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生後6ヶ月までの予防接種

小児科2012/03/19

 現在日本で子どもに接種出来るワクチンは13種類ほどあります。
いずれも確実に病気を予防出来たり、重症化を防ぎます。
1歳になるまでに接種しておきたいワクチンだけでも6、7種類、しかも複数回接種しないといけませんので赤ちゃんが生まれて忙しくなる前にワクチン接種スケジュールを立てておきたいですね。

 去年秋から接種出来るようになったロタウイルスワクチンは、4週間以上あけて2回の経口接種を生後24週までに終了させることになっています。
ロタウイルスは赤ちゃんの重症胃腸炎の原因病原体ですが、このワクチンを接種する事によって重症化を9割方抑えることが出来るとされています。
しかし生後半年までの時期はヒブや肺炎球菌、
DPTといったワクチンと重なるので、日本小児科学会などではこれらのワクチンの同時接種を進めています。
例えば2ヶ月になったらすぐにヒブ、肺炎球菌、ロタウイルスワクチンの同時接種、3ヶ月にはさらにDPTを追加といった具合です。

4ヶ月健診の時にBCG接種を行いますので、健診の1週間前までに肺炎球菌とヒブの3回目、DPTの2回目を済ませておくのが理想です。

 ヒブや肺炎球菌、ロタウイルスワクチンは任意接種ですのでどうしても接種しなければいけないワクチンではありません。
しかもロタウイルスワクチンの場合2回で2万5千円程度の費用がかかります(ヒブ、肺炎球菌ワクチンは現在無料)。
いずれ公費の負担が期待出来るかもしれませんが、例年寒くなってくると増えてくるロタの感染症で苦しんでいる子を診ていると是非とも積極的に接種して欲しいワクチンの一つです。
ワクチンといっても経口生、不活化、生ワクチン等があって、ネット上には丁寧に説明している所もありますが、組合わせの難しいワクチンもありますので小児科医と良く相談してスケジュールを組むようにしましょう。


Text by 五稜郭ファミリークリニック小児科 石坂 仁( 2012年1月31日 「ダテパー Dr. Dr.プリーズ」掲載)

ロタウイルス胃腸炎に対するワクチンが接種できるようになりました

小児科2011/12/19

 皆さんは赤ちゃんへのワクチンをどのように考えていますか?感染したほうが免疫がしっかりつくのでお金がかかるものはしないとお考えですか?
それとも積極的に何でもワクチンで予防できるものは予防しようと思っていますか? 今年の11月から、ロタウイルス胃腸炎を防止する口から飲むワクチンが使えるようになりました。 ロタウイルス胃腸炎は別名乳幼児白色下痢症とも呼ばれ、4カ月ころから2歳くらいまでの乳幼児が多くかかります。
2日ないし3日の潜伏期間の後、嘔吐や酸っぱい臭いのする白色の下痢、発熱などを特徴とする病気です。
多くは軽症で脱水を来さなければ数日の経過でよくなりますが、中には重症になり、入院を余儀なくされることや、脳炎や膵炎を起こして死に至ることもあります。 このロタウイルスに対するワクチンは生後6週から24週の間に4週以上の間隔を開けて2度飲んでもらうワクチンです。
通常は生後2カ月から始まるヒブワクチン、肺炎球菌ワクチンなどと一緒に始めるといいでしょう。
B型肝炎のワクチンも一緒に始める場合には2カ月では4つ、3カ月では5つのワクチンを同時に接種しなければなりませんが、同時接種に関しては広く国内外で安全と考えられており、ロタウイルスワクチンも同様に考えていいでしょう。 任意接種ですので、接種料金は各医療機関で異なりますが、多くは1回1万5千円前後になるものと思われます。
生後24週を超えると接種はできませんので、ワクチンをしたいけれども1回しかできそうにない場合にはかかりつけ医とご相談ください。
24週以降は腸重積という病気が起きやすくなり、ロタウイルスワクチンでも腸重積が起こることがあるため、24週までに接種を行うこととなっています。
24週以降の場合は希望されても接種することはできません。 高価なワクチンですが、病気が重症化することを考えると、ぜひともワクチンで予防できる病気がひとつ増えたと考え、積極的に接種されることを望みます。


Text by かみいそこどもクリニック 渋谷 好孝( 2011年12月19日 「北海道新聞夕刊」掲載)

