下が正常で、これを超えると高尿酸血症と診断されます。
血液中に尿酸が増える原因は、

  1. 尿酸が体内で多く産生される
  2. 尿酸の排泄が悪い
  3. その両方

によるものがあります。
また、肥満・飲み過ぎ・食べ過ぎ・運動不足・ストレスなどの要因が重なっても起こり、血液の病気・悪性腫瘍、腎臓病や利尿剤などの薬剤も原因になります。 治療は3段階あり、
第1段階は痛風発作を抑える対症療法。
第2段階は血清尿酸値を下げる原因療法。
第3段階は合併症を予防する健康管理です。 健康管理では、まず肥満があれば解消します。肥満対策としても出来るだけ栄養バランスの良い食生活を送り、アルカリ性食品を多くとります。
尿が酸性だと尿酸は溶けにくく、尿路結石の原因になります。
野菜や海藻などを十分とるよう心がけます。
水分を十分とって尿量を増やし、尿と一緒に尿酸を排泄。
1日の尿量が2リットル以上になるようにします。
飲酒も控えます。
アルコール自体に肝臓での尿酸産生を亢進させ、腎臓からの排泄を低下させる作用があります。
1日の適量は、ビールは500ミリリットル、日本酒は1合、ワインは3分の1本、ウイスキーはシングル2杯が目安です。
また激しい運動は避け、適度な有酸素運動をします。
1日20分間の早足歩き、軽いジョギングがお勧めです。
ただし一般的には軽いと思われる運動でも、痛風発作を起こすことがあるので注意は必要です。 痛風、高尿酸血症と診断された人は、定期的に通院して血清尿酸値を測定し、必要な薬の量も調整しながら、高血圧、高脂血症などの合併症のチェックと管理を医師と協力して行っていくことが重要です。
繰り返しますが、痛風の治療は「生涯治療」ですが、十分コントロールできる病気です。
自分の判断で治療を中止しないことが大切です。


Text by 宮本整形外科 宮本 一成( 2010年3月 「ホームドクター 健康新常識」掲載)

寝たきりや要介護にならないために何かいい方法はありますか?

整形外科2010/03/18

ロコモーショントレーニング(ロコトレ)で
運動器全体を動かし予防することをお勧めします

 2005年度における日本人口の年齢構成は、子ども人口(15歳未満)が14%、働き盛り人口(15〜64歳)が66%、高齢人口(65歳以上)が20%でした。
現在の見通しでは、50年後には高齢人口が41%まで増加すると推計されています。
つまり、21世紀半ばには、国民のおよそ2・5人に1人が65歳以上という超高齢社会になることが予測されます。
高齢者の増加に伴い、支援・介護を必要とする人も、02年から06年までに167倍と急増し、440万人を超えています。
75歳以上の高齢者での寝たきりや介護の主な原因のうち、運動器疾患によるものは実に21・5%(転倒・骨折9・3%、関節疾患12・2%)を占めています。
これらの要支援・要介護者を少しでも減少させ、また重症化を防ぐ対応が必要となっています。 そこで、07年に日本整形外科学会では、運動器の障害による要介護の状態や要介護リスクの高い状態を表す新しい言葉として「ロコモティブシンドローム(locomotive syndrome)、運動器症候群」を提唱し、これらの予防や早期治療を広く啓蒙するようにしています。
また、ロコモティブシンドロームの早期診断のため、5つのロコモーションチェック(ロコチェック)を示しました。

  1. 片脚立ちで靴下がはけない
  2. 家の中でつまずいたり、滑ったりする
  3. 階段を上がるのに手すりが必要である
  4. 横断歩道を青信号で渡りきれない
  5. 15分くらい続けて歩けない

——これらのひとつでも当てはまれば、ロコモである心配があります。該当する方には開眼片脚立ちとスクワットによる2つのロコモーショントレーニングが勧められています。 開眼片脚立ちは、床に着かない程度に片足を上げ、左右1分間ずつ1日3回行う。
転倒予防のため、つかまるものがある場所で行うこと。支えが必要な方は、机に手や指をついて行う。
スクワットは、椅子に腰かけるように、お尻をゆっくり下ろす。
膝は曲がっても90度までとし、安全のために椅子やソファの前で行う。
5〜6回を1日3回行う。
支えが必要な方は机に手をついた状態で行ったり、椅子に腰かけ腰を浮かす動作を繰り返す。
これらのトレーニング以外にもストレッチ・関節の曲げ伸ばし・ラジオ体操・ウオーキングや各種のスポーツを症状に合わせ積極的に行うことがロコモティブシンドロームの予防や進行の抑制につながっていきます。


Text by 江端整形外科医院 江端 済( 2010年3月 「ホームドクター 健康新常識」掲載)

「ロコモティブシンドローム」とは?

