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コラムを読む

肺動脈塞栓症(はいどうみゃくそくせんしょう)をご存知ですか?

内科2008/12/17

 肺動脈塞栓症(PE)とは、心臓から肺に血液を送る肺動脈に突然血栓がつまることで、血液の流れが遮断されるために肺での酸素交換ができなくなる病気です。
血液が流れなくなることから血圧が下がってしまい、とても危険な状態になることもある病気と言えます。

 その原因の多くは、足のふくらはぎの静脈にできる血栓が急激に肺に流れ込むことによっておきるといわれています。
血栓は長時間の旅行で同じ姿勢をとり続けたときや、手術で数日歩けない場合、更には災害などで長時間身動きが取れない場合におこりやすいといわれています。
血栓ができた時点では症状はでないのですが、一旦動き出したときにその血栓が肺動脈に流れ込み、呼吸困難感や胸痛、めまいや眼前暗黒感が出現するのです。
PEは症状が急におこることから、急性心筋梗塞や解離性大動脈瘤なども考えて診断にあたらなければいけません。

 治療は血栓を溶かす薬の静脈内投与が良く効くとされており、診断がつきしだい直ちに投与されます。
血圧が不安定な場合は手術で肺動脈内の血栓を取り除くこともあります。
軽症のものでは内服による抗凝固療法だけで済む場合もあるようです。

 この病気は治療と同時に、2回目の塞栓症に対する予防も大切です。
予防方法として2つの方法があります。
ひとつは足の静脈に血栓ができないようにすること、そしてもうひとつは血栓が肺に流れ込まないようにすることです。血栓ができないようにするためには、長時間同じ姿勢をつづけないようにすること、できれば足の指を定期的に動かしたり、数時間おきに歩くこと、また水分補給も重要です。
一方、肺に血栓が流れこまないようにするために下大動脈フィルターが使われることもあります。
これは腎静脈のすぐ下のところにフィルターを留置する方法で、確実に血栓の流出を食い止めますが、長期間おくとめづまりすることが問題となりそうです。

 以上簡単に肺動脈塞栓症について解説しましたが、突然、息が苦しくなる病気の一つとして皆さんのご記憶にとどめていただければ幸いです。


Text by 北美原クリニック 遠藤 明太(  「」掲載)

家庭血圧を測りましょう

内科2008/12/17

「えっ、血圧160もありますか? 家を出る前に測った時は、120だったんです。私、先生の前ではいつも高いんです・・・」

そう言ってAさんが提示した家庭血圧帳には、綺麗な折れ線グラフが描かれ、自宅で朝と夜に自己測定した血圧(これを家庭血圧といいます)はいつも正常であることを示していました。

このAさんのように診察した時の血圧は高いが家庭血圧は正常であるという場合は、ほとんど問題になることはありません。
それは診察のときに測る血圧よりも夜間や早朝の血圧のほうが、将来起こす疾病に関係するということが解っているからです。
病院で緊張した時などに血圧が高くなる事を白衣現象または白衣高血圧と言い、その頻度はけして少なくはありません。
家庭血圧を知ることによって、降圧薬を不必要に増量されることがなくなり、患者さんも医師も安心して治療を続けることができるようになります。

現在日本の家庭には、実に3000万台以上の家庭血圧計があり、高血圧の患者さんの8割弱の人が所有していると言われています。
しかし、これだけ普及した家庭血圧計ですが、ある調査では家庭血圧の高血圧基準値を正しく知っている患者さんは、2.4%しかいなかったとの報告があります。
来年の一月には、高血圧治療の基準となるガイドラインの5年ぶりの改訂(JSH2009)が日本高血圧学会より発表されます。
その中では家庭血圧の重要性が強調され、初めて家庭血圧による降圧目標値が暫定的に設定される予定です。
降圧目標値は①若年・中年者125/80mmHg未満②高齢者135/85mmHg未満③糖尿病、腎臓病、心筋梗塞後患者125/75mmHg未満④脳血管障害患者135/85mmHg未満になると思われます。

家庭血圧は、朝と夜に1回ずつ連日長時間測定し、その平均を評価していくものですので、その都度の測定値に一喜一憂せず、記録した血圧手帳を主治医にきちんと見せることがとても大切です。


Text by 関口内科 関口 洋平(  「」掲載)

家族みんなでインフルエンザワクチンを!