インフルエンザワクチン今年は…

小児科2011/11/01

今年もすでに11月。2年前の今頃は新型インフルエンザ(現在は新型とは言わず通常の季節型インフルエンザとして取り扱われるようになりました)の流行で、皆さんはとても不安に思われたことでしょう。
今年もすでに東京都や山口県などで局所的な流行が散見され、インフルエンザの流行はすぐそこまで来ているようです。インフルエンザを予防する手段として、手洗いうがいなどの一般的なウイルス感染などを予防する方法の他に、予防接種を行うという方法があります。
インフルエンザの予防接種は今年、特に子供の接種の対象・方法と量に大きな変化がありました。まず対象・方法ですが、今までは生まれてすぐのお子さんも予防接種としては可能でしたが、今年から6カ月以降のお子さんが接種の対象になりました。
接種量は年齢によって大きく変化し、6カ月から3歳までは1回0・25mlで2回接種、3歳から13歳未満は0・5mlで2回接種となりました。
13 歳以上では従来と同じ0・5mlで1回ないし2回接種です。インフルエンザワクチンは他のワクチンと違い、インフルエンザに罹(かか)らないことを目標としたワクチンではなく、あくまでも重症化を防ぐワクチンです。
子供にとって重症なインフルエンザ脳炎・脳症は、インフルエンザワクチンによって防ぐことはできません。
とくに、小さなお子さんで、三種混合ワクチンや麻しん・風疹混合ワクチンなどを後回しにしてまで接種しなければならないものでもありません。
必要であれば、他のワクチンと同時接種を行うことは可能ですので、接種を行うかかりつけ医に相談してください。昨年までありました新型インフルエンザ対策としての補助は今年はありませんので、特別に補助を行なっている市町村以外は全て有料となっています。
接種量が増えたことから、接種料金も昨年から上がっている所が大半と思われますので、接種を希望される方は早めにご相談されるといいと思います。


Text by かみいそこどもクリニック 渋谷 好孝( 2011年11月1日 「北海道新聞夕刊」掲載)

不活化(ふかつか)ポリオワクチン

小児科2011/04/25

 みなさんはポリオワクチンにも口から飲む生ワクチンと注射でする不活化ワクチンの2種類があるのをご存知ですか? 現在、日本のすべての自治体で行われているポリオワクチンの接種にはポリオウイルスから強い毒性をなくし弱毒化した生ワクチンを6週間以上間をあけて2回飲んでもらうという方法がとられています。 昭和35年から36年にかけてのポリオの大流行の時は旧ソ連からポリオワクチンを緊急輸入して流行を防いだという実績のあるワクチンのおかげで、昭和55年以降野生のポリオウイルスでのポリオの発生がなくなりました。
しかし、一方でワクチンに由来するポリオの発生が平成19年度には4例、平成 20年度には7例発症するなど、ワクチン由来のポリオの発生が問題となるようになりました。 平成22年には、ワクチン由来でのポリオの発生がない不活化ワクチンに早期に切り替えをするよう小児科学会から要望書が出され、ワクチンメーカーでの臨床試験が進んではいますが、製品化され多くの子供達がその恩恵を受けるためにはあと数年の時間が必要です。 小児科医の有志たちは、この要望に応えるべく、独自に不活化ポリオワクチンを輸入して接種を始めるという行動をとっています。
世界中で認められているワクチンですから、安全性に問題はありませんが、国の承認を受けていないために、万が一事故が起こった場合の補償が限られること、接種方法が筋肉注射なので、1歳前のお子さんであれば、太ももに注射しなければならないことなどは知っておくべきでしょう。 一般的にはポリオの生ワクチンは安全性、効果ともに問題はないのですが、どうしても心配な保護者の選択肢を増やしてあげたいという思いが、小児科医の心を動かしているものと思われます。
現在、私の知る限りでは道南地区では接種を行えるところが1ケ所、準備が整いあとはワクチンが届くのを待っているところが1ケ所あります。
不活化ポリオワクチンを受けさせたいと思われるのであれば、ご自身でもよく勉強され気持ちを決めてご相談ください。


Text by かみいそこどもクリニック 渋谷 好孝( 2011年4月25日 「北海道新聞夕刊」掲載)