整形外科2009/10/19

「ロコモティブシンドローム」は「ロコモ」と略し、2007年に日本整形外科学会が提唱した概念です。
日本語にすると「運動器症候群」となります。
具体的には、骨・関節・筋肉といった運動器の機能が衰えることにより、日常生活の自立度が低下し、介護が必要となる状態のことです。
「ロコモ」になっているかどうかのチェックポイントが3つあります。

  1. 15分以上続けて歩けない。
  2. 階段で手すりが必要。
  3. 片脚立ちが30秒以下。

このうち一つでも当てはまれば要注意です。
「ロコモ」の予防には、体幹筋力・下肢筋力・バランス機能の保持が大切です。
そのためのリハビリテーションでは、一人ひとりの原因疾患・基礎体力・骨粗鬆症の状態・その他の合併症の有無などを考慮して、慎重に行うことが必要です。


Text by 八木原整形外科クリニック 八木原 一英( 2009年10月19日 「みなみ風」掲載)

腰部脊柱管狭窄症(ようぶせきちゅうかんきょうさくしょう)

整形外科2009/09/04

 腰部脊柱管狭窄症とは、腰の神経の通り道が狭くなることをいいます。

 腰の靭帯(じんたい)や椎間板や骨が神経を圧迫することによって起る病態の事をいいます。
症状としては、数メートルから数十メートル歩くと下肢に痺(しび)れや痛みを伴い、座るなど腰を丸めることによって症状が回復するのが一般的です。
腰を曲げていると症状が現れないため、自転車に長時間乗っても下肢の症状は出現しません。
症状が進行すると、下肢に力が入りづらい、足の裏に餅がついている、あるいは玉砂利の上を歩いているというような感覚や排尿後の残尿感などの症状が出現してきます。

 治療は症状によって異なりますが、基本的には内服薬、外用薬、リハビリなどの治療から開始し、効果がない場合はMRI、CTなどの精査を行います。同じような症状がある方は、整形外科医にお気軽にご相談ください。


Text by 大村病院 大村 健久(  「」掲載)

大人の鼠径(そけい)ヘルニア治療の最近

整形外科2009/04/02

 鼠径ヘルニアの「鼠径」とは太ももの付け根の部分のことをいい、「ヘルニア」とは体内の臓器などが正しい位置からはみ出した状態をいいます。

 つまり鼠径ヘルニアとは、本来はお腹の中にあるはずの腹膜や腸の一部が、多くの場合鼠径部の筋膜の間から皮膚の下に出てきてしまい、症状として鼠径部近くに違和感や鈍い痛みを感じたり、そこが軟らかく盛り上がり、横になって力を抜くと平らになり、重い物を運ぶと膨らみが目立つようになるなど一般に「脱腸」と呼ばれている病気のことです。

 鼠径ヘルニアは手術以外治療方法がありません。手術方法としてポリプロピレン製の人工膜で筋膜の穴をふさぐメッシュ法が痛みも少なく短期入院で済むため普及してきており、再発率も約1%で、生活の質を考慮すれば積極的に治療した方が良い病気です。

 鼠径ヘルニアはお薬では治すことはできません。下腹部に隆起を認め不快な症状がある場合は、専門医にご相談ください。


Text by 函館渡辺病院 伊坂 直紀(  「」掲載)

転倒を予防しましょう

整形外科2009/02/16

 (骨粗鬆症[こつそしょうしょう])×(転倒)=(?)
まず、このクイズの答えを考えてみて下さい。

?は何でしょう。

正解は骨折です。
つまり転倒を予防するという事は骨折の予防にもなります。

転倒の原因を分析すると身体に原因があるものとそれ以外のものがあります。
身体の原因については多くの要素があり体幹筋・骨盤周囲筋・下肢筋などの筋力低下に加えて平衡感覚障害(めまい)・視力障害・脳血管障害などが複雑に影響します。
いずれにしても結果として「二足歩行の破綻」という転倒現象を生じるわけです。

転倒を予防するには「ダイナミックフラミンゴ体操」が効果的です。
聞き慣れない言葉ですが、フラミンゴのように片脚でバランスよく立つという事です。
右足で1分間立ったあと、左足でも1分間続けられれば合格です。

片脚で30秒以下の人は転倒危険群と考えられますので注意が必要です。


Text by 八木原整形外科クリニック 八木原 一英(  「」掲載)

骨粗鬆症(こつそしょうしょう)

整形外科2009/01/16

 骨密度の検査は痛みもなく、簡単に検査することができます。骨密度は、同世代と若年者との比較した値で出てきます。医学上重視するのは、若年者との比較です(以下YAM)。比較したYAM値が80パーセント以下で、骨減少症。70パーセント以下で、骨粗鬆症と診断されます。

 骨が脆(もろ)くなると、背中の骨折、手首の骨折や脚の付け根を骨折しやすくなります。

 骨折すると、歩くことも痛みで難しくなることもあります。年齢が80、90歳のときに骨折をしても、寝たきりにならないように、80パーセント以下で治療対象とされています。

 現在の治療は週1回の注射や内服薬にて行います。

 何かご不明な点がありましたら、整形外科にご相談ください。


Text by 大村病院 大村 健久(  「」掲載)

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