内科2008/11/21

 初雪も降り徐々に師走が近づいてきています。インフルエンザワクチン接種は、お済みですか?
インフルエンザは、毎年冬季に流行を繰り返し、人口の5~20%がかかるといわれています。
日本でインフルエンザに関連した死亡は、毎年数千から数万人の報告があるそうです。

 1960年代から30年間にわたり学童集団予防接種が行われていたため、1980年代まではインフルエンザ関連死亡数は低く抑えられていたのですが、集団接種中止以降、死亡数が増加しているそうです。
インフルエンザは、毎年流行するウイルスが変化します。
そのためワクチンは毎年WHO(世界保健機関)の会議で流行するウイルス株を予測し、それをもとに日本での流行状況を加味して独自に作られます。

 ワクチンの発病予防効果は、健康成人では70~90%といわれていますが、これはあくまでも流行したウイルスとワクチンの予測が一致した場合であって、インフルエンザウイルスは流行中に突然変異を起こすことがありますので50%程度に予防効果が下がることもあるのです。
ちなみに、乳幼児の予防効果は20~50十%、学童は成人とほぼ同様です。
インフルエンザのワクチンは乳幼児や高齢者などのハイリスクの人だけにワクチンを打つより、その方に接する可能性のある家族全員にワクチンを接種した方が効率的に予防できます。
イギリスでの報告は、老人施設内の入居者全員にワクチン接種した場合と、逆に老人施設に出入りする職員だけにワクチン接種をした場合、同等の効果があったそうです。

 これからもわかるように、インフルエンザは自然になるのではなく、周りの人からもらうものなので、その周りの人も一緒にワクチンを受けた方が良いようです。

 今年からは、家族みんなでワクチンを受けられてはいかがですか?


Text by はら内科クリニック 原 信彦(  「」掲載)

女性に多い甲状腺(こうじょうせん)の病気

内科2008/08/18

 甲状腺は頚部(けいぶ=くび)の正面、のどぼとけのやや下にあって、体の活動性を保つのに大切な「甲状腺ホルモン」を分泌する小さな臓器です。甲状腺の病気は甲状腺ホルモンが増えすぎたり足りなくなったりする甲状腺機能異常(はたらきの変化)と、腫瘍や、のう胞ができる場合(かたちの変化)に分けられます。いずれの場合も女性に多いようです。

 甲状腺ホルモンが増えすぎると、暑がり・汗かきになり疲れやすい、イライラする、動悸がする、手(指)が震える、食欲はあるのに体重が減る、などさまざまな症状が出ます。

 逆に、甲状腺ホルモンが足りない場合は寒がりになり、むくみが出やすくなりますが、症状に気づきにくいことも多いようです。

 思い当たる方は、一度、甲状腺ホルモンのチェックを受けられてはいかがでしょうか。お近くの内科、または外科の先生に相談してみてください。


Text by あんざいクリニック 安斎 治一(  「」掲載)

糖尿病と飲酒

内科2008/08/13

 年末が近づき、宴会でお酒を飲む機会が増えているかと思います。今回は、アルコールと糖尿病について、お話ししたいと思います。

 アルコール(エタノール)は、少量では健康にいいとされていますが、成人男性で1日平均30g(日本酒1.5合相当)以上では死亡率が急上昇します。

 また、アルコールは1gあたり、7kcalのエネルギーがあるため、糖尿病の血糖コントロールに悪影響を与えます。そのため、血糖コントロールの悪い方は原則禁酒とする、良い方(ヘモグロビン A1c 6.5%以下)は、一日2単位(ビール500ミリリットル、日本酒1合、ワイン200ミリリットル)以下の飲酒は可能です。外食では、飲み過ぎ、食べ過ぎないことが大切です。外食時ウーロンハイならウーロン茶をたくさん入れる、カロリーの低いものからたくさん食べるなどの工夫をしてみましょう。