進学、就職を控える高校3年生へ

高校3年生の皆さん、就職される人は希望する会社に決まりましたか?進学される人はこれからが頑張りどころですのでインフルエンザに負けずに勉強に励んでください。就職進学にあたり、必要な予防接種は済みましたか?まずはMR(麻しん・風しん混合ワクチン)です。
日本から麻しんをなくすため、また風しんの流行を阻止するため、2年前から5年間限定で18歳のあなた方に無料で接種しています。
麻しんはワクチンでしっかり予防できる病気の中では一番怖い病気と言っても過言ではありません。
麻しんにかかったときに脳炎になり一生意識が戻らなかったり、病気になって10年以上たってから意識障害やけいれんで命を落したりする場合もあります。
1歳の頃に1度だけの接種では麻しんの発症を防ぐことはできません。
接種は3月までですので、まだの人は市町村にお尋ねください。女の人は、子宮頚(けい)がん予防ワクチンを是非しましょう。
いま、20代の若い女性に子宮頸がんで命を落としている人が増えています。
子宮頸がんはパピローマウイルスがその発症に深く関わっていることそしてワクチンと子宮頸がん検診を行うことで100%近くの頸がんが予防できることが分かっています。
3回の接種で5万円近くかかりますが、あなたの命を守るためには必要なワクチンです。本州方面に就職進学する人は、日本脳炎の予防接種をしましょう。
北海道に住んでいる限りは日本脳炎のワクチンは必要ではありませんが、道外では定期接種として、日本脳炎のワクチンを全員が接種しています。
日本脳炎は最初の症状は風邪と同じですが、その後けいれんなどの症状が出る治療の難しい病気です。
初回の免疫には1ヶ月の間をおいて2回と1年後に1回の計3回の接種が必要です。
今から始めて、来年に帰省した時に追加を行うといいでしょう。最後はインフルエンザです。
今年すでにA香港型の流行が見られています。
通常は1回の接種で十分ですが、受験生には2回の接種で万全を期すことを勧めています。


Text by かみいそこどもクリニック 渋谷 好孝( 2010年10月25日 「北海道新聞夕刊」掲載)

おたふくかぜによる難聴にご用心

小児科2010/04/26

 今年に入って函館市内近郊では、おたふくかぜの大流行が見られ、その数は、過去5年間の平均の5倍以上です。 手元に資料が残っている過去20年の統計を見てみますと、今年は大流行した平成9年についで2番目の多さになっています。
平成15年、16年にも小流行がありましたが、その後はほとんど流行もなく過ぎています。 今年の流行では、小学校高学年のお子さんがおたふくかぜにかかる例が多くみられます。 おたふくかぜというと、みなさんはどんな病気と思われるでしょう。
耳の後ろの耳下腺やあごのところにある顎下(がくか)腺というところが腫れたり、大人になっておたふくにかかると重症になったり、睾丸(こうがん)炎になって不妊の原因になるというところでしょうか? おたふくかぜになって一番心配なのは、「おたふく難聴」という、片方の耳が全く聞こえなくなるという合併症です。
頻度はおたふくになった人の1万人に1人という報告から、数百人に1人という報告までまちまちですが、おたふくの中で最も注意しなければならないものなのです。
残念ながら、おたふく難聴の存在はあまり知られていません。
難聴を早期に見つけたとしても、治療によって元の聴力に回復することはあまりありませんが、早期に発見して悪くなる可能性を少しでも減らす治療がなされます。
耳鼻科の先生にお話を聞くと、函館地域でもおたふく難聴で苦しんでいるお子さんは確実にいますとのことです。 おたふくかぜの予防にはなんといっても予防接種が有効です。ワクチンで防げる病気の多くは接種することでほとんどかからなくなるものですが、おたふくかぜワクチンだけは抗体の出来る人が約80%とあまり高くはありません。
それでもワクチンをすることにより、難聴になる危険性をできるだけ少なくすることは現在でも可能と考えられています。
任意接種でお金がかかりますが、ぜひ接種して欲しいワクチンだと考えています。
新入園、新入学の時、まだおたふくに罹っていないお子さんは、これを機会に予防接種をして難聴の危険性を少しでも下げるようにしてください。


Text by かみいそこどもクリニック 渋谷 好孝( 2010年4月26日 「北海道新聞夕刊」掲載)

嘔吐下痢症について

小児科2010/04/20

おなかの中に最近やウイルスが入って、吐いたり、下痢をする病気です。
原因細菌はカンピロバクターや腸炎ビブリオ菌で、ウイルスではロタウイルス、ノロウイルス等です。
白色便性下痢症は冬場で乳幼児に多く発症するロタウイルスが主な原因で嘔吐下痢症の一つです。

嘔吐下痢症は便から移りますが、乾燥した吐物からウイルスが舞い上がって空気感染もします。また調理した食物からも感染します。
下痢がおさまっても、1週間くらいは便からウイルスが出ていますので、徹底して手を洗いましょう。
お母さんも子供も頻回に手を洗って下さい。特に食事の前、便を処理した後などはきちんと石鹸と流水で手をしっかり洗いましょう。

治療では、嘔吐のときは点滴をするか坐薬を入れて、症状が改善してきたらイオン飲料を飲ませ吐かなければ消化のよいものを食べさせます。
下痢の時は止痢剤を飲ませて、便と同じくらいの柔らかい食事にします。


Text by すずき小児科 鈴木 敞謙(すずき ひさのり)(  「」掲載)

子供の咳について

小児科2010/04/20

せきとは、のどや気管のとおりをよくするためにタンや異物を体の外に出そうとする反応です。【せきの種類】

  • コンコン(カラせき)
    タンの出ないせきで、カゼの時や煙でむせた時に出る
  • ゴホンゴホン(タンがらみ)
    湿ったせきで、気管支炎など炎症がある時に出る
  • ケンケン(犬吠え様)
    声帯や咽頭の炎症による声がかすれ、声の出ないせき
  • ゼーゼー、ヒューヒュー(喘息様)
    気管支が細くなり、息をする時に笛のような音がする

【せきの見方】

  • 程度:ときどき、夜のみ、一日中
  • 時間:起きがけ、朝と夜、一日中
  • 場所:横になると、夜の外出、ベッドの側
  • 天気:雨風の時、低気圧の時、春や秋
  • 過敏性:線香、たばこの煙、新築の家

【ゼーゼーせきの見方】

  • 程度:せき込む、苦しい、横になれない
  • 運動:少しでもせき、マラソンでゼーゼー
  • 原因:ペット、花粉、ほこり、におい
  • 音:ゴロゴロ、ゼーゼー、ピューピュー
  • 呼吸:息が速い、鼻が動く、咽頭が動く

【家でせきが多い、ゼーゼーした時には・・・】

  1. 怒らない、愚痴を言わない
    →子供がいちばん辛く、苦しい
  2. くすりを忘れていたなら、きちんと飲ませる
  3. もっと楽な姿勢にする
  4. 水分を摂らせる
    →タンをやわらかくする
    →脱水を改善する
  5. そなえの吸入をする

【次の時は救急に行く!】

  • 顔色が悪い
  • 呼吸が速く、肩で息をする
  • 苦しくて横になれない
  • 小鼻がぴくぴく=陥没呼吸
  • せきで何度も吐く
  • 機嫌が悪い

Text by すずき小児科 鈴木 敞謙(すずき ひさのり)(  「」掲載)

子供の肥満について

小児科2010/04/20

【原 因】

  • 遺伝(両親が肥満だと子供の80%が肥満と言われる)
  • 年齢(〜1歳、前思春期〜思春期にいちばん脂肪細胞が増える)
  • 環境と食生活(いつでもどこでも、すぐ物を食べられる環境が過食に)
  • 運動不足(遊び場の減少、テレビゲームの普及で外で遊ぶ時間が減った)

【合併症】高血圧、高脂血症、糖尿病、脂肪肝などの成人病【肥満の判定法】■肥満度={(実測体重 − 標準体重)÷標準体重} × 100%(+20〜50%「軽度」、 +30〜50%「中度」、 +50% 以上「高度」)■カウプ指数 = 体重 g ÷ (身長 cmの二乗) × 10(16〜18「正常」、18〜20「太りすぎ」、20以上「肥満」)【肥満対策】

  1. 自分の肥満の程度を知りましょう。
  2. 体重を維持すれば、身長増加で肥満は減少します。
  3. 生活習慣の改善をしましょう。いちど身についた習慣は単純には解決できないため、早寝早起きなどの生活のリズムを持つことが大切です。
  4. 運動療法 水泳、ジョギング、ソフトボールなど、1日20〜30分以上できる運動ならなんでもよいでしょう。
  5. 食生活の改善
    • 食事は早食いを避け、ゆっくり20〜30分かけてとります。
    • 食べ物は20〜30回よく噛んでお茶などで流し込まないようにしましょう。
    • 食物繊維の多い野菜や、ミネラル豊富な海藻、小魚を食べましょう。
    • 焼肉など食べた量が分からない物、中華など大皿に盛りつけた物は、あらかじめ量を決めてから食べましょう。
    • スプーンではなく、箸を使うようにしましょう。
    • 食卓では、会話をしながら騒ぎながら楽しく食べ、一人は避けましょう。
    • インスタント食品は避け、夜食はやめましょう。
    • 外食の回数は多すぎないようにします。たまだから楽しみなのです。
  6. 毎日、朝晩に体重測定しましょう。