 休肝日も週2、3回設けてください。では楽しい年末ライフをお過ごしください。


Text by 陳 進陽(  「」掲載)

貧血に注意しましょう

 病院にはかかったことがなくても、年一回保健所などで健診を受ける方が増えているようですね。ご自分の健康に気を使われる方が増えているということだと思います。

 健診でも必ずチェックされる項目に貧血があります。赤血球の下にヘモグロビンという項目があります。このヘモグロビンが男性で十四mg/デシリットル、女性で十二mg/デシリットル未満に下がった状態を貧血といいます。血液がうすくなった状態と考えていただけば分かりやすいでしょう。普通は貧血が進むと息切れや倦怠感(けんたいかん)、さらに動悸、胸痛などが出てくるといわれますが、実際にはヘモグロビンが七mg/デシリットル台でも症状が全くない方もいらっしゃいます。臓器に酸素を運ぶのはすべて赤血球(ヘモグロビンを含む)が行っていますから、貧血になるとすべての臓器の働きに支障がでる可能性があるというわけです。

 貧血の原因は多岐にわたりますが、日常よくみられるのは鉄欠乏性貧血です。鉄が足りなくなるために起こる貧血です。女性に多く、鉄分を補えば改善が見込めます。ただし鉄剤は吸収をよくするために空腹時に服用するのが原則ですが、おなかの不快感を訴える方も少なくありませんので注意が必要です。さらにお薬が飲めない方には注射剤もありますが、漫然と注射しつづけると鉄過剰になり肝臓の病気になってしまうこともあります。そうならないためにも常に体内鉄量の目安である血清フェリチンを計測してもらうようにすると良いでしょう。

 また鉄剤を服用すると便が黒くなります。黒くなっても心配はないのですが、あらたな胃潰瘍による出血などを見落としかねない(胃の出血があると便が黒くなる)こともあり注意しておきたいところです。

 鉄欠乏性貧血以外にも慢性炎症や悪性腫瘍にともなう貧血、さらに白血病を含む血液疾患にともなう貧血などもあり、貧血からたどっていく病気がたくさんあるのです。

 健康診断の結果をケースにしまいこんだままの方は是非もう一度見直してみてはいかがでしょうか?


Text by 北美原クリニック 遠藤 明太(  「」掲載)

死者が急増! 高齢者の肺炎

内科2008/08/13

 「肺炎」は、日本人の死因の第4位ですが、最近、患者さんが急増しています。

 原因には、これまで肺炎に効くといわれていた抗生物質が効かなくなってきていること、また、高齢者を中心に食べ物を飲み込んだ時に、誤って気管から肺に入ることで起こる誤嚥性肺炎(ごえんせいはいえん)が急増しているためと言われています。時には、胃の中の食べ物や胃酸が逆流しないように閉じているはずの食道と胃のつなぎ目の締まりが、いつの間にか緩くなることにより、胃の内容物が逆流して肺に入ってしまい肺炎を起こすこともあります。

 胸焼け・すっぱい物が込み上げる・のどの違和感つかえ感・慢性の咳(せき)・声のかれ等の症状のある方は、胃カメラでの検査が必要です。

 予防には、うがい・歯みがき・手洗いは基本ですが、感染による肺炎の原因の約30%を占める肺炎球菌のワクチンの予防接種が有効です。1回の接種で5年程度有効で、予防効果は80%と言われています。肺炎になる前に、検査やワクチンで肺炎を予防しましょう。


Text by 鈴木内科外科クリニック 大原 眞理子(  「」掲載)

薬の上手なつかい方

内科2008/08/13

 病院や調剤薬局で処方してもらう薬には、同じような成分で値段の高いお薬と安いお薬があるのをご存知でしたか?