表をつけることによって、本人は減った喜びを知り楽しいダイエットができます。親は、体重が減ったことを必ず誉めてあげてください。【肥満したら?】

  • カロリーを考えて食事をしましょう。
  • 栄養バランスを考えましょう。
  • 少しずつ(スプーン1杯)食事量を減らしていきましょう。
  • 運動は、布団の上げ下ろしなど、長続きできて身近なことから始めましょう。

Text by すずき小児科 鈴木 敞謙(すずき ひさのり)(  「」掲載)

子供の発熱について

小児科2010/04/20

【体温】
乳児期は平均37度位と体温が高く、学童以上は成人と同じ平均36.5度位 です。
子供の体温は一定ではなく、朝は低く、昼は少し高めで0.5度位 ちがうのが普通です。
また冬は低く、夏は高くなり、運動、食事、入浴などで高くなることもあります。
新生児・乳児の体温は、温度の高い環境に影響を受けやすく、体温が上昇しやすいので
「おかしいな」と思ったら、しばらくしてもう一度測って下さい。【平熱】
平熱がどのくらいかを知っておきましょう。
健康なとき、1日4回(朝・昼・夕方・寝る前)食事前の安静な状態で測ります。
平熱より1度以上高ければ、熱があると考えてよいでしょう。
目安としては37.5度以上です。【水銀計と電子体温計】
水銀体温計が一番正確ですが、5分以上はさんでおくことが大切です。
1分間ほどで測れる電子体温計はとても便利ですが、水銀計より少し高く(または少し低く)出ることがあります。【熱の測りかた】
わきの下で測るのがよいでしょう。
肛門で測る場合は、わきの下より0.5〜1.0度ほど高くなります。
首のところで測る場合は、部屋の温度の影響を受けることがあります。【熱がでたら】

  1. 暑すぎず寒すぎない快適な室温にして下さい。夏は19〜24度、冬は18〜22度くらいがよいでしょう。暖めすぎ、着せすぎは疲れさせます。
  2. 親が不安な表情や態度を見せると、子供も不安になり緊張します。やさしく安心するように話しかけ、リラックスさせて下さい。
  3. 氷枕などで頭を冷やすことは、子供が気に入っているようならばよいのですが、嫌がるようならば、大きな効果はありませんのでやめましょう。冷やすときは、耳の下、脇、足の付け根を冷やすと効果的です。

【水分補給】
熱があると水分が失われやすく、また水分が欠乏してしまうとそれによって熱が上がることがあります。
湯ざましや麦茶、子供用のイオン飲料などの水分を与えましょう。【入浴】
まる1日間、37.5度以下であれば、入浴しても構いません。
しかしお風呂に長時間はいると体力を消耗するので避けてましょう。
熱が高いときにはぬるま湯で体を拭いてあげると、放熱させることができ、体もさっぱりするでしょう。【解熱剤の使い方】

  • 38.5度以上で、体調が悪いときに使用して下さい。
  • 高熱でも元気で食欲があるなら、使わなくて大丈夫です。
  • 6時間以上たてば再び使ってもよいですが、1日3回くらいまでにしておきましょう。
  • 解熱剤は一時的なものですから、熱が下がったからと言ってお薬をやめないで下さい。

【坐薬か飲み薬か】
効き目は同じですので、吐く子には坐薬を、下痢の時や坐薬が嫌いな子には飲み薬にするとよいでしょう。
坐薬と飲み薬を同時に使ってはいけません。【危険な症状】
弱々しい泣き声やうめき、うとうとして眠っているのか起きているのかわからない時、唇が紫色、皮膚が蒼白・灰色・まだらになっている、哺乳力がない、食欲がない、眼の動きがない、手足がだらりとしているような時は、すぐに病院を受診して下さい。【月齢別の判断基準】
1才未満の赤ちゃんで、38度以上の熱があるとき……

  • 0〜1ヶ月
    いっけん元気でも、とにかく早めに受診して下さい。
  • 2〜3ヶ月
    ミルクの飲みもよく、元気であれば慌てることはありません。24時間以内に受診すればよいでしょう。
  • 4〜5ヶ月
    ミルクが飲めて機嫌もそれほど悪くなければ、翌日以降の受診で大丈夫。しかしあまり熱を出す月齢ではないので、翌日には受診しましょう。
  • 6ヶ月以降
    食欲や機嫌がまあまあであれば、慌てず翌日以降にでも受診して下さい。

Text by すずき小児科 鈴木 敞謙(すずき ひさのり)(  「」掲載)

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