 高いお薬は、「新薬」と呼ばれ、その薬を開発するためにかかった費用も上乗せされるため、値段が高く設定されています。

 一方、新薬の特許期間(20~25年)が過ぎた後に製造・販売されるお薬は、「ジェネリック医薬品」(後発医薬品)と呼ばれ、開発費用の大幅な削減が可能なため値段は安く設定されています。お薬によって差はありますが、新薬の約半額程度になるものもあります。

 しかし、新薬と同じ成分・同じ効き目といっても全く同じ薬ではありません。

 ひとつの新薬に対し、沢山の製薬会社がジェネリック医薬品を製造しており、錠剤の形やコーティング・粒子の大きさなど、会社によってバラバラです。それによって、多少効果や副作用に違いが出てくることもあります。 お薬は、より安く、またそれ以上により安全でなくてはいけません。

 いま処方されているお薬の内容を、今一度主治医の先生と再確認してみてはいかがでしょうか?


Text by 鈴木内科外科クリニック 大原 眞理子(  「」掲載)

美味しく食べていますか?

(1)食べ物がつかえる
(2)酸っぱい物がこみ上げてくる
(3)胸やけがする
(4)胸が痛んだり、苦しくなる
(5)咳が続く
(6)声がかすれる

などの症状に悩まされた事はありませんか?

 これらは逆流性食道炎の症状です。特に甘い物を食べた後に起こりやすく、胃酸が食道へ逆流することにより起こる病気です。胸痛があるのに心臓は異常がないと言われていたり、喘息がなかなか治らない方に、この病気を合併している場合が多いと言われます。偏食でストレスの多い方、肥満気味の方や高齢者によく見られます。
逆流性食道炎をそのままにしておくと、いずれ食道がんに移行したり、高齢者の肺炎も起こりやすくなります。これは胃カメラで診断しますが、検診などで行うバリウム検査ではほとんどわかりません。治療は胃酸を抑える薬の内服や、腹腔鏡での簡単な手術で症状は著明に改善されます。他の病気の早期発見も含めて、専門医での胃カメラ検査をお勧め致します。


Text by 鈴木内科外科クリニック 大原 眞理子(  「」掲載)

痛風(つうふう)

 風が吹いても痛いので痛風と呼ぶと言いますが、足の親指の付け根が真っ赤に腫(は)れているのを見ると本当に痛そうです。

 痛風は血液の中の尿酸が多いとかかる病気ですが、昔はぜいたく病とも言われていて、肉を食べる人に多いのでそう呼ばれました。焼肉をたくさん食べたプロ野球選手なんかには多かったようで、現役時代の王監督が痛風だったなんていうのは、話が古すぎるでしょうか?

 今では皆さん豪快に焼肉を食べますけれど、昔は焼肉なんかもぜいたくだったわけです。痛風というのは、足が腫れるだけではなく、血尿が出て腰のあたりが死ぬほど痛い尿路結石(にょうろけっせき)や腎臓、血管壁(けっかんへき)に尿酸がたまった状態も全て痛風と呼びます。いずれも、血液の中に溶けているはずの尿酸が、濃くなりすぎて溶けきれずに結晶になると、かたまりになって出てくるわけです。

 血液検査を受けている人でしたら、必ず腎臓の機能の欄に尿酸値というところがあります。7mg/dlが理論的には血液に尿酸が溶けている限界で、それより濃くなると危ないです。砂糖を水に溶かしても、いっぱい砂糖を入れすぎるとザラメになりますが、そんな状態です。男性では二十歳を過ぎたら、女性では閉経後に尿酸値はピークになります。ですから、痛風は男性に多くて、しかも五十歳を過ぎた頃からかかる人が多くなります。

 高血圧の人の腎臓は尿酸を捨てるのがうまくいかなくて、痛風になりやすいということもあります。痛風で高血圧だと血管に尿酸がたまって血管が硬くなる動脈硬化も進みます。濃いおしっこは酸性なので尿酸が溶けにくく、薄いおしっこはアルカリに近くなるので、尿酸がよく溶けます。

 尿酸が7mg/dl台の人は、水を多めに飲んでいっぱい出すと尿酸は少し下がります。8mg/dlでは薬を飲んで下げましょう。9mg/dlでは「足が痛くなりますよ」と内科の教科書には書いてあります。

 暑い日に屋外でするバーベキューはビールも美味しいのですが、痛風の人は要注意。

『水も飲みながらビールをおかわり』です。


Text by 榊原循環器科内科クリニック 榊原亨(  「」掲載)